株式投資

日本郵政株は危険!? 株価はなぜ安い?株を買うべきかを解説

2023/09/24

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お悩みくん

日本郵政の株価はなぜ安いのですか?
日本郵政株は危険ですか?買うべきですか?
「楽天株で850億円の損失を出した」という報道もあり心配です。

こういった質問に答えます。

本記事の内容

  • 日本郵政はどんな会社?
  • 日本郵政の業績推移と見通し
  • 日本郵政の株価推移
  • 日本郵政の株価はなぜ安い?
  • 日本郵政の配当推移と見通し
  • 日本郵政株は危険?or 買うべき?
  • まとめ:今回のポイント

こんにちは、ブロガー&投資家のフリーです。

今回は、「日本郵政の株価はなぜ安いのか?」「日本郵政株は危険なのか?」「日本郵政株は買うべきか?」を中心に解説します。

ポイントは下記のとおり。

  • 日本郵政の株価が安い理由①:業績や配当に期待できない
  • 日本郵政の株価が安い理由②:かんぽ生命の不正販売
  • 日本郵政の株価が安い理由③:新規事業・成長投資の不振
  • 日本郵政株は危険ではないが、積極的に買うべきではない

※記事は3分くらいで読み終わります。

日本郵政はどんな会社?

日本郵政(6178)は、日本郵政グループの持株会社。

日本郵便・ゆうちょ銀行(7182)・かんぽ生命保険(7181)が、おもな子会社です。

筆頭株主は財務大臣(財務省)で、発行済み株式数の3分の1強を保有。

売上構成は、生命保険57%、銀行19%、郵便・物流18%、国際物流5%で、純利益の75%をゆうちょ銀行が稼いでいます(2023年3月期)。

最近の報道では、楽天株で850億円もの損失を出し、「日本郵政株は危険では?」という報道もあり、投資家から注目(心配?)されています。

項目内容
社名日本郵政
証券コード6178
本社東京都千代田区大手町
設立2006年1月
決算3月31日
市場東証プライム
事業内容郵便・物流、銀行、生命保険
従業員数(連結)約227,000名(2023年3月期)
売上高11兆1,385億円(2023年3月期)
配当利回り4.64%(2023年3月期)
株価1,245.5円(2023年9月22日終値)
購入できる証券会社松井証券、楽天証券など

日本郵政株は、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。

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日本郵政の業績推移と見通し

日本郵政の過去7期分の業績は、下記のとおりです。

決算期売上高経常利益純利益
2017年3月13兆3,265億円 7,952億円  -289億円
2018年3月12兆9,203億円  9,161億円  4,606億円
2019年3月12兆7,749億円 8,306億円  4,794億円
2020年3月11兆9,501億円   8,644億円4,837億円
2021年3月11兆7,204億円9,141億円4,182億円
2022年3月11兆2,647億円9,914億円 5,016億円
2023年3月11兆1,385億円6,574億円  4,310億円
引用元:日本郵政、有価証券報告書

売上高は、一貫して減少が続いています。

郵便物の取り扱い量の減少や新規事業の不振、2019年に発覚した「かんぽ生命」の不正販売問題などが要因です。

経常利益は、増益と減益を繰り返していて、安定しませんが、おおむね8,000~9,000億台を稼いでいます。

ただし、直近の2023年3月期には、6,500億円まで減少しているのが懸念されます。

純利益については、2017年3月期にオーストラリア物流大手の減損損失で約4,000億円の特別損失を計上、最終赤字になりました。

それ以降は、おおむね4,000億円台を稼いでいます。

✓ 日本郵政の業績見通し

2024年3月期の日本郵政の業績見通しは、下記のとおり。

決算期売上高経常利益純利益
2024年3月(予想)10兆8,600億円 6,200億円  2,400億円
引用元:日本郵政、決算短信

前期と比べて減収減益予想でよくありません。とくに純利益の落ち込みがひどく、45%ほどの減少になっています。

純利益の減少は、稼ぎ頭の「ゆうちょ銀行」株式の持ち分が減ること(89% → 60%)が要因です。

さらに、楽天株が通期決算(2024年3月期)に与える影響についても、懸念されます。

日本郵政の楽天株の取得価格が1,145円
楽天株が取得価格の50%(573円)を下回ると、2024年3月期の通期決算に悪影響を与えかねません。

フリー

ちなみに、現在の楽天グループ(4755)の株価は、620.3円(2023年9月22日終値)。

現時点では、取得価格の50%を上回っており、通期(2024年3月期)での評価損計上はなさそうです。

日本郵政の株価推移

日本郵政の約8年分の株価推移は、下記のとおり。

※株価チャートは拡大できます。

日本郵政 株価チャート8年

日本郵政は、2015年11月に新規上場しました(公開価格:1,400円)。

上場来の最高値は、上場から1ヵ月後の2015年12月、1,999円です。

その後、日本郵政の株価は業績に比例するかのように、右肩下がりに…。

※2019年に発覚した「かんぽ生命」の不正販売問題も悪材料になりました。

2020年10月には、上場来安値の714.7円を記録しています。

2020年後半から、株価はゆるやかに回復。2023年9月現在、1,200円台で推移しています。

株価はようやく1,000円を超えて、1,200円台に乗せました。
ですが、いまだに公開価格(1,400円)を下回っています。

フリー

日本郵政の株価が安い理由は、下記の3点が考えられます。

  • 理由①:業績や配当に期待できない
  • 理由②:かんぽ生命の不正販売
  • 理由③:新規事業や成長投資が不振

それぞれ解説します。

理由①:業績や配当に期待できない

理由の1つ目は、業績や配当に期待できないからです。

業績については、先述したとおり。

売上高は減少傾向、利益面は不安定で、今後もあまり期待できそうにありません。

配当に関しては、下記をご覧ください。

決算期配当金
2017年3月50円
2018年3月57円
2019年3月50円
2020年3月50円
2021年3月50円
2022年3月50円
2023年3月50円
引用元:日本郵政の決算資料

特別配当を出した、2018年3月期以外は毎期50円の配当金です。

安定配当と言えるかも知れませんが、株主還元に積極的な企業が増えている中、何か物足りなさを感じます。

連続増配株に興味のある方は、こちらの記事もご覧ください。

理由②:かんぽ生命の不正販売

理由の2つ目は、かんぽ生命の不正販売があったからです。

2019年に子会社のかんぽ生命で、保険の不正販売問題が発覚。

2014年~2018年度に販売した18万件超の保険商品で、顧客に不利益を与えた可能性があるとして大問題になりました。

※郵便局員への「過剰なノルマ」が不正の原因だった…、と言われています。

保険の不正販売問題

  • 保険料の二重徴収
  • 条件の悪い契約への乗り換え etc.

この不正販売問題により、3ヵ月の業務停止命令を受け、経営トップは辞任。

株価も大きく反応し、2019年の夏頃から2020年10月にかけて、日本郵政株は下落していきます。

理由③:新規事業や成長投資が不振

理由の3つ目は、新規事業や成長投資が不振だからです。

投資失敗や事業不振の具体例

  • オーストラリア物流大手への投資失敗
  • 楽天グループ株の下落で評価損を計上
  • 楽天グループとの資本・業務提携の不振 etc.

2015年に買収した、オーストラリアの物流大手(トール・ホールディングス)への投資に失敗。

結局、2017年3月期に約4,000億円の特別損失を計上することになります。

また、直近の2024年3月期・第1四半期(4~6月期)の決算では、楽天株の下落を受けて850億円の特別損失を計上しています。

さらに、楽天グループとの合弁会社「JP楽天ロジスティクス」の売上高は627億円あるものの、純利益(最終利益)は、52億円の赤字(2023年3月期)となっています。

まだ2期目の新しい会社なので、性急な判断はできませんが、株式市場からは先行きを不安視する声も上がっています。

日本郵政の配当推移と見通し

日本郵政の配当金推移は、下記のとおり。

※配当利回り = 各期の配当金 ÷ 株価(期末)× 100で算出

決算期配当金株価(期末)配当利回り配当性向
2017年3月50円1,397円3.58%
2018年3月57円1,281円4.45%50.5%
2019年3月50円1,296円3.86%42.2%
2020年3月50円845.7円5.91%41.8%
2021年3月50円986.7円5.07%48.3%
2022年3月50円898.4円5.57%37.9%
2023年3月50円1,076.5円4.64%41.4%
引用元:IR BANK、日本郵船の決算資料

配当金は2018年3月期(※)を除いて、毎期50円が続いていて、株主還元に積極的とは言えません。

※日本郵政・民営化10周年の特別配当(7円)が追加され、57円。

株価が1,000円まで下がると、配当利回りが5%になるのですが、個人的にはあまり投資意欲が湧きません。

今後の業績に不透明感があり、投資対象としては考えにくいです。

フリー

✓ 日本郵政の配当見通し(2024年3月期)

2023年8月に発表された決算短信によると、2024年3月期の配当金は、50円のままのようです。

2024年3月期の決算は、減収減益予想で、純利益は半減するのですが、日本郵政は下記の配当方針を掲げているため、業績が多少悪くても、減配にはならない見込みです。

  • 経営成績に応じた株主への利益還元を継続して安定的に行う
  • 2026年3月期末までは、50円/1株を目安に、安定的な配当を目指す
引用元:日本郵政 配当政策より

日本郵政株は危険?or 買うべき?

「日本郵政株は危険か?」、「日本郵政株を買うべきか?」

あくまでも、個人的な意見ですが、

結論:日本郵政株は危険ではないが、積極的に買うべきではない

その理由は、「日本郵政の株価はなぜ安い?」で述べたとおり、

新規事業や成長投資が不振で、今後の業績や配当に期待できないからです。

最近の報道で、一番のトピックは、日本郵政が2023年3月にゆうちょ銀行の株式を売却したことです。

※この売却により、日本郵政が保有する「ゆうちょ銀行」の株式が89%から60%に減り、2024年3月期の純利益も45%ほど減少する見込みです。

純利益の75%を稼いでいた(2023年3月期)、ゆうちょ銀行株を手放すことは、大きな痛手となります。

今後、日本郵政は「金融」「郵便」に次ぐ、第3の柱として「不動産」事業に力を入れる計画(5,000億円を投資予定)ですが、どのように成長させるのかをじっくりと見守りたいと思います。

参考:日本郵政、不動産に大型投資 全国20カ所超で再開発(日本経済新聞)

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まとめ:今回のポイント

今回は、日本郵政は(6178)について解説しました。

ポイントをおさらいすると、下記のとおり。

  • 日本郵政の株価が安い理由①:業績や配当に期待できない
  • 日本郵政の株価が安い理由②:かんぽ生命の不正販売
  • 日本郵政の株価が安い理由③:新規事業・成長投資の不振
  • 日本郵政株は危険ではないが、積極的に買うべきではない

2023年3月、日本郵政は稼ぎ頭であった「ゆうちょ銀行」の株式を売却。持ち分比率が大きく減少しました。

この売却に伴い、2024年3月期の純利益がほぼ半減する見通しです。

日本郵政は現在、経営の大きなターニングポイントにきていると考えます。

「金融」「郵便」に次ぐ、第3の柱として「不動産」事業がどのように成長するのか、1~2年のスパンでじっくり見届けたいと思います。

※投資判断は自己責任でお願いします。

今回は以上です。

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