新作「ゼルダの伝説」が絶好調の任天堂はどうですか?
任天堂株は買うべきですか?配当利回りは何%ですか?
今後の株価や配当金の見通しについても教えてください…。
こういった質問に答えます。
こんにちは、ブロガー&投資家のフリーです。
今回は、「任天堂株は買うべきか?」「任天堂の配当利回りは何%?」「任天堂の株価・配当金の見通し」を中心に解説します。
ポイントは下記のとおり。
- 任天堂株は買うべきか? → 今は買うべきではない
- 任天堂株の配当利回りは、3.63%(2023年3月期)
- 任天堂株の株価の見通しは、4,035円~5,706円
- 任天堂株の予想配当金は、147円(2024年3月期:会社発表)
※記事は3分くらいで読み終わります。
任天堂はどんな会社?
任天堂(7974)は、ハード、ソフト両方に強みを持つ、国内No.1のゲーム会社。
現在の主力ハードは『ニンテンドースイッチ』で、国内外で累計1億2,953万台(2023年6月末時点)を販売しています。
人気ソフトは『マリオカート』『あつまれ どうぶつの森』『ポケットモンスター』などで、新作『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が絶好調、1,800万本を超えるヒット作になっています。
また、ここ数年はIP(知的財産)にも力を入れており、2023年4月公開の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の世界興行収入が約1,900億円のヒットになり、話題を呼びました。
2022年10月に株式分割(1株 → 10株)を実施。私たち個人投資家にも、ようやく手の届く銘柄になりました。
項目 | 内容 |
---|---|
社名 | 任天堂 |
証券コード | 7974 |
本社 | 京都市南区上鳥羽鉾立町 |
設立 | 1947年11月 |
決算 | 3月31日 |
市場 | 東証プライム |
主な事業内容 | ゲーム機器の開発・製造・販売 |
従業員数(連結) | 7,300名(2023年3月期) |
売上高 | 1兆6,016億円(2023年3月期) |
配当利回り | 3.63%(2023年3月期) |
株価 | 6,309円(2023年9月13日終値) |
購入できる証券会社 | 松井証券 、楽天証券 など |
任天堂株は、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。
松井証券の場合、25歳以下なら取引額に関わらず、手数料が無料ですので、ぜひこの機会に口座を開設しておきましょう。
※ 26歳以上の方でも、1日の取引額が50万円以下なら手数料は無料。100万円以下の取引なら手数料は1,100円(税込)です。
任天堂の業績推移
任天堂の過去5期分の業績と、2024年3月期の業績予想は下記のとおりです。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
2019年3月 | 1兆2,005億円 | 2,497億円 | 1,940億円 |
2020年3月 | 1兆3,085億円 | 3,523億円 | 2,586億円 |
2021年3月 | 1兆7,589億円 | 6,406億円 | 4,803億円 |
2022年3月 | 1兆6,953億円 | 5,927億円 | 4,776億円 |
2023年3月 | 1兆6,016億円 | 5,043億円 | 4,327億円 |
2024年3月(予想) | 1兆4,500億円 | 4,500億円 | 3,400億円 |
ここ5期分の決算で目を引くのが、コロナ禍での「巣ごもり需要」が追風となった、2021年3月期の決算です。
『ニンテンドースイッチ』向けのソフト『あつまれ どうぶつの森』『マリオカート8 デラックス』がヒットし、売上高は過去2番目の成績。純利益4,803億円は過去最高を記録しました。
ですが、そのあと業績は、下向き傾向に…。
2022年・2023年3月期は、売上高と各利益ともに前期に比べて減少しました。
さらに、2024年3月期も業績悪化を予想しており、「任天堂株に手を出すのは危険!」というサインが出始めています。
任天堂の株価推移
任天堂の過去20年分の株価推移は、下記のとおり。
※株価チャートは拡大できます。
任天堂株は、2007年11月に最高値の7,320円を付けました。
2004年12月に発売された『ニンテンドーDS』が絶好調で、初の売上高1兆円超えを目指し、業績も急拡大していた時期です。
ですが、その後に株価は大きく下落していきます…。
2008年から2015年にかけて株価は低迷し、一時は1,000円を割り込む場面もありました。
次の高値は、前回の最高値から13年後の2021年2月。株価は6,983円を記録しました。
コロナ禍での「巣ごもり需要」で、純利益が過去最高を達成した年です(2021年3月期)。
2023年9月現在の株価は6,300円台。ほぼ高値圏にあると考えてよいでしょう。
任天堂株は買うべきか?
結論:「今は、買うべきではない」と個人的には考えます。
私が「今は、任天堂株を買うべきではない」と考える理由は、下記のとおり。
- 理由①:株価が高値圏にあるから
- 理由②:2期連続で減収減益中だから
- 理由③:2期連続で減配中だから
それぞれ解説します。
✓ 理由①:株価が高値圏にあるから
先ほどの株価チャートを再掲します。
※株価チャートは拡大できます。
ご覧のとおり、現在の株価は6,300円台。
過去10年間で、株価が一番高い時期になっています。
今後の株価の動向は誰にもわかりませんが、ここから上昇するよりも、下落するリスクが高いと個人的には考えます。
✓ 理由②:2期連続で減収減益中だから
過去3期分の業績と、今期(2024年3月期)の業績予想を再掲します。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
2021年3月 | 1兆7,589億円 | 6,406億円 | 4,803億円 |
2022年3月 | 1兆6,953億円 | 5,927億円 | 4,776億円 |
2023年3月 | 1兆6,016億円 | 5,043億円 | 4,327億円 |
2024年3月(予想) | 1兆4,500億円 | 4,500億円 | 3,400億円 |
2021年3月期は、過去2番目の売上高、過去最高の純利益を記録しました。
ですが、2022年と2023年3月期は、2期連続で減収減益となっています。
さらに、今期(2024年3月期)も減収減益が予想されており、株価的には上昇しにくいと判断します。
✓ 理由③:2期連続で減配中だから
もう1つの懸念材料が、配当金です。
決算期 | 配当金 |
---|---|
2018年3月 | 59円 |
2019年3月 | 81円 |
2020年3月 | 109円 |
2021年3月 | 222円 |
2022年3月 | 203円 |
2023年3月 | 186円 |
2024年3月(予想) | 147円 |
上記のとおり、2021年3月期まで増配傾向にあった配当金ですが、
2022年と2023年3月期は、2期連続で減配になりました。
また、2023年8月に発表された決算短信では、今期(2024年3月期)の配当金は147円で、3期連続での減配が予想されています。
このような状況下では、配当金狙いの投資も難しいと考えます。
任天堂の配当利回りは何%?
任天堂の過去8期分の配当利回りは、0.94~3.63%。平均すると、2.45%です。
東証プライム全銘柄の利回りは、2.18%(2023年9月13日、日本経済新聞より)なので、ほぼ平均的な利回りです。
※配当利回り= 各期の配当金 ÷ 株価(期末)× 100で算出
※2022年10月に実施済みの株式分割(1株 → 10株)を考慮して作成
決算期 | 配当金 | 株価(期末) | 配当利回り | 配当性向 |
---|---|---|---|---|
2016年3月 | 15円 | 1,600円 | 0.94% | 109.2% |
2017年3月 | 43円 | 2,583.5円 | 1.66% | 50.4% |
2018年3月 | 59円 | 4,686円 | 1.26% | 50.8% |
2019年3月 | 81円 | 3,156円 | 2.57% | 50.1% |
2020年3月 | 109円 | 4,161円 | 2.62% | 50.2% |
2021年3月 | 222円 | 6,181円 | 3.59% | 55.1% |
2022年3月 | 203円 | 6,167円 | 3.29% | 50.2% |
2023年3月 | 186円 | 5,131円 | 3.63% | 50.1% |
業績が絶好調だった、直近の3期は配当利回りが3%台ですが、
業績しだいでは、配当利回り1%や2%台も十分に考えられるのが、任天堂株です。
先述したとおり、任天堂は2期連続の減配中で、今期も減配が予想されていますので、今後は配当利回りが低下していくと考えます。
高配当株投資なら、金融株や通信株がおすすめ。
こちらの記事もご覧ください。
>> 三菱UFJの株価が安い理由(なぜ安い?)と株価・配当の見通し
任天堂100株で配当金はいくらもらえる?
2023年3月期の配当金は、下記のとおり。
※2022年9月の中間配当は、630円でしたが、株式分割(1株 → 10株)を考慮して、63円としています。
時期 | 配当金 |
---|---|
中間配当(2022年9月) | 63円 |
期末配当(2023年3月) | 123円 |
合 計 | 186円 |
上記のとおり、任天堂の配当金は、2回に分けて分配されます。
100株を保有している場合、18,600円の配当金を受け取ることができました。
※なお、実際の手取り額は14,822円(20.315%の所得税・住民税が引かれる)です。
配当金の額は、業績によって変化します。moomoo(ムームー)などの株アプリで、会社の動向をチェックしましょう。
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任天堂100株はいくらで買える?
任天堂の過去1年間の株価推移は、下記のとおり。
※株価チャートは拡大できます。
任天堂 100株を購入する場合、下記で計算できます。
株価 × 100株 + 手数料 = 購入資金
2023年9月13日の任天堂の終値は6,309円なので、これで計算してみます。
なお、私も利用している松井証券の場合、25歳以下であれば、取引額に関わらず手数料は無料となっています。
6,309円 × 100株 + 0円 = 630,900円
63万円くらいで購入可能です。
2022年10月に株式分割するまでは、100株購入するのに、500~600万円くらい必要でした。
現時点では、投資をするタイミングだとは思いませんが、手の届く銘柄にはなりました。
任天堂の株価・配当金の見通し
最後に、任天堂の株価と配当金の見通しについて、以下で考察してみます。
任天堂の株価の見通し
株価は、下記の計算式で算出されます。
EPS(1株利益)× PER(株価収益率)= 株価
2024年3月期の任天堂の予想EPSは、292円(任天堂、2024年3月期 第1四半期決算短信より)。
任天堂の過去5期分のPERは、最低が13.82倍、最高が19.54倍(任天堂、2023年3月期 有価証券報告書より)。
これらの数字から、任天堂の株価を計算すると下記になります。
292円 × 13.82倍~19.54倍 = 4,035円~5,706円
あくまでも、計算上ですが、「4,035円~5,706円」という株価が算出されました。
なお、現在の任天堂の株価は、6,309円(2023年9月13日終値)。
PERを計算すると、21.6倍(6,309円 ÷ 292円)になるので、PER的に見ても、現在の株価は高値水準にあることがわかります。
今後の焦点は、『ニンテンドースイッチ』の後継機です。
2024年には発表される見通しですが、業績にも大きな影響を与えるため、引き続き要注目です!
任天堂の配当金の見通し
任天堂の直近6期分の配当実績と、2024年3月期の予想配当金は下記のとおり。
決算期 | 配当金 |
---|---|
2018年3月 | 59円 |
2019年3月 | 81円 |
2020年3月 | 109円 |
2021年3月 | 222円 |
2022年3月 | 203円 |
2023年3月 | 186円 |
2024年3月(予想) | 147円 |
2018年3月期から2021年3月期にかけて、「59円 → 81円 → 109円 → 222円」と、配当金は順調に増加。
一方で、業績が下落トレンドに入った2022年と2023年3月期は、2期連続での減配になりました。
さらに、最新の決算短信によると、2024年3月期の配当金は147円で、3期連続の減配となる見通しです。
参考までに、任天堂の配当方針を載せておきます。
引用元:任天堂、株主・投資家向け情報 配当金より抜粋
- 連結配当性向:50%
大まかに言えば、「1株利益の50%を配当金に回す」ということなので、今後も最終利益(純利益)の動向に要注目です!
※任天堂の配当方針について、より詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
まとめ:今回のポイント
今回は、任天堂(7974)について解説しました。
ポイントをおさらいすると、下記のとおり。
- 任天堂株は買うべきか? → 今は買うべきではない
- 任天堂株の配当利回りは、3.63%(2023年3月期)
- 任天堂株の株価の見通しは、4,035円~5,706円
- 任天堂株の予想配当金は、147円(2024年3月期:会社発表)
株式投資で儲けるには、「売却益で稼ぐ」、「配当利回り4~5%を狙う」のいずれかになると思いますが、現在の任天堂株では、そのどちらも難しいと考えます。
なぜなら、任天堂株の現在の株価水準は、過去10年で見ても高値圏にあるからです。
また、配当金についても2期連続で減配中であり、今期(2024年3月期)も減配予想なので妙味は少ないです。
任天堂株に投資するベストなタイミングは、2024年以降になるでしょう。
※投資判断は自己責任でお願いします。
今回は以上です。