三菱HCキャピタルの株価が安い理由は？将来性についても解説

こういった質問に答えます。

こんにちは、ブロガー＆投資家のフリーです。

今回は、「三菱HCキャピタルの株価が安い理由」「三菱HCキャピタルの将来性」を中心に解説します。

ポイントは下記のとおり。

※記事は3分くらいで読み終わります。

三菱HCキャピタルはどんな会社？

三菱HCキャピタル（8593）は、三菱UFJリースと日立キャピタルが2021年4月に経営統合して誕生したリース会社。

リース業界No.1のオリックス（8591）にはまだ及びませんが、売上高2兆円を目指して業績を伸ばしています。

海外展開や再生可能エネルギーへの投資にも積極的で、将来性が楽しみな銘柄の1つです。

24期連続で増配中で、配当利回りも高い（4.5～5％くらい）ため、高配当株として個人投資家に人気があります。

※2023年3月末の個人株主数：22.7万人

項目	内容
社名	三菱HCキャピタル
証券コード	8593
本社	東京都千代田区丸の内
設立	1971年4月
決算	3月31日
市場	東証プライム
主な事業内容	各種物件のリース
従業員数（連結）	約8,600名（2023年3月）
売上高	1兆8,962億円（2023年3月期）
配当利回り	4.82％（2023年3月期）
株価	1,047円（2023年9月15日終値）
購入できる証券会社	松井証券 、楽天証券 など

三菱HCキャピタルは、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。

松井証券の場合、1日の取引額が50万円以下であれば手数料が無料です。ぜひ、この機会に口座を開設しておきましょう。

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三菱HCキャピタルの株価が安い理由

三菱HCキャピタルの株価推移（過去5年分）は、下記のとおり。

※株価チャートは拡大できます。

三菱HCキャピタルの株価指標は、下記のとおりです。

三菱HCキャピタルの株価は、2023年の夏場から上昇を始め、9月になってようやく1,000円の大台を超えました。

しかも、それ以前の株価はかなり苦戦をしていて、700円を少し超えると伸び悩む状況が続いていました。

そこで、このパートでは「三菱HCキャピタルの株価が安い理由」を考察してみたいと思います。

私が考える、三菱HCキャピタルの株価が安い理由は、下記のとおり。

それぞれ解説します。

理由①：発行済み株式数が多い

理由の1つ目は、発行済み株式数が多いことです。

わかりやすくするために、同業のオリックスと比較してみます。

※いずれの数字も、2023年9月15日現在のもの

項目	三菱HCC	オリックス
発行済み株式数	14.7億株	12.3億株
時価総額	1兆5,358億円	3兆6,428億円
株価	1,047円	2,950円

三菱HCキャピタルの発行済み株式数は14.7億株で、オリックスの12.3億株よりも2.4億株も多く発行されています。

一方で、時価総額は1兆5,358億円。オリックスの時価総額は3兆6,428億円なので、半分にも満たない状況です。

この時価総額を発行済み株式数で割ったものが「株価」になります。

※三菱HCキャピタルの株価

オリックスに比べて時価総額が少ない割に、発行済み株式数が多いので、三菱HCキャピタルの株価は安くなってしまいます。

理由②：利益率が低く、EPSが小さい

理由の2つ目は、利益率が低く、EPS（1株当たり利益）が小さいことです。

こちらも、オリックスとの比較で考えてみます。

※いずれの数字も、2023年3月期のもの

項目	三菱HCC	オリックス
売上高	1兆8,962億円	2兆6,663億円
当期純利益	1,162億円	2,730億円
当期純利益率	6.1％	10.2％
EPS（1株当たり利益）	81.0円	231.4円

三菱HCキャピタルの当期純利益率（当期純利益 ÷ 売上高 × 100）は6.1％で、オリックスの10.2％よりもかなり低いです。

さらに、EPS（当期純利益 ÷ 発行済み株式数）は81.0円と、オリックスのEPS（231.4円）の3分の1です。

このEPSにPER（株価収益率）を掛けたものが「株価」になります。

オリックスに比べて利益率が低く、EPSが小さいので、三菱HCキャピタルの株価は安くなってしまいます。

三菱HCキャピタルの将来性は？

国内リース市場は低迷が続いていますが、「三菱HCキャピタルの将来性はある」と考えます。

なぜなら、同社の事業は国内リース以外にも多岐に渡るからです。

ここからは、2023年5月に発表された「2023～2025年度中期経営計画」も参考にしながら、三菱HCキャピタルの将来性を展望していきたいと思います。

参考：三菱HCキャピタル 2023～2025年度中期経営計画

将来の成長性を加速するためのポイントは、3つあると考えます。

✓ ポイント①：海外事業

縮小傾向にある国内リースを補完するものとして、海外事業に力を入れています。

欧米や中国、ASEAN地域に進出し、各国・地域の社会的課題やニーズをくみ取り、事業を展開しています。

具体的には、IT機器や生産設備のリース、オートリースなどを行っています。

✓ ポイント②：再生可能エネルギー

太陽光や風力発電などの再生可能エネルギー事業を国内外で行っています。

また、事業領域を拡大すべく、蓄電池ビジネスなどの新たな事業にも取り組んでいます。

さらに、脱炭素社会を好機と捉えて、EV関連や充電ステーションなどの事業も強化しています。

✓ ポイント③：不動産投資

物流開発やアセットマネジメント、不動産の証券化などの不動産投資も重要な事業です。

環境や社会に配慮した資産への投資・開発を重視し、持続可能な社会基盤づくりに尽力しています。

今回の中期経営計画で掲げている、「2026年3月期、純利益1,600億円」の目標達成のためには、この不動産投資と再生可能エネルギー事業の積み上げがカギになりそうです。

三菱HCキャピタル100株で配当金はいくらもらえる？

三菱HCキャピタルの2023年3月期の配当金は、下記のとおり。

時期	配当金
中間配当（2022年9月）	15円
期末配当（2023年3月）	18円
合　　計	33円

上記のとおり、三菱HCキャピタルの配当金は、2回に分けて分配されます。

100株を保有している場合、3,300円の配当金を受け取ることができました。

※なお、実際の手取り額は2,630円（20.315％の所得税・住民税が引かれる）です。

毎年受け取れる配当金は、業績によって変化します。moomoo（ムームー）などの株アプリで情報収集をしっかり行いましょう。

※IDを取得すれば、無料ですぐに利用できます。

＞＞【moomoo】アプリの使い方とメリット、使ってみた感想を解説！

✓ 三菱HCキャピタルの配当金推移

過去10期分の配当金推移と、2024年3月期の予想配当金は下記のとおり。

決算期	中間配当	期末配当	合計
2014年3月	3.35円	4.65円	8円
2015年3月	4.1円	5.4円	9.5円
2016年3月	5.2円	7.1円	12.3円
2017年3月	6.25円	6.75円	13円
2018年3月	7.5円	10.5円	18円
2019年3月	9.5円	14円	23.5円
2020年3月	12.5円	12.5円	25円
2021年3月	12.75円	12.75円	25.5円
2022年3月	13円	15円	28円
2023年3月	15円	18円	33円
2024年3月（予想）	18円	19円	37円

この表では表示しきれていませんが、24期連続で増配を続けていて、連続増配ランキングでは3位！、となっています。

※ちなみに、1位は33期連続の花王、2位は25期連続のSPK。

また、2023年8月に発表された決算短信によると、今期（2024年3月期）の予想配当金は37円で、増配が継続される見通しです。

三菱HCキャピタルの配当利回りはいくら？

三菱HCキャピタルの過去5期分の配当利回りは、3.82％～4.91％。

平均すると、4.48％です。

東証プライム全銘柄の利回りは、2.14％（2023年9月15日、日本経済新聞より）なので、2倍の配当利回りです！

※配当利回り＝ 各期の配当金 ÷ 株価（期末）× 100で算出

決算期	配当金	株価 （期末）	配当利回り	配当性向
2019年3月	23.5円	564円	4.17％	30.4％
2020年3月	25円	532円	4.70％	31.5％
2021年3月	25.5円	668円	3.82％	41.1％
2022年3月	28円	570円	4.91％	40.4％
2023年3月	33円	684円	4.82％	40.8％

2024年3月期の予想配当金は37円で、現在の株価は1,047円（2023年9月15日終値）。

配当利回りを計算すると、3.53％になります。

2023年の夏頃から株価が上昇傾向にあるため、利回りが低下しています。

三菱HCキャピタルの配当方針も載せておきます。

• 配当性向 40％以上
• 株主還元は配当によって行う
• 利益成長を通じて配当総額を持続的に高めていく

引用元：2023～2025年度中期経営計画

必要以上に無理をしない配当性向（40％）と、株主還元に積極的な姿勢に好感が持てます。

三菱HCキャピタル100株はいくらで買える？

ここ1年の三菱HCキャピタルの株価推移は、下記のとおり。

※株価チャートは拡大できます。

三菱HCキャピタル100株を購入する場合、下記で計算できます。

2023年9月15日の三菱HCキャピタル株の終値は 1,047円なので、これで計算してみます。

なお、松井証券の場合、50万円までの取引なら、手数料は無料となっています。

11万円くらいで購入可能です。

現在は株価が上昇中のため、配当利回りは3％台に低下しています。

株価が下落して、配当利回りが4％台後半くらいになったら、購入の検討をしても良いかもしれません。

まとめ：今回のポイント

今回は、三菱HCキャピタル（8593）について解説しました。

ポイントをおさらいすると、下記のとおり。

三菱HCキャピタルの株価は、2023年の夏場から上昇に転じました。

ここ数年4％台を付けていた配当利回りも、現在の株価で同社株を購入すると3％台に低下してしまいます。

ですが、今まで見てきた通り、三菱HCキャピタルの将来性や配当実績、配当方針は魅力的です。

すぐに慌てて購入する必要はありませんが、株価が下落してきたら、購入しても良いのでは…、と個人的には考えます。

※投資判断は自己責任でお願いします。

今回は以上です。