ソフトバンクの株価はなぜ上がらないのですか?
今後の株価や配当金の見通しと一緒に教えてください。
こういった質問に答えます。
こんにちは、ブロガー&投資家のフリーです。
今回は、「ソフトバンクの株価はなぜ上がらない?」「ソフトバンク、今後の株価・配当金の見通しは?」を中心に解説します。
ポイントは下記のとおり。
- 株価が上がらない理由①:携帯電話事業の成長鈍化
- 株価が上がらない理由②:配当性向が高い&減配リスク
- 株価が上がらない理由③:EPSが成長していない
- 株価の見通し:今後の業績次第だが、「株価は上場来高値(210.5円)を目指す展開になる」と考える
- 2025年3月期の予想配当金は、8.6円の見通し
※記事は2分くらいで読み終わります。
ソフトバンクはどんな会社?
ソフトバンクは、ソフトバンクグループ(9984)の中核会社。
主力の携帯電話事業では、「SoftBank」「Y!mobile」「LINEMO」の3ブランドを展開しています。
2024年3月期の売上高は6兆円。業界No.1のNTT(売上高:13.3兆円)の背中は遠いですが、KDDI(売上高:5.7兆円)を上回る数字を残しています。
現在、ヤフー、ZOZO、PayPayなど、非通信部門を強化中。今後の成長性もこの分野にかかっています。
配当利回り4~5%を狙えるので、インカムゲイン狙いの個人投資家にも人気の銘柄。
2024年9月に株主優待の新設と株式分割(1株 → 10株)を実施、個人投資家へのアピールを続けています。
項目 | 内容 |
---|---|
社名 | ソフトバンク |
証券コード | 9434 |
本社 | 東京都港区海岸 |
設立 | 1986年12月 |
決算 | 3月31日 |
市場 | 東証プライム |
主な事業内容 | 携帯電話、Eコマース、法人向け事業 |
従業員数(連結) | 約55,000名(2024年3月期) |
売上高 | 6兆840億円(2024年3月期) |
配当利回り | 4.41%(2024年3月期) |
株価 | 190.6円(2024年11月11日終値) |
購入できる証券会社 | 松井証券、moomoo証券 など |
ソフトバンク株は、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。
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ソフトバンク(9434)の株価推移
ソフトバンクの株価推移は、下記のとおり。
※株価チャートは拡大できます。
※上記の株価チャートは、2024年9月の株式分割(1株 → 10株)を考慮済みです。
ソフトバンクは、2018年12月に上場しました。
2019~2022年の4年間、株価は低迷。130~160円の範囲内で推移しました。
なお、コロナ禍の2020年9月には上場来安値115.8円を記録しています。
転機が訪れたのは2023年8月になってから。株価は上昇基調となり、12月には高値182.7円を付けました。
2024年に入ってからも、株価は好調をキープ。7月には上場来高値210.5円を記録しました。
現在の株価は、やや停滞気味…。190円台で推移しています。
とは言え、ソフトバンクの株価は、公開価格(150円:株式分割を考慮)から40円程しか上昇していません。
「ソフトバンクの株価は、なぜ上がらないのか?」を以下で考察してみます。
【教えて!】ソフトバンクの株価はなぜ上がらない?
ソフトバンクの株価は現在、190円台。2018年の公開価格(150円:株式分割を考慮)から30%くらいしか上昇していません。
「ソフトバンクの株価は、なぜ上がらないのか?」
このパートではその理由を考察してみたいと思います。
株価低迷の理由は、下記の3つが考えられます。
- 理由①:携帯電話事業の成長鈍化
- 理由②:配当性向が高い&減配リスク
- 理由③:EPSが成長していない
以下で解説します。
理由①:携帯電話事業の成長鈍化
理由の1つ目が、携帯電話事業の成長鈍化です。
下記は、過去6期分の携帯電話事業の売上推移です。
決算期 | 売上高 |
---|---|
2019年3月 | 1兆6,286億円 |
2020年3月 | 1兆6,768億円 |
2021年3月 | 1兆6,775億円 |
2022年3月 | 1兆6,081億円 |
2023年3月 | 1兆5,135億円 |
2024年3月 | 1兆5,219億円 |
2019年から2021年3月期にかけて、売上を伸ばしてきましたが、2022年3月期から2期連続で減収に転じています。
おもな要因として、平均単価の安い「Y!mobile」の契約数の増加や、各種割引サービスの導入、通信料の値下げによる客単価の減少などが考えられます。
また、総務省からの携帯料金の引き下げ要請や、楽天モバイルの新規参入などからも影響を受けました。
2024年3月期は僅かに増収。今期(2025年3月期)の業績が注目されます。
理由②:配当性向が高い&減配リスク
理由の2つ目が、配当性向が高い&減配リスクです。
ソフトバンクの配当金と配当性向は、下記のとおり。
※2024年9月の株式分割(1株 → 10株)を考慮して作成
決算期 | 配当金 | 配当性向 |
---|---|---|
2019年3月 | 3.75円 | 38.8% |
2020年3月 | 8.5円 | 85.6% |
2021年3月 | 8.6円 | 82.8% |
2022年3月 | 8.6円 | 78.2% |
2023年3月 | 8.6円 | 76.4% |
2024年3月 | 8.6円 | 83.4% |
直近5期の配当性向は80%前後で、かなり無理をして配当金を出していることがわかります。
※ちなみに、同じ通信会社のNTT(9432)の配当性向は30~40%、KDDI(9433)の場合は40%前後です。
投資家にアピールしようと、「かなり無理をして配当金を出している」印象です。
✓ ソフトバンクの業績推移
ソフトバンクの業績推移(過去6期分)と、2025年3月期の業績(予想)をご覧ください。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
2019年3月 | 3兆7,463億円 | 7,194億円 | 4,307億円 |
2020年3月 | 4兆8,612億円 | 9,117億円 | 4,731億円 |
2021年3月 | 5兆2,055億円 | 9,707億円 | 4,912億円 |
2022年3月 | 5兆6,906億円 | 9,857億円 | 5,175億円 |
2023年3月 | 5兆9,119億円 | 1兆601億円 | 5,313億円 |
2024年3月 | 6兆840億円 | 8,760億円 | 4,890億円 |
2025年3月(予想) | 6兆3,500億円 | 9,500億円 | 5,100億円 |
上記のとおり、2024年3月期(前期)は、売上高は増えたものの、営業利益と純利益は「減益」になっています。
2025年3月期(今期)の業績は、増収増益を予想していますが、どのような数字で着地するかはまだ不透明です。
純利益が5,000億円を下回るようだと、今期の配当性向も80%を超えることになりそうです。
「このような高配当をいつまで続けられるのか?」「減配のリスクはないのか?」
このような不安が投資家に広がり、株価が上がりづらいと考えます。
理由③:ESPが成長していない
理由の3つ目が、ESP(1株当たり利益)が成長していないからです。
決算期 | 純利益 | EPS |
---|---|---|
2019年3月 | 4,307億円 | 9.66円 |
2020年3月 | 4,731億円 | 9.93円 |
2021年3月 | 4,912億円 | 10.38円 |
2022年3月 | 5,175億円 | 11.0円 |
2023年3月 | 5,313億円 | 11.25円 |
2024年3月 | 4,890億円 | 10.34円 |
2025年3月(予想) | 5,100億円 | 10.66円 |
上記のとおり、ソフトバンクのEPSはほとんど成長していません。
「株価 = EPS(1株当たり利益)× PER(株価収益率)」なので、肝心のEPSがこのように低迷していると、株価は上昇しません。
EPSが成長していないと、投資家からの人気もなくなり、PERも低くなります。その結果、株価も上がりづらいという悪循環に陥ります。
ソフトバンク100株買うのにいくら必要?
ここ1年間の株価推移は、下記のとおり。
※株価チャートは拡大できます。
ソフトバンク100株を購入する場合、下記で計算できます。
株価 × 100株 + 手数料 = 購入資金
2024年11月11日のソフトバンクの終値は、190.6円なので、これで計算してみます。
なお、私も利用しているmoomoo証券の場合、日本株の手数料は「無料」となっています。
190.6円 × 100株 + 0円=19,060円
おおよそ2万円で購入可能です。
減配リスクがあり、増配も期待できないので個人的には投資は控えたい銘柄です。
ソフトバンク、今後の株価の見通しは?
株価は、下記の計算式で決まります。
EPS(1株当たり利益)× PER(株価収益率)= 株価
2025年3月期のソフトバンクの予想EPSは、10.66円(ソフトバンク 決算短信より)。
ソフトバンクの過去5期分のPERは、最低が13.0倍、最高が18.9倍(ソフトバンク 有価証券報告書より)。
この2つの数字から、ソフトバンクの株価を計算すると下記になります。
10.66円 × 13.0倍~18.9倍= 138.6円~201.5円
あくまでも、過去のPER基準ですが、「138.6円~201.5円」という株価が算出されました。
ちなみに、現在のソフトバンクの株価は190.6円(2024年11月11日終値)。上場来高値は、2024年7月に記録した210.5円です。
今後の業績次第ですが、「株価は上場来高値(210.5円)を目指す展開になる」と考えます。
ソフトバンク、今後の配当金の見通しは?
ソフトバンクの配当実績(過去6期分)と、今期(2025年3月期)の予想配当金は、下記のとおり。
決算期 | 配当金 | 配当性向 |
---|---|---|
2019年3月 | 3.75円 | 38.8% |
2020年3月 | 8.5円 | 85.6% |
2021年3月 | 8.6円 | 82.8% |
2022年3月 | 8.6円 | 78.2% |
2023年3月 | 8.6円 | 76.4% |
2024年3月 | 8.6円 | 83.4% |
2025年3月(予想) | 8.6円 | - |
2019年3月期の配当金は、期末配当のみだったので、3.75円にとどまりました。
2020年3月期からは、年2回(中間配当と期末配当)の支払いが定着。配当金は8.5円になりました。
2021年3月期からは毎年8.6円と、高い配当金を出し続けています。
※ただし、配当性向が80%前後と高く、減配リスクもあるのがネック。
なお、現在のソフトバンクの株価は190.6円(2024年11月11日終値)。
2025年3月期の配当金も8.6円の予定なので、予想配当利回りは4.51%(8.6円÷190.6円×100)になります。
参考までに、ソフトバンクの配当方針も載せておきます。
引用元:ソフトバンク 配当方針
- 業績動向などを総合的に勘案して安定性、継続性に配慮しながら実施
- 2025年3月期の配当金は年間で8.6円を予定
上記のように、2025年3月期の配当金への言及はありますが、それ以外は具体性に欠けます。
個人的には、業績次第で「減配」や減配に伴う「株価下落」のリスクがある銘柄だと考えます。
まとめ:今回のポイント
今回は、ソフトバンク(9434)について解説しました。
ポイントをおさらいすると、下記のとおり。
- 株価が上がらない理由①:携帯電話事業の成長鈍化
- 株価が上がらない理由②:配当性向が高い&減配リスク
- 株価が上がらない理由③:EPSが成長していない
- 株価の見通し:今後の業績次第だが、「株価は上場来高値(210.5円)を目指す展開になる」と考える
- 2025年3月期の予想配当金は、8.6円の見通し
ソフトバンク株に限りませんが、株式投資で成功するためには、的確な情報収集が欠かせません。
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※投資判断は、自己責任でお願いします。
今回は以上です。