株式投資

ソフトバンクの株価はなぜ上がらない?【今後の株価や配当金は?】

2023/09/28

※当ブログではアフィリエイトを利用しています。

お悩みくん

ソフトバンクの株価はなぜ上がらないのですか?
今後の株価や配当金の見通しと一緒に教えてください。

こういった質問に答えます。

本記事の内容

  • ソフトバンクはどんな会社?
  • ソフトバンクの株価推移
  • ソフトバンクの株価はなぜ上がらない? 
  • ソフトバンクの配当利回りは何%?
  • ソフトバンク100株で配当金はいくらもらえる?
  • ソフトバンク100株はいくらで買える?
  • ソフトバンク、今後の株価・配当金は?
  • まとめ:今回のポイント

こんにちは、ブロガー&投資家のフリーです。

今回は、「ソフトバンクの株価はなぜ上がらないのか」「ソフトバンクの今後の株価・配当金の見通し」を中心に解説します。

ポイントは下記のとおり。

  • 株価が上がらない理由①:携帯電話事業の成長鈍化
  • 株価が上がらない理由②:配当性向が高い&減配リスク
  • 株価が上がらない理由③:発行済み株式数が多く、EPSが小さい
  • ソフトバンクの現在の株価は、1,776.5円で上場来高値
    いずれ、1,400円~1,500円台(PER15~16倍台)に落ち着く
  • ソフトバンクの予想配当金は、86円(2024年3月期)

※記事は3分くらいで読み終わります。

ソフトバンクはどんな会社?

ソフトバンク(9434)は、「SoftBank」「Y!mobile」「LINEMO」のブランドを展開する通信会社。

通信業界No.1のNTT(9432)の背中は遠いですが、今や業界No.2のKDDI(9433)の売上高を凌ぐレベルにまで成長しています。

今後の課題は、ヤフー、ZOZO、PayPayなど、非通信部門の強化になります。

配当利回りは5%を超えており、個人投資家にも人気のある銘柄です。

ただし、株価の値動きが悪いのがネック。上場時の公開価格「1,500円」からどこまで値上がりするのかが注目されます。

項目内容
社名ソフトバンク
証券コード9434
本社東京都港区海岸
設立1986年12月
決算3月31日
市場東証プライム
主な事業内容携帯電話、Eコマース、法人向け事業
従業員数(連結)約55,000名(2023年3月期)
売上高5兆9,119億円(2023年3月期)
配当利回り5.62%(2023年3月期)
株価1,776.5円(2023年9月27日終値)
購入できる証券会社松井証券、楽天証券など

ソフトバンク株は、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。

松井証券の場合、1日の取引額が50万円以下であれば手数料は無料です。ぜひ、この機会に口座を開設しておきましょう。

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ソフトバンクの株価推移

ソフトバンクの株価推移は、下記のとおり。

※株価チャートは拡大できます。

ソフトバンク 株価チャート5年

ソフトバンクは、2018年12月に上場。公開価格は1,500円でした。

その後、株価は低迷し、2020年9月には上場来安値 1,158円を記録します。

2021年に入ると株価は少しずつ持ち直しますが、2023年の中頃までは1,500円台と冴えない相場が続きました。

転機が訪れたのは2023年8月になってから。

株価は突然上昇を始め、1,600円、1,700円と値上がりを続けました。

2023年9月27日現在の株価は、1,776.5円と上場来高値を付けています。

今期(2024年3月期)は減益予想なので、
今の株価上昇の行方を冷静に見ていきたいと思います。

フリー

2023年8月以降、急に株価が上がり始めたソフトバンク…。

ですが、それ以前は長い間、低迷を続けてきました。

ソフトバンクの株価は、なぜ上がらないのか?

その理由は、下記の3点にあると考えます。

  • 理由①:携帯電話事業の成長鈍化
  • 理由②:配当性向が高い&減配リスク
  • 理由③:発行済み株式数が多く、EPSが小さい

少し解説を加えます。

理由①:携帯電話事業の成長鈍化

理由の1つ目が、携帯電話事業の成長鈍化です。

下記は、過去6期分のモバイル(携帯電話)事業の売上高の推移です。

決算期売上高
2018年3月1兆5,890億円
2019年3月1兆6,286億円
2020年3月1兆6,768億円
2021年3月1兆6,775億円
2022年3月1兆6,081億円
2023年3月1兆5,135億円
引用元:ソフトバンク 有価証券報告書

2018年3月期から2020年3月期にかけて、順調に売上を伸ばしてきましたが、2021年3月期に成長がストップします。

さらに、2022年3月期には-694億円、2023年3月期には-946億円と、大幅な減収になっています。

おもな要因として、平均単価の安い「Y!mobile」ブランドの契約数の増加や、各種割引サービスの導入&通信料の値下げによる客単価の減少などが挙げられます。

また、総務省からの携帯料金の引き下げ要請や、楽天モバイルの新規参入などからも影響を受けました。

理由②:配当性向が高い&減配リスク

理由の2つ目が、配当性向が高い&減配リスクです。

ソフトバンクの配当金と配当性向は、下記のとおり。

決算期配当金配当性向
2019年3月37.5円38.8%
2020年3月85円85.6%
2021年3月86円82.8%
2022年3月86円78.2%
2023年3月86円76.4%
引用元:IR BANK、ソフトバンクの決算資料

ここ4期分の配当性向は80%前後で、かなり無理をして配当金を出していることがわかります。

※ちなみに、同じ通信会社のNTT(9432)の配当性向は30~40%、KDDI(9433)の場合は40%前後です。

投資家にアピールできる数少ない点が、少し無理をした「高配当」だと考えます。

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✓ ソフトバンクの業績と配当金

ソフトバンクの過去5期分の業績推移と、2024年3月期の業績(予想)をご覧ください。

決算期売上高営業利益純利益配当金
2019年3月3兆7,463億円7,194億円4,307億円37.5円
2020年3月4兆8,612億円9,117億円4,731億円85円
2021年3月5兆2,055億円9,707億円4,912億円86円
2022年3月5兆6,906億円9,857億円5,175億円86円
2023年3月5兆9,119億円1兆601億円5,313億円86円
2024年3月(予想)6兆円7,800億円4,200億円86円
引用元:ソフトバンク 有価証券報告書、決算短信

上記のように、ソフトバンクは今期(2024年3月期)も、86円の配当金を予定しています。

ですが、2024年3月期の売上高は、前期比でほぼ変わらず、営業利益は25%もの減益です。

さらに、配当金の原資である純利益も20%の減益なので、今期の配当性向は90~100%に到達するかもしれません。

「このような高配当をいつまで続けられるのか?」「減配のリスクはないのか?」

このような不安が投資家に広がり、株価が上がりづらいと考えます。

理由③:発行済み株式数が多く、EPSが小さい

理由の3つ目が、発行済み株式数が多く、EPSが小さいからです。

同じ通信会社のKDDIと比較してみます。

※株式数と株価は、2023年9月27日のもの
 それ以外の数字は、2023年3月期のもの

項目ソフトバンクKDDI
発行済み株式数47.9億株23億株
売上高5兆9,119億円5兆6,717億円
当期純利益5,313億円6,774億円
EPS(1株当たり利益)112.5円310.3円
株価1,776.5円4,701円

ソフトバンクの発行済み株式数は47.9億株で、KDDIの23億株の2倍(!)の規模です。

一方で、当期純利益は5,313億円と、KDDIの6,774億円よりも1,400億円も少ない状況…。

この結果、EPS(当期純利益 ÷ 発行済み株式数)は112.5円と、KDDIのEPS(310.3円)のおよそ3分の1になっています。

このEPSに、PER(株価収益率)を掛けたものが「株価」になります。

  • ソフトバンクの株価:112.5円 × 16倍 ≒ 1,776.5円
  • KDDIの株価:310.3円 × 15倍 ≒ 4,701円

通信株のPERは、13~14倍くらいがここ数年の水準です。

なので、ここ最近の株価の値上がりでソフトバンクのPERは、やや高めになっています。

いずれにしても、ソフトバンクは発行済み株式数が多く、EPSが小さいため、同業のKDDIの株価よりも3,000円くらい安くなっています。

ソフトバンクの最大の株価対策は、発行済み株式数を大胆に減らすことです!

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ソフトバンクの配当利回りは何%?

ソフトバンクの過去5期分の配当利回りは、3.01%~6.18%。平均すると、5.36%です。

東証プライム全銘柄の利回りは、2.18%(2023年9月27日、日本経済新聞より)なので、平均の約2.5倍(!)と、かなりの高配当です。

※配当利回り= 各期の配当金 ÷ 株価(期末)× 100で算出

決算期配当金株価(期末)配当利回り配当性向
2019年3月37.5円1,247円3.01%38.8%
2020年3月85円1,374.5円6.18%85.6%
2021年3月86円1,438.5円5.98%82.8%
2022年3月86円1,428円6.02%78.2%
2023年3月86円1,529円5.62%76.4%
引用元:IR BANK、ソフトバンクの決算資料

2019年3月期は配当金が37.5円で、配当利回りは3%でした。

2020年3月期以降は、配当金が80円台へと大幅に増えたこと、株価がボックス圏で低迷していたことで、6%前後の高利回りになりました。

ソフトバンク100株で配当金はいくらもらえる?

ソフトバンクの2023年3月期の配当金は、下記のとおり。

時期配当金
中間配当(2022年9月)43円
期末配当(2023年3月)43円
合  計86円

上記のとおり、ソフトバンクの配当金は、2回に分けて分配されます。

100株を保有している場合、8,600円の配当金を受け取ることができました。

※なお、実際の手取り額は6,853円(20.315%の所得税・住民税が引かれる)です。

ソフトバンクの発表によれば、今期(2024年3月期)の配当金86円を予定していますが、実際の支払額は業績によって変動することもあり得ます。

なので、moomoo(ムームー)などの株アプリで、会社の動向をウォッチしていきましょう。

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ソフトバンク100株はいくらで買える?

ここ1年のソフトバンクの株価推移は、下記のとおり。

※株価チャートは拡大できます。

ソフトバンク 株価チャート1年

ソフトバンク100株を購入する場合、下記で計算できます。

株価 × 100株 + 手数料 = 購入資金

2023年9月27日のソフトバンクの終値は、1,776.5円なので、これで計算してみます。

なお、私も利用している松井証券の場合、50万円までの取引なら、手数料は無料となっています。

1,776.5円 × 100株 + 0円=177,650円

おおよそ18万円で購入可能です。

個人的には、減配リスク(80%前後の配当性向)
があるので、投資は控えたい銘柄です。

フリー

ソフトバンク、今後の株価・配当金は?

最後に、ソフトバンクの株価と配当金の見通しについて、以下で考察してみます。

ソフトバンク、今後の株価の見通し

株価は、下記の計算式で決まります。

EPS(1株当たり利益)× PER(株価収益率)= 株価

2024年3月期のソフトバンクの予想EPSは、88.95円(ソフトバンク、2024年3月期 第1四半期決算短信より)。

ソフトバンクの過去5期分のPERは、最低が12.9倍、最高が13.9倍(ソフトバンク、2023年3月期 有価証券報告書より)。

この2つの数字から、ソフトバンクの株価を計算すると下記になります。

88.95円 × 12.9倍~13.9倍= 1,147円~1,236円

あくまでも、過去のPERに基づいたものですが、「1,147円~1,236円」という株価が算出されました。

算出された株価は、低すぎだと思いますが、「1,400円~1,500円台(PER15~16倍台)が妥当な水準では?」と個人的には考えます。

ちなみに、現在のソフトバンクの株価は、1,776.5円(2023年9月27日終値)。

PERを計算すると、19.97倍(1,776.5円 ÷ 88.95倍)と20倍近くまで買い上げられているので、株価は少し加熱気味かもしれません。

もう一度、ソフトバンクの短期チャート(1年)を掲載しておきます。

※株価チャートは拡大できます。

ソフトバンク 株価チャート1年

2023年8月を境に株価は切り上がり、今まで1,500円台で推移してきたものが1,600円、1,700円と上がり続けています。

9月27日の終値 1,776.5円は上場来高値です。

個人的には、現在の株価上昇は一時的なものと考えます。
「ソフトバンクの業績を冷静に見守り続けよう」というスタンスです。

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ソフトバンク、今後の配当金の見通し

ソフトバンクの配当実績(過去5期分)と、今期(2024年3月期)の予想配当金は、下記のとおり。

決算期配当金配当性向
2019年3月37.5円38.8%
2020年3月85円85.6%
2021年3月86円82.8%
2022年3月86円78.2%
2023年3月86円76.4%
2024年3月(予想)86円
引用元:ソフトバンク、決算資料

2020年3月期の配当金は、85円と前期に比べて47.5円もアップ。

2021年3月期以降は、毎期86円と高い配当金を出し続けています。

※ただし、配当性向が80%前後と高く、減配のリスクもあるのがネック。

なお、現在のソフトバンクの株価は1,776.5円(2023年9月27日終値)。

2024年3月期の予想配当金も86円なので、配当利回りは4.84%くらいになっています。

最後に、ソフトバンクの配当方針も載せておきますので、参考にしてください。

株主還元:高水準の還元を維持
(2024年3月期 配当予想は1株当たり86円)

引用元:ソフトバンク 中期経営計画(2023~2025年度)

上記のように、2024年3月期の配当金への言及はありますが、それ以外は具体性に欠けます。

個人的には、業績次第で「減配」や減配に伴う「株価下落」のリスクがある銘柄だと考えます。

まとめ:今回のポイント

今回は、ソフトバンク(9434)について解説しました。

ポイントをおさらいすると、下記のとおり。

  • 株価が上がらない理由①:携帯電話事業の成長鈍化
  • 株価が上がらない理由②:配当性向が高い&減配リスク
  • 株価が上がらない理由③:発行済み株式数が多く、EPSが小さい
  • ソフトバンクの現在の株価は、1,776.5円で上場来高値
    いずれ、1,400円~1,500円台(PER15~16倍台)に落ち着く
  • ソフトバンクの予想配当金は、86円(2024年3月期)

ソフトバンク株は、2018年12月に上場(公開価格:1,500円)して以来、低迷を続けていました。

上場から約2年後の2020年9月には、上場来の安値1,158円を記録しています。

つい最近の2023年7月頃までは、1,400円台~1,500円台のボックス相場が続き、イマイチ冴えない銘柄でした。

転機が訪れた2023年8月以降、株価は上昇し、現在の株価は 1,776.5円(2023年9月27日終値)と上場来高値です。

ですが、今からソフトバンク株を買い始めるのは「危険」だと個人的には考えています。

その理由は、「ソフトバンクの株価はなぜ上がらない?」を、ぜひご一読ください。

※投資判断は自己責任でお願いします。

今回は以上です。

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