青色申告について知りたい副業サラリーマン
副業を始めたサラリーマンです。
青色申告を利用する際の条件について教えてください。
あと、青色申告のメリットや注意点についても聞かせてほしい…。
こういった質問に答えます。
本記事の内容
- 副業サラリーマンの青色申告、条件は?
- 副業サラリーマンの青色申告、メリット5つ
- 副業サラリーマンの青色申告、注意点4つ
この記事を書いている私は毎年、確定申告(青色申告)をしていて、今年の春に10回目の提出を終えました。
青色申告は、慣れてしまえばカンタンにできますが、最初のうちは少し戸惑うかもしれません。
そこで今回は、慣れないとわかりずらい青色申告について、経験者の立場らか丁寧に解説していこうと思います。
この記事を読めば、「青色申告を利用するための条件やメリット、注意点」が理解できるようになります。
※記事は3分以内に読み終わります。ぜひ、今後の参考にしてください!
副業サラリーマンの青色申告、条件は?
サラリーマンが青色申告を利用する際の条件は、下記のとおり。
- 条件①:不動産所得、事業所得、山林所得のいずれかである
- 条件②:開業届を提出している
- 条件③:青色申告承認申請書を提出している
上記の3つすべてを満たしていなければ利用できません。
それでは、1つずつ見ていきます。
条件①:不動産所得、事業所得、山林所得のいずれかである
サラリーマンが副業で不動産投資をしている(= 家賃収入がある)場合、不動産所得に該当します。
こちらの記事もご覧ください。
>> サラリーマンの確定申告!家賃収入がある人は必ずやろう!
また、副業でコンビニでアルバイトをしている場合は給与所得なので、青色申告できません。
在宅でWebライターや動画編集をしている場合で、事業的規模ではない雑所得の場合も青色申告はできません。
フリーからひと言
副業からの収入が年間300万円超、かつ記帳・帳簿の保存がある場合、事業所得扱いになります。より詳しくは、こちらを参考にしてください。
参考:「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(国税庁)
条件②:開業届を提出している
開業届(= 個人事業の開業・廃業等届出書)を提出していることも、条件の1つになります。
ちなみに、開業届は開業してから1ヵ月以内に提出しなければなりません。
未提出の場合には、税務署に確認するとともに、すぐに提出する準備をしておきましょう。
参考:開業届(国税庁)
条件③:青色申告承認申請書を提出している
青色申告承認申請書の提出も、条件の1つになっています。
青色申告を利用したい年の3月15日までに提出が必要になります。
より詳しいことは、こちらをご覧ください。
副業サラリーマンの青色申告、メリット5つ
青色申告のメリットは、所得税・住民税の節税効果が大きいことですが、具体的な内容は、下記のとおりです。
- メリット①:青色申告特別控除を受けられる
- メリット②:家族の給与を必要経費にできる
- メリット③:赤字の繰越しができる
- メリット④:減価償却の特例を利用できる
- メリット⑤:電気代・ネット代などを経費にできる
それでは、解説していきます。
メリット①:青色申告特別控除を受けられる
青色申告の一番のメリットは、青色申告特別控除を受けられることです。
複式簿記による記帳、e-Taxによる電子申告などの条件を満たすことにより、最大で65万円の控除を受けることができるため、かなりの節税効果があります。
メリット②:家族の給与を必要経費にできる
青色申告をすることで、家族の給与を経費にすることができます(→ 青色事業専従者給与の特例)。
具体的には、副業を配偶者や親に手伝ってもらっている場合に、この特例を利用できます。
メリット③:赤字の繰越しができる
青色申告を行えば、かりに赤字を出してしまった場合にも特典があります。
不動産所得や事業所得で赤字(損失)を出した場合、翌年から最長で3年間、赤字を繰り越すことができます。
具体的には、令和4年に20万円の赤字が発生した場合、翌年(令和5年)に100万円の黒字になら、そこから20万円を差し引くことができます。
結果として、令和5年の課税対象額は80万円になります。
メリット④:減価償却の特例を利用できる
青色申告では、減価償却の点でもメリットがあります。
青色申告をすることで、30万円未満の固定資産(減価償却資産)であれば、一括で全額を必要経費にすることができます。
ちなみに、白色申告では、10万円以上の固定資産は、使用期間に応じて減価償却をする必要があります。 → 節税効果が小さい。
メリット⑤:電気代・ネット代などを経費にできる
自宅を事務所にしている場合、電気代やインターネット代などの一部を必要経費にすることができます。
その結果、課税対象額が低く抑えられます。
副業サラリーマンの青色申告、注意点4つ
サラリーマンが青色申告を利用する際の注意点は、下記のとおり。
- 注意点①:将来を見据えて計画的に準備をする
- 注意点②:青色申告特別控除65万円の条件を知る
- 注意点③:青色申告の対象外になる所得を理解する
- 注意点④:失業手当を受けられない可能性がある
それでは、一緒に見ていきましょう。
注意点①:将来を見据えて計画的に準備をする
注意点の1つ目は、計画的な準備をすることです。
青色申告を利用するためには、下記の2つの申請を行う必要があります。
- 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)
- 所得税の青色申告承認申請書
また、複式簿記による記帳や貸借対照表・損益計算書の作成なども必要になります。
これらの作業が苦手な方は、会計ソフトの導入をおすすめします。
おすすめの会計ソフトは、下記のとおり。
- やよいの青色申告 オンライン
- クラウド会計ソフト freee会計
- マネーフォワード クラウド
注意点②:青色申告特別控除65万円の条件を知る
注意点の2つ目は、青色申告特別控除65万円の条件を知ることです。
今まで述べてきた内容と重複するかも知れませんが、大事なポイントなので、ここで改めて整理しておきます。
条件は、下記のとおりです。
- 所得が、不動産所得・事業所得・山林所得のいずれか
- 複式簿記(正規の簿記の原則)による記帳
- 貸借対照表・損益計算書を確定申告書に添付し、申告期限内に提出
上記の条件をすべて満たすことで、控除額が55万円になります。
さらに、e-Taxによる電子申告か電子帳簿保存のいずれかを行うことで控除額が10万円追加されて、青色申告特別控除額が65万円になります。
注意点③:青色申告の対象外になる所得を理解する
注意点の3つ目は、青色申告の対象にならない所得を理解することです。
青色申告対象外の所得は、下記のとおり。
- 副業が給与所得の場合(コンビニや飲食店でのバイトなど)
- 副業が雑所得の場合(一時的な所得の場合)
- 株の売却益や配当金
より詳しい内容については、こちらをご確認ください。
注意点④:失業手当を受けられない可能性がある
注意点の4つ目は、失業手当を受けられない可能性があることです。
サラリーマンが、勤務先の倒産などにより失職した場合、失業手当を受け取ることができます。
ですが、開業届を提出して副業をしているサラリーマンの場合、
「失業の状態にある」とはみなされないので、失業手当を受けられない可能性があります。
さらに詳しいことは、こちらを参考にしてください。
今回は以上となります。