個人事業主になるべきか悩んでいるサラリーマン
副業を始めて2年目のサラリーマンです。
個人事業主になるべきか悩んでいます。
何かアドバイスをください…。
こういった質問に答えます。
本記事の内容
- 【ケース別】副業サラリーマンは個人事業主になるべきか?
- 個人事業主になる方法【開業届の出し方】
- 個人事業主になるメリット5つ
- 個人事業主になるデメリット2つ
この記事を書いている私は、副業経験20年以上。
メインの副業は不動産投資のため、収益物件の購入を開始した10年前に個人事業主になりました。
税金面で有利な青色申告も活用しています。
現在は、副業のおかげでサラリーマンを辞め、田舎でのんびりと暮らしています。
今回の記事を読むことで、「サラリーマンが個人事業主になるべきポイント」が、ケース別でわかります。
さらに、「個人事業主になる方法」や「個人事業主のメリット・デメリット」についても解説しました。
※記事は2~3分で読み終わります。ぜひ、今後の参考にしてください!
【ケース別】副業サラリーマンは個人事業主になるべきか?
個人事業主とは、個人で事業を営む人のことを言います。
サラリーマンでも問題なくなれますので、メリットがある場合、個人事業主になることをおすすめします!
サラリーマンが個人事業主になるべきか否かは、副業の種類によって異なるので、ケース別にお答えします。
- ケース①:副業が不動産投資の場合
- ケース②:副業が株式投資の場合
- ケース③:副業が在宅ワークで、事業所得になる場合
- ケース④:副業が在宅ワークで、事業所得にならない場合
それでは、解説していきます。
ケース①:副業が不動産投資の場合
副業が不動産投資の場合は、初年度から個人事業主になる(=開業届を提出する)ことをおすすめします。
なぜなら、下記のメリットがあるからです。
- 融資を利用する際に、信用されやすくなる
- 青色申告特別控除(10~65万円の範囲)を受けることができる
私の場合、不動産投資がメインの副業だったので、1戸目の収益物件を購入した年から個人事業主になりました。
こちらの記事も参考にしてください。
ケース②:副業が株式投資の場合
副業が株式投資の場合には、個人事業主になる必要はありません。
なぜなら株式投資の場合、個人事業主になってもメリットがないからです。
個人事業主になる主なメリットは、下記の2つです。
- 社会的な信用を得られる
- 節税効果が得られる
株式投資は個人で行うものなので、社会的な信用は不要です。
また、節税に関してはNISA口座を利用すればOKですので、わざわざ開業届を提出する必要はありません。
こちらの記事もご覧ください。
ケース③・④の前に:事業所得と雑所得の判断基準について(追記)
今まで、事業所得と雑所得の区分は結構あいまいでした…。
ですが、2022年10月に国税庁が、新たな判断基準を示しました。
一応、整理してみると、下記のとおり。
- 記帳・帳簿の保存がある場合で、年間の収入が300万円超 → 事業所得
- 記帳・帳簿の保存がある場合で、年間の収入が300万円以下 → 事業所得 ※ただし、例外あり
- 記帳・帳簿の保存がない場合で、年間の収入が300万円超 → 雑所得 ※ただし、例外あり
- 記帳・帳簿の保存がない場合で、年間の収入が300万円以下 → 雑所得
記帳・帳簿の保存があり、年間の収入が300万円超なら、事業所得で間違いなさそうですが、それ以外は何かしらの確認が必要だと思います。
より詳しいことは、下記のサイトを確認もしくは、最寄りの税務署に聞いてみてください。
参考:「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(国税庁)
ケース③:副業が在宅ワークで、事業所得になる場合
在宅ワークでの所得が事業所得に該当する場合、個人事業主になることをおすすめします。
事業所得であれば、青色申告などを利用でき、税金面でお得だからです。
ケース④:副業が在宅ワークで、事業所得にならない場合
在宅ワークでの所得が事業所得に該当せず、雑所得になる場合、個人事業主になる必要はありません。
なぜなら、雑所得では青色申告を利用できず、税金面のメリットもないからです。
個人事業主になる方法【開業届の出し方】
個人事業主になる方法は簡単で、最寄りの税務署に「開業届を提出する」だけです。
開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」と言い、副業を開始してから1ヶ月以内に提出することが必要です。
ただし、提出しなかったり、提出が遅れても罰則があるわけではありません。
ですので、気が付いた時・必要になった時に提出するようにしましょう。
開業届は、下記よりダウンロードできます。
個人事業主になるメリット5つ
個人事業主のメリットは、下記のとおり。
- その①:会社設立と違い、費用がかからない
- その②:社会的な信用を得られる
- その③:青色申告特別控除を受けられる
- その④:副業の所得を本業の所得と損益通算できる
- その⑤:副業の赤字を繰り越すことができる
それでは、見ていきましょう。
その①:会社設立と違い、費用がかからない
個人事業主になるには、税務署に開業届を提出するだけです。
会社設立と異なり、面倒な手続きや設立費用もかからないので、これから副業をして稼ぎたいサラリーマンには、おすすめです。
ちなみに、会社設立の場合、定款の認証・登録免許税など20万円以上の費用が必要になります。
その②:社会的な信用を得られる
個人事業主の場合、職業が分かりづらいというデメリットがあります。
そのため、開業届を出すことで職業を証明しやすくなります。
また、開業届を出すことで下記のメリットもあります。
- 融資の際、有利になる
- 法人用のクレジットカードが作りやすい
- 持続化給付金など、助成金の申請ができる
その③:青色申告特別控除を受けられる
サラリーマンが副業で20万円を超える所得を稼いだ場合、確定申告が必要になります。
個人事業主になることで、青色申告を選択できます。
青色申告を選択した場合、10万円または55万円(電子申告なら65万円)の青色申告特別控除が受けられます。
青色申告は、下記の所得にのみ認められる特典になります。
- 事業所得
- 不動産所得
- 山林所得
※雑所得には認められていないので、注意が必要です。
その④:副業の所得を本業の所得と損益通算できる
損益通算とは、赤字の所得を他の黒字の所得から差し引くことです。
サラリーマンをしながら個人事業主になった場合、会社からの所得(給与所得)と、副業の不動産所得や事業所得を損益通算することができます。
損益通算をすることで、所得税や住民税の節税になります。
なお、雑所得は損益通算の対象にはならないので、注意が必要です。
その⑤:副業の赤字を繰り越すことができる
個人事業主で青色申告する場合、副業での赤字を3年間繰り越すことができます。
※副業での所得が、事業所得や不動産所得などの場合。
繰り越した赤字は、次の年の所得から控除できるので、所得税などの節税になります。
損益通算と同様、雑所得は赤字の繰り越しができないことも、覚えておきましょう。
個人事業主になるデメリット2つ
個人事業主のデメリットは、下記のとおり。
- その①:失業保険がもらえない
- その②:青色申告を選択した場合、少し手間と時間がかかる
1つずつ、解説していきます。
その①:失業保険がもらえない
勤めている会社から解雇された場合、通常は失業保険がもらえます。
ですが、個人事業主の場合、本業の仕事を失っても無職ではないため、失業保険を受けることができません。
その②:青色申告を選択した場合、少し手間と時間がかかる
個人事業主は、青色申告を選択できるのですが、青色申告は白色申告よりもやることが多く、手間と時間がかかります。
ちなみに、青色申告を受けるための条件は下記のとおり。
- 青色申告承認申請書の提出
- 不動産所得・事業所得・山林所得のいずれかの所得であること
- 複式簿記での会計処理をすること
- 貸借対照表と損益計算書を添付すること
- 期限内に申告すること
青色申告が大変そうと思われた方は、下記の会計ソフトを試してみると良いでしょう。
※簿記の知識がなくても、簡単に青色申告ができます!
- やよいの青色申告 オンライン
- クラウド会計ソフトfreee会計
- マネーフォワード クラウド
今回は以上となります。