三菱商事の株価上昇の理由は? 売り時は? 今後の株価・配当はどうなりますか?
こういった質問に答えます。
こんにちは、ブロガー&投資家のフリーです。
今回は、「三菱商事の株価上昇の理由は?」「三菱商事株の売り時はいつ?」「三菱商事の株価・配当金は今後どうなる?」を中心に解説します。
ポイントは下記のとおり。
- 株価上昇の理由①:ウォーレン・バフェット氏の大量買い
- 株価上昇の理由②:好調な業績と積極的な株主還元
- 株価上昇の理由③:割安株(バリュー株)が注目された
- 三菱商事の今後の株価は、業績次第だが、「株価は上昇し、再び上場来高値(3,775円)を目指す展開になる…」と予想
- 三菱商事株の売り時は「3,500円~3,700円台」 ただし、優良銘柄なので長期保有を推奨
- 三菱商事の配当金(2025年3月期)は、100円を予定
実現すれば、9期連続で増配を達成
※記事は2~3分で読み終わります。
三菱商事はどんな会社?
三菱商事(8058)は、5大総合商社の1つ。
原料炭や天然ガスなどの「資源」部門と、機械・食品・自動車関連などの「非資源」部門でバランスよく稼いでいます。
2024年3月期の売上高は19.5兆円。時価総額は約12兆円で、いずれも業界トップ。
三菱自動車(7211)や三菱HCキャピタル(8593)、ライフコーポレーション(8194)など、上場企業をグループの一員として抱え、大規模かつグローバルに事業を展開しています。
なお、2020年8月、ウォーレン・バフェット氏が商社株へ投資をしていたことが判明。三菱商事の好業績とバフェット効果を背景に、ここ3~4年で株価は4倍以上に…。
今後の株価動向が、多くの投資家から注目されています。
参考:バフェット氏の投資会社、日本の5大商社株を5%超取得(日本経済新聞)
項目 | 内容 |
---|---|
社名 | 三菱商事 |
証券コード | 8058 |
本社 | 東京都千代田区丸の内 |
設立 | 1950年4月 |
決算 | 3月31日 |
市場 | 東証プライム |
事業内容 | 金属資源、総合素材 、石油化学など |
従業員数(連結) | 約80,000名(2024年3月期) |
売上高 | 19兆5,676億円(2024年3月期) |
配当利回り | 2.01%(2024年3月期) |
株価 | 2,914.5円(2024年9月5日終値) |
購入できる証券会社 | 松井証券、moomoo証券 など |
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三菱商事の株価チャート(過去5年分の株価推移)
三菱商事の株価推移(過去5年分)は、下記のとおり。
※株価チャートは拡大できます。
三菱商事の株価は、2019年~2021年の年末にかけて、800円~1,200円台のボックス圏で推移していました。
※2020年8月にウォーレン・バフェット氏による同社株の大量買いが判明しましたが、2021年3月期の業績が減収減益だっため、この時点では株価上昇のキッカケにはなりませんでした。
株価が上向き始めたのが、2022年に入ってから。
2022年3月期の業績回復や、外国人投資家の買いなどを背景に株価は上昇。6月には1,615円を付けました。
2023年には、さらに株価が急上昇。6月には2,000円を突破し、9月には2,577.3円の高値を記録します。
株価の急上昇の背景には、① 2023年3月期の好業績(純利益が初の1兆円台)と ② バフェット氏による商社株への買い増し宣言がありました。
2024年に入ってからも、株価は上昇を続け、5月には上場来高値の3,775円を付けました。
その後、8月上旬の「日経平均の大暴落」の中、同社株も一時、2,400円台まで急降下。
現在、株価は回復傾向にあり、3,000円前後で推移しています。
三菱商事の株価上昇の理由は?
先述のとおり、三菱商事の株価は2020年の800円台が、2024年の3,700円台へと、4年で4.5倍以上になりました。
三菱商事の株価が上昇した理由は、下記の3点が考えられます。
- 理由①:ウォーレン・バフェット氏による大量買い
- 理由②:好調な業績と積極的な株主還元
- 理由③:割安株(バリュー株)が注目された
それぞれ解説します。
理由①:ウォーレン・バフェット氏による大量買い
理由の1つ目は、ウォーレン・バフェット氏による大量買いです。
2020年8月、バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイは、子会社を通じて三菱商事や三井物産など、日本の5大商社株をそれぞれ5%超保有したことを発表しました。
参考:バフェット氏の投資会社、日本の5大商社株を5%超取得(日本経済新聞)
バフェット氏が日本の個別株を大量保有するのは初めてのことで、大きなインパクトを日本市場に与えました。
同氏が商社株に注目した理由として、下記の3点が考えられます。
- 日本企業の構造変化を感じ取った
- 商社株が割安な株価水準であった
- 将来的に、事業面で協業する可能性
バフェット氏の大量買いの後、多くの外国人投資家も商社株に注目。2020年以降、三菱商事の外国人持ち株比率も、下記のとおり増加傾向にあります。
年月 | 外国法人等 | 金融機関 | 個人等 | その他 法人 |
---|---|---|---|---|
2020年3月末 | 27.4% | 40.0% | 23.5% | 6.1% |
2021年3月末 | 28.8% | 39.5% | 20.5% | 6.2% |
2022年3月末 | 28.0% | 42.3% | 18.4% | 6.0% |
2023年3月末 | 29.7% | 38.7% | 20.7% | 5.4% |
2024年3月末 | 33.3% | 37.5% | 21.0% | 4.7% |
※2024年3月末現在、外国人投資家が三菱商事株の3分の1を所有。
理由②:好調な業績と積極的な株主還元
理由の2つ目は、好調な業績と積極的な株主還元です。
三菱商事の直近5期分の業績は、下記のとおり。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
2020年3月 | 14兆7,797億円 | 3,662億円 | 5,353億円 |
2021年3月 | 12兆8,845億円 | 849億円 | 1,725億円 |
2022年3月 | 17兆2,648億円 | 7,594億円 | 9,375億円 |
2023年3月 | 21兆5,719億円 | 1兆921億円 | 1兆1,806億円 |
2024年3月 | 19兆5,676億円 | 8,039億円 | 9,640億円 |
2021年3月期を除いて、三菱商事の業績は順調に推移しています。
とくに、2023年3月期は絶好調でした。
ロシアのウクライナ侵略による資源価格の高騰や円安などの効果もあり、純利益が初の1兆円を突破しました。
加えて、三菱商事では株主還元策を強化。
2017年3月期から8期連続の増配を継続中で、直近3期の配当金も「50円 → 60円 → 70円」と大幅に伸びています。
※さらに、今期(2025年3月期)は、100円の配当を予定。
また、自社株買いにも積極的で、2024年3月期の「配当金の支払い + 自社株買い」の総還元額は、7,384億円で純利益の約77%を株主に還元しています。
理由③:割安株(バリュー株)が注目された
理由の3つ目は、割安株(バリュー株)が注目されたことです。
バリュー株が注目された理由は、下記の2点。
- 東京証券取引所による「PBR1倍割れ企業」への改善要請
- 外国人投資家による「経営改革」「株主還元の強化」要請
資本効率や収益性が劣っていた「PBR1倍割れ企業(割安株)」ですが、国内外からのプレッシャーにより本格的な経営改革に乗り出し始めました。
具体的には、ROE(自己資本利益率)重視の経営や株主還元(配当・自社株買い)の強化、株式の持ち合い解消などの動きです。
市場参加者はこの動きを「相場を動かす大きなテーマ」であると認識、割安株や高配当株への資金流入に繋がりました。
三菱商事株も、このテーマを代表する銘柄となり、株価が大きく上昇しました!
三菱商事100株はいくらで買える?
三菱商事を100株購入する場合、計算式は下記になります。
株価 × 100株 + 手数料 = 購入資金
2024年9月5日の三菱商事の終値は 2,914.5円なので、これで計算してみます。
ちなみに、私も利用しているmoomoo証券の場合、日本株の手数料は「無料」となっています。
2,914.5円 × 100株 + 0円= 291,450円
29万円くらいで、三菱商事の株主になれます。
なお、三菱商事は2024年1月に株式分割(1株 → 3株)を行いました。
分割前は、100株購入で70~80万円くらい必要だったので、個人投資家には買いにくい銘柄でした。
株式分割後は、個人投資家にも手の届く銘柄となりました!
三菱商事、今後の株価はどうなる?
✓ 三菱商事、過去5年分の株価(高値・安値)
三菱商事の過去5年分の株価(高値・安値)を一覧表にしてみました。
※2024年1月の株式分割(1株 → 3株)を考慮して作成。
※2024年は9月5日までの数字。
年 | 高値 | 安値 |
---|---|---|
2020年 | 982.7円(2月) | 698.2円(4月) |
2021年 | 1,252.7円(10月) | 835.7円(1月) |
2022年 | 1,615円(6月) | 1,219円(1月) |
2023年 | 2,577.3円(9月) | 1,398円(1月) |
2024年 | 3,775円(5月) | 2,231円(1月) |
三菱商事の上場来高値は 3,775円(2024年5月)。
現在の株価は 2,914.5円(2024年9月5日終値)となっています。
✓ 三菱商事、今後の株価はどうなる?
株価は、下記の計算式で決まります。
EPS(1株利益)× PER(株価収益率)= 株価
2025年3月期の三菱商事の予想EPSは、236.8円(三菱商事 決算短信より)。
三菱商事の過去5期分のPERは、最低が5.87倍、最高が15.15倍(三菱商事 有価証券報告書より)。
※コロナ禍で業績が極端に悪化した、2021年3月期のPERは除く。
236.8円 × 5.87倍~15.15倍= 1,390円~3,588円
あくまでも、計算上ですが、「1,390円~ 3,588円」という株価が算出されました。
先述のとおり、 三菱商事の上場来高値は 3,775円(2024年5月)。現在の株価は 2,914.5円(2024年9月5日終値)です。
今後の業績次第ではありますが、「株価は再び上昇し、上場来高値(3,775円)を目指す展開になる…」と考えます。
2024年11月上旬に発表予定の
2025年3月期第2四半期の決算に注目です!
【やばい?】三菱商事株の売り時はいつ?
2024年9月5日終値ベースで、株価が 2,914.5円の三菱商事ですが、株の売り時はいつでしょうか?
先ほど算出した株価の見通しや、過去5年分の株価データから「売り時」を考察してみます。
まずは、先ほど算出した今後の株価を再掲します。
236.8円 × 5.87倍~15.15倍= 1,390円~3,588円
三菱商事の高値・安値の株価一覧表(過去5年分)も再掲します。
年 | 高値 | 安値 |
---|---|---|
2020年 | 982.7円(2月) | 698.2円(4月) |
2021年 | 1,252.7円(10月) | 835.7円(1月) |
2022年 | 1,615円(6月) | 1,219円(1月) |
2023年 | 2,577.3円(9月) | 1,398円(1月) |
2024年 | 3,775円(5月) | 2,231円(1月) |
先ほど算出した、三菱商事の今後の株価予想(高値)が 3,588円。三菱商事の上場来高値が、3,775円です。
以上の2つの数字から、三菱商事株の売り時は「3,500円台~3,700円台(現在の株価から500円~700円値上がりした後)」だと考えます。
あくまでも「売り」を考えている方へのアドバイス…。
三菱商事は優良銘柄なので、長期保有がベストです。
三菱商事、今後の配当はどうなる?
✓ 三菱商事の配当実績(過去5期分)
三菱商事の配当実績(過去5期分)は、下記のとおり。
※2024年1月の株式分割(1株 → 3株)を考慮して作成。
※配当利回り= 各期の配当金 ÷ 株価(期末)× 100 で算出。
決算期 | 配当金 | 株価(期末) | 配当利回り |
---|---|---|---|
2020年3月 | 44円 | 763.8円 | 5.76% |
2021年3月 | 44.7円 | 1,043.3円 | 4.28% |
2022年3月 | 50円 | 1,533.7円 | 3.26% |
2023年3月 | 60円 | 1,583.7円 | 3.79% |
2024年3月 | 70円 | 3,487円 | 2.01% |
三菱商事の過去5期分の配当利回りは、2.01~5.76%。平均すると、3.82%です。
東証プライム全銘柄の配当利回りは、2.36%(2024年9月5日、日本経済新聞より)なので、平均よりもかなり高めであることがわかります。
✓ 三菱商事、今後の配当はどうなる?
2024年8月に発表された決算短信によると、三菱商事の2025年3月期の予想配当金は100円。
このままの配当が実施されれば、9期連続での増配になります。
ちにみに、現在の三菱商事の株価は 2,914.5円(2024年9月5日終値)。予想配当利回りは、3.43%(100円 ÷ 2,914.5円 ×100)になります。
最後に、三菱商事の配当方針を載せておきます。
引用元:中期経営戦略 2024
- 30~40%程度の総還元性向を目途とする
- 持続的な利益成長に応じて増配を行う累進配当
三菱商事に関してよくある質問
三菱商事に関して、よくある質問をまとめてみました。
- 質問①:三菱商事は何の会社ですか?事業の強みは?
- 質問②:三菱商事と三井物産、投資するならどちらがおすすめ?
- 質問③:三菱商事はいつ株式分割をしましたか?
- 質問④:三菱商事(8058)の現在の株価は、買い時ですか?
以下で回答します。
質問①:三菱商事は何の会社ですか?事業の強みは?
三菱商事は三菱グループの中核企業で、5大総合商社の1つ。
エネルギーの他、機械・食品・化学品・自動車関連などの事業分野を持ち、海外でも幅広くビジネスを展開しています。
三菱商事の強みは、原料炭や天然ガスなどの「資源」部門と機械・食品・流通などの「非資源」部門の両方でバランスよく稼げる事業モデルです。
また、三菱自動車や三菱HCキャピタル、ライフコーポレーション、ローソンなど、グループ各社を基盤とした総合力も強みの1つです。
質問②:三菱商事と三井物産、投資するならどちらがおすすめ?
三井物産(8031)は、三井グループ中核の総合商社。資源分野(鉄鉱石・石炭・銅など)に強みがあります。
ですが、資源分野は資源価格の影響を受けやすく、安定性に欠けるというデメリットがあります。
事業モデルの弱みを転換すべく、食品や医療、鉄道などのインフラ事業も行っていますが、総合力では三菱商事に劣ります。
なので、実際に投資をする場合には、三菱商事(8058)をおすすめします。
質問③:三菱商事はいつ株式分割をしましたか?
三菱商事は2024年1月1日に、1株を3株にする株式分割を行いました。
分割前までは、1株あたり6,600~6,700円台だった三菱商事株ですが、分割後は2,500円前後の株価になりました。
100株を購入する際の投資資金も、70万円弱必要だったものが25万円くらいになり、個人投資家にも買いやすい銘柄になりました。
なお、2024年9月現在の株価は、3,000円前後で推移しています。
質問④:三菱商事(8058)の現在の株価は、買い時ですか?
三菱商事の株価チャート(ここ5年間)を再掲します。
上記のとおり、三菱商事の株価は2023年春頃から大幅に上昇を開始。2024年5月には上場来高値(3,775円)を記録しました。
2024年8月上旬(日経平均の暴落時)に、株価は値下がりしたものの、依然、高値圏(3,000円前後)で推移しています。
結論
- 株価は高値圏にあるので、今は「様子見」を推奨
- 2023年9月の高値(2,577.3円)を下回る水準くらいで買いたい
まとめ:今回のポイント
今回は、三菱商事(8058)について解説しました。
ポイントをおさらいすると、下記のとおり。
- 株価上昇の理由①:ウォーレン・バフェット氏の大量買い
- 株価上昇の理由②:好調な業績と積極的な株主還元
- 株価上昇の理由③:割安株(バリュー株)が注目された
- 三菱商事の今後の株価は、業績次第だが、「株価は上昇し、再び上場来高値(3,775円)を目指す展開になる…」と予想
- 三菱商事株の売り時は「3,500円~3,700円台」 ただし、優良銘柄なので長期保有を推奨
- 三菱商事の配当金(2025年3月期)は、100円を予定
実現すれば、9期連続で増配を達成
三菱商事は、「資源」部門と「非資源」部門の両方でバランスよく稼ぎ、かつグループ企業を基盤とした総合力もある優良企業です。
ですが、現在の株価水準はここ10年間で最も高い水準にあり、安易に投資をすると株価下落による損失を被る可能性も考えられます。
中長期のスパンで投資を考え、株価が比較的安い水準
(2,000円台)になったら、購入を検討したい銘柄です。
スマホで手軽に確認できる、moomoo(ムームー)などの株アプリを利用して、「株価」や「業績」を定期的にチェックすることをオススメします。
moomoo証券- 米株・日本株情報、デモ取引
Moomoo Technologies Inc.無料posted withアプリーチ
※IDを取得すれば、無料ですぐに利用できます。
>>【moomoo】アプリの使い方とメリット、使ってみた感想を解説!
※投資判断は、自己責任でお願いします。
今回は以上です。