エネオスの株価はなぜ安いのですか?
100株購入した場合、配当金はいくらもらえますか?
エネオス株の今後の見通しについても教えてください。
こういった質問に答えます。
こんにちは、ブロガー&投資家のフリーです。
今回は、「エネオスの株価はなぜ安いのか?」「エネオス100株の配当金」「エネオスの株価・配当金の今後の見通し」について解説します。
ポイントは下記のとおり。
- エネオス株価低迷の理由①:不安定な業績
- エネオス株価低迷の理由②:環境意識の高まり
- エネオス株価低迷の理由③:株主還元に消極的
- エネオス100株の配当金は2,200円
- エネオスの株価の見通しはボックス相場が続く
- エネオスの配当金の見通しは現状維持が続く
※記事は3分くらいで読み終わります。
エネオスはどんな会社?
エネオス(5020)は、国内シェア約50%の石油元売りNo.1企業。
12,000ヵ所を超える系列給油所を運営しています。
2017年4月に東燃ゼネラルと経営統合。
2020年6月、ENEOSホールディングスへ商号変更しました。
項目 | 内容 |
---|---|
社名 | ENEOSホールディングス |
証券コード | 5020 |
本社 | 東京都千代田区大手町 |
設立 | 2010年4月 |
決算 | 3月31日 |
市場 | 東証プライム |
主な事業内容 | 石油製品の精製・販売 |
従業員数 | 約44,000名(2023年3月期) |
売上高 | 15兆165億円(2023年3月期) |
配当利回り | 4.73%(2023年3月期) |
株価 | 496.9円(2023年7月21日終値) |
購入できる証券会社 | 松井証券 、楽天証券 など |
エネオス株は、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。
松井証券の場合、1日の取引額が50万円以下であれば手数料が無料です。ぜひこの機会に口座を開設しておきましょう。
エネオスの株価はなぜ安い?
エネオスの株価が低迷している理由は、下記の3点が考えられます。
- 理由①:不安定な業績
- 理由②:環境意識の高まり
- 理由③:株主還元に消極的
それぞれ解説します。
理由①:不安定な業績
まずは、下記をご覧ください。
決算期 | 営業利益 |
---|---|
2019年3月 | 5,371億円 |
2020年3月 | -1,131億円 |
2021年3月 | 2,542億円 |
2022年3月 | 7,859億円 |
2023年3月 | 2,813億円 |
直近の決算(2023年3月期)では、2,800億円の営業利益を稼いでいますが、ほぼ毎期、増益と減益を繰り返しており、業績がかなり不安定です。
新型コロナウィルスの影響で、2020年3月期には 1,100億円の赤字を計上しました。
このような点が投資家から警戒され、株価低迷につながっていると考えます。
理由②:環境意識の高まり
脱炭素化や環境意識の高まりで、石油関連事業の先行きが懸念されているのも株価低迷の要因です。
具体例の1つとして、自動車の電動化が挙げられます。
日本政府は、2020年10月に『2050年カーボンニュートラル宣言』を発表。
さらに、同年12月の『2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略』では、
「2050年に自動車の生産、利用、廃棄を通じたCO2ゼロを目指す」として、2050年以降にはガソリン車の利用が禁止され、ガソリン車は完全に廃止される予定です。
このような不安材料があるため、株価が低迷していると思われます。
理由③:株主還元に消極的
さらに、株主還元に消極的なことも、株価低迷の原因と考えます。
エネオスの配当金は下記のとおり。
決算期 | 配当金 |
---|---|
2019年3月 | 21円 |
2020年3月 | 22円 |
2021年3月 | 22円 |
2022年3月 | 22円 |
2023年3月 | 22円 |
直近の4期は、22円で変化がありません。
先ほど紹介した不安定な業績では、なかなか増配は難しいのかもしれません。
ですが、最近では増配や自社株買いなど、株主還元に積極的な日本企業も増えてきています。
例えば、「連続増配」企業のイエローハット(9882)や三菱HCキャピタル(8593)と比べると、どうしても見劣りがします。
✓ イエローハットの配当金推移
決算期 | 配当金 |
---|---|
2019年3月 | 36円 |
2020年3月 | 46円 |
2021年3月 | 54円 |
2022年3月 | 58円 |
2023年3月 | 62円 |
✓ 三菱HCキャピタルの配当金推移
決算期 | 配当金 |
---|---|
2019年3月 | 23.5円 |
2020年3月 | 25円 |
2021年3月 | 25.5円 |
2022年3月 | 28円 |
2023年3月 | 33円 |
✓ エネオスの配当方針
安定的な配当継続に配慮し、22円/株の配当を下限とする。
引用元:ENEOSホールディングス・ホームページ、株主還元より
上記のエネオスの配当方針を見ても、積極的な姿勢は感じられません。
エネオス100株で配当金はいくらもらえる?
エネオスの2023年3月期の配当金は、下記のとおり。
時期 | 配当金 |
---|---|
中間配当(2022年9月) | 11円 |
期末配当(2023年3月) | 11円 |
合 計 | 22円 |
上記のとおり、エネオスの配当金は、2回に分けて分配されます。
100株を保有している場合、2,200円の配当金を受け取ることができます。
※なお、実際の手取り額は1,754円(20.315%の所得税・住民税が引かれる)です。
配当金の額は、業績によって変化します。moomoo(ムームー)の株アプリで、会社の動向をウォッチしていきましょう。
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✓ エネオス:過去10年の配当金推移
過去10年のエネオスの配当金推移は、下記のとおり。
決算期 | 中間配当金 | 期末配当金 | 合計 |
---|---|---|---|
2014年3月 | 8円 | 8円 | 16円 |
2015年3月 | 8円 | 8円 | 16円 |
2016年3月 | 8円 | 8円 | 16円 |
2017年3月 | 8円 | 8円 | 16円 |
2018年3月 | 9円 | 10円 | 19円 |
2019年3月 | 10円 | 11円 | 21円 |
2020年3月 | 11円 | 11円 | 22円 |
2021年3月 | 11円 | 11円 | 22円 |
2022年3月 | 11円 | 11円 | 22円 |
2023年3月 | 11円 | 11円 | 22円 |
2020年3月期から2023年3月期まで、4期連続で配当金は22円。
2024年3月期の予想配当金も22円(会社四季報 2023年3集より)とされており、しばらくは増配を期待できないと考えます。
エネオスの配当利回りは何%?
エネオスの直近5期分の配当利回りは、4.15%~5.94%。平均すると、4.8%です。
東証プライム全銘柄の平均利回りは、2.28%(2023年7月21日、日本経済新聞より)なので、平均より2倍以上高いことがわかります。
※配当利回り= 配当金 ÷ 株価(期末)× 100で算出
決算期 | 配当金 | 株価(期末) | 配当利回り | 配当性向 |
---|---|---|---|---|
2019年3月 | 21円 | 506.5円 | 4.15% | 22% |
2020年3月 | 22円 | 370.2円 | 5.94% | 130.6% |
2021年3月 | 22円 | 501.6円 | 4.39% | 62% |
2022年3月 | 22円 | 458円 | 4.8% | 13.2% |
2023年3月 | 22円 | 465.2円 | 4.73% | 47.2% |
2020年3月期の配当利回りが、5.94%とかなり高めになっていますが、これは業績悪化に伴う株価下落が要因です。
なので、業績悪化で株価が大きく下落したときが、エネオス株の買い時かも知れません。
もう一度、エネオスの配当方針を載せておきます。
安定的な配当継続に配慮し、22円/株の配当を下限とする。
引用元:ENEOSホールディングス・ホームページ、株主還元より
安定配当や1株当たり22円の配当を掲げていますが、
業績悪化時には、減配になるリスクも考慮にいれて投資しましょう。
エネオス100株はいくらで買える?
ここ5年間のエネオスの株価推移は、下記のとおり。
※株価チャートは拡大できます。
エネオス100株を購入する場合、下記で計算できます。
株価 × 100株 + 手数料 = 購入資金
2023年7月21日のエネオスの終値は、496.9円なので、これで計算してみます。
ちにみに、私も利用している松井証券の場合、50万円までの取引なら、手数料は無料となっています。
496.9円 × 100株 + 0円=49,690円
5万円くらいで購入可能です。
金利が0.002%しかもらえない、銀行の定期預金よりも、はるかにまともな運用ができます。
エネオス株の今後の見通しは?
エネオス株の今後の見通しについて、株価と配当金にわけて考えてみます。
エネオス株、今後の株価の見通し
先ほどのチャートを再掲します。
※株価チャートは拡大できます。
上記のように、ここ4年くらいは、350~550円のボックス圏で推移しています。
エネオスの事業内容や業績、置かれている経営環境(脱炭素化・環境意識の高まり)を考えると、株価は今後も、低水準でのボックス相場が続きそうです。
ただし、一時的な業績悪化などで株価が大幅に下落した時に、購入できれば、かなりの高利回り(例:2020年3月期の5.94%)を望めるかも知れません。
また、株を安く購入できれば、将来的な売却益も楽しみになります。
エネオス株、今後の配当金の見通し
エネオスの過去10期分の配当金の推移は、下記のとおり。
決算期 | 配当金 |
---|---|
2014年3月 | 16円 |
2015年3月 | 16円 |
2016年3月 | 16円 |
2017年3月 | 16円 |
2018年3月 | 19円 |
2019年3月 | 21円 |
2020年3月 | 22円 |
2021年3月 | 22円 |
2022年3月 | 22円 |
2023年3月 | 22円 |
2014年~2017年3月期までは、16円の配当で変わらず。
2017年~2020年3月期にかけては、少しずつですが増配傾向でした。
直近3期(2021年~2023年3月期)では、22円の配当で横ばいとなっています。
安定的な配当継続に配慮し、22円/株の配当を下限とする
引用元:ENEOSホールディングス・ホームページ、株主還元より
引用元:2023~2025年度 第3次中期経営計画より
- 3か年平均で、在庫影響除き当期利益の50%以上を「配当と自社株買い」で還元する
- また、安定的な配当継続に配慮し、22円/株の配当を下限とする
上記の配当方針や中期経営計画を見ても、今後も積極的な増配は期待できないと判断します。
まとめ:今回のポイント
今回は、エネオス(5020)について解説しました。
ポイントをおさらいすると、下記のとおり。
- エネオス株価低迷の理由①:不安定な業績
- エネオス株価低迷の理由②:環境意識の高まり
- エネオス株価低迷の理由③:株主還元に消極的
- エネオス100株の配当金は2,200円
- エネオスの株価の見通しはボックス相場が続く
- エネオスの配当金の見通しは現状維持が続く
個人的には、「エネオス株は、成長株でも優良株でもない」と考えます。
唯一、投資できるポイントは、「高配当株」という点です。
先述したとおり、多少のリスクは伴いますが、一時的な業績悪化などで株価が大幅に下落したときに、投資のチャンス(=高利回りのチャンス)があるのかも知れません。
私がエネオス株を購入した際には、また別の記事で報告します。
※投資の判断は自己責任でお願いします。
今回は以上です。