融資先に悩んでいる不動産投資家
日本政策金融公庫って、何ですか?
初めて聞く名前でよくわかりません。
地元の銀行に融資を断られたのですが、僕にも融資してくれますか?
融資の条件や必要書類など、できるだけ詳しく教えてください。
こういった疑問に答えます。
本記事の内容
- 日本政策金融公庫とは?現役大家がわかりやすく解説!
- 日本政策金融公庫の特徴と注意点
- 日本政策金融公庫の融資条件
- 日本政策金融公庫へ提出する必要書類
- 日本政策金融公庫、融資の流れ
この記事を書いている私は、大家歴10年の不動産投資家です。
実際に日本政策金融公庫から融資を受けて、収益物件を購入してきました。
なので、日本政策金融公庫とうまく付き合うコツやノウハウをたくさん知っています。
今回の記事を読むことで、「日本政策金融公庫の特徴」、「融資条件や利用する際の注意点」、「提出する必要書類の内容」、「融資の流れ」などが、すべてわかります。
今回も私の経験をもとに、分かりやすく丁寧に解説します。ぜひ、ご覧ください!
※記事は3分くらいで読み終わります。
日本政策金融公庫とは?現役大家がわかりやすく解説!
日本政策金融公庫(以下、本文では日本公庫)とは、民間の金融業務を補う目的で設立された政府系金融機関です。
わかりやすく言うと、民間の金融機関では融資を受けにくい個人事業主や中小企業、これから起業する人へ融資をしてくれるのが日本公庫です。
2008年に国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫の3つが統合され、日本公庫が誕生しました。
日本政策金融公庫の特徴と注意点
日本公庫の特徴と融資を受ける際の注意点を説明します。
日本政策金融公庫の特徴
日本公庫の特徴は、下記のとおり。
- 貸出金利が低い
- 融資を受けやすい
✓ 貸出金利が低い
日本公庫は民間の金融機関とは違い、利益を求める必要がないため、低金利で融資をしてくれます。
・金 利:2~2.5%程度
・融資期間:10年
※支店・担当者、担保の有無などにより異なります
さらに、固定金利なので安心して返済できます。
✓ 融資を受けやすい
日本公庫は、個人事業主やこれから創業する人にも融資をしてくれます!
なぜなら、そのような人達に融資をすることが設立目的の1つだからです。
個人事業主などが、地元の金融機関に融資を申し込んでも、ほとんどのケースで断られてしまいます。
私の場合も、4つの銀行に断られました(涙)…。
個人事業主やこれから創業する人は、まずは日本公庫に融資の相談をすることをおすすめします!
日本政策金融公庫を利用する際の注意点
下記は、私が日本公庫で、最初に融資を受けた時の条件です。
- 物件価格:430万円
- 融資金額:430万円(フルローン)
- 融資期間:10年
- 担保:必要 → 実家(抵当権なし)を担保として提供
- 保証人:必要 → 親が連帯保証人に
上記のとおり。
日本公庫を利用する際には、次の3点に注意しましょう。
- 融資期間が10年と短い
- 購入する物件の他に、担保物件が必要
- 連帯保証人も必要
✓ 融資期間が10年と短い
日本公庫の場合、融資期間が10年です(一般貸付の場合)。
民間の金融機関なら20~30年のローンを組めるので、この点は非常に残念です。
✓ 購入する物件の他に、担保物件が必要
私が、収益物件(中古戸建て)の1戸目を購入した際には、実家を担保物件として提供しました。
これから購入する収益物件を担保として提供することは認められませんでした。→ 民間の金融機関の場合、これから購入する収益物件を担保にできます。
✓ 連帯保証人も必要
担保の他に、連帯保証人も必要でした。
こちらも担保と同様、親にお願いしました(汗)。
上記の条件は、一般貸付で最初に日本公庫で融資を受ける場合です。
下記の場合、融資条件が異なります。日本公庫のHPや各担当者にて、確認してください。
- 一般貸付で2回目の融資を受ける場合
- 新規開業資金
- 女性、若者/シニア起業家支援資金
- マル経融資
日本政策金融公庫の融資条件
日本公庫から融資を受ける際の条件は下記の3つです。
- 条件①:不動産賃貸業であること
- 条件②:担保になる物件があること
- 条件③:公共料金・税金を滞納していないこと
それぞれ解説していきます。
条件①:不動産賃貸業であること
日本公庫で融資を受ける際には、「不動産賃貸業」として融資を受けることになります。
不動産投資を目的とした物件購入には融資をしません。
不動産投資から連想されるイメージが、日本公庫の経営理念(=国民生活の向上に寄与する)と合致しないからです。
融資面談時に「不動産投資」という言葉はNGです。
日本公庫は事業(不動産賃貸業)に融資します、投資には融資しません! ← 要注意!
条件②:担保になる物件があること
担保物件の提供も融資条件の1つです。
担保物件は、下記のいずれかになります。
- すでに所有している物件
- これから取得する収益物件
✓ すでに所有している物件
私の場合、実家を担保として提供。
物件価格に対して100%の融資をしてもらいました。← 1戸目の中古戸建て
ちなみに、すでに所有している物件を担保にする場合、その物件に抵当権が付いていないことが条件になります。
✓ これから取得する収益物件
この場合、物件価格(+初期費用分)の「現金」をとりあえず用意する必要があります。
なぜなら、日本公庫では、決済時に所有権移転登記と抵当権設定登記を同時にしてくれないからです。
※私が1戸目で経験したケースです。詳しくは日本公庫の各担当者にご確認ください。
なので、まずは現金で物件を購入し、
その後に抵当権を設定して、融資をしてもらう順番になります。
※少し複雑ですが、これで現金を取り戻せて、ローンに変更することができます。
民間の金融機関では、これから取得する収益物件を担保に融資を受けられます。
なので、担保として提供できる物件がない場合、日本公庫からの融資は少し面倒になります。
条件③:公共料金・税金を滞納していないこと
公共料金や税金を滞納していないことも、融資の条件になります。
必要書類として、預金通帳や公共料金の領収書を提出するので、そこでチェックされます。
日本政策金融公庫へ提出する必要書類
融資の際に日本公庫へ提出するおもな書類です。
物件に関する資料
- 登記事項証明書(土地・建物)
- 公図
- 建物図面
- 地積測量図
- 販売図面(マイソク)or 物件の概要書
- 住宅地図
- 固定資産税評価証明
- 建築確認済証
本人確認に関する資料
- 身分証明書(運転免許証など)の写し
- 実印
- 印鑑証明書
- 住民票
- 公共料金・固定資産税の領収書
- 納税証明書
- 預金通帳
日本公庫のHPより取得する資料
- 借入申込書
- 創業計画書
収入に関する資料
- 源泉徴収票または確定申告書の写し(過去2年分)
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
日本政策金融公庫、融資の流れ
融資の流れは、下記のとおりです。
ちなみに、面談から融資の実行まで約1ヶ月かかります。
- その①:面談日の予約をする
- その②:最寄りの支店で融資の面談
- その③:日本公庫内で、融資の審査
- その④:融資の可否の連絡
- その⑤:金消契約の締結
- その⑥:融資の実行
その①:面談日の予約をする
必要書類が準備できたら、最寄りの支店へ面談の予約を行いましょう。
電話かネットで予約が可能です。
その②:最寄りの支店で融資の面談
日本公庫の支店で必要書類を提出し、担当者と面談を行います。
面談時のポイントを3つほど。
- 服装はスーツがおすすめ
- 不動産投資、資産形成などはNGワード
- 必要書類はあらかじめコピーを用意し、担当者の負担を減らす
その③:日本公庫内で、融資の審査
面談後に、日本公庫内で融資の審査。
提出した書類に不備などがあれば、連絡があります。
その④:融資の可否の連絡
面談から約2週間後、担当者から融資の可否の連絡があります。
融資がOKの場合、日本公庫より「融資のお知らせ」「借用証書」などの書類が郵送されます。
あわせて、金消契約のための予約を行います。
その⑤:金消契約の締結
日本公庫内で、金消契約(金銭消費貸借契約 = お金を借りる契約)と抵当権設定契約(担保の設定契約)などを行います。
その⑥:融資の実行
数日後に、こちらが指定した銀行口座に融資金が振り込まれます。
※振込手数料(数百円)は、融資金より引かれます。
融資の流れについては、こちらの記事もご覧ください。
今回は以上です。