株式投資

【やばい?】楽天の株価はなぜ安い?その理由と今後の見通しを解説

2023/08/13

※当ブログではアフィリエイトを利用しています。

お悩みさん

楽天の株価はなぜ安いのですか? 「楽天は、やばい!」という話を聞きますが、本当ですか?
楽天株の今後の見通しと一緒に教えてください。

こういった質問に答えます。

本記事の内容

  • 楽天はどんな会社?
  • 「楽天は、やばい!」は本当か?
  • 楽天の株価はなぜ安い?
  • 楽天の株価、過去15年の推移
  • 楽天株の今後の見通しは?買いか?
  • まとめ:今回のポイント

こんにちは、ブロガー&投資家のフリーです。

今回は、「楽天はやばいと言われる理由」「楽天の株価はなぜ安いのか?」を中心に解説します。

ポイントは下記のとおり。

  • 楽天はやばいの理由①:株価が下落基調でやばい
  • 楽天はやばいの理由②:業績が赤字続きでやばい
  • 楽天はやばいの理由③:財務指標が悪化してやばい
  • 楽天の株価が安い理由①:楽天モバイルの赤字
  • 楽天の株価が安い理由②:大規模な増資で株式が希薄化

記事は3分くらいで読み終わります。ぜひ投資の参考にしてください。

楽天はどんな会社?

楽天(4755)は、ネット通販・金融・携帯電話などの事業を運営するグループ企業。

とくに、流通総額が5兆円を超えるネット通販(「楽天市場」など)は、グループの中心事業です。

また、「楽天経済圏」の一翼を担う、楽天カード・楽天証券・楽天銀行などの金融業も順調に伸びています。

一方で、2019年に参入した携帯電話事業(楽天モバイル)では大苦戦を強いられています。

楽天モバイルの赤字が、グループ全体の足を引っ張っていて、ネット上でも「楽天は、やばい」という意見を結構目にします。

項目内容
社名楽天グループ
証券コード4755
本社東京都世田谷区玉川
設立1997年2月
決算12月31日
市場東証プライム
主な事業内容ネット通販、金融、携帯電話
従業員数(連結)約32,000名(2022年12月期)
売上高1兆9,278億円(2022年12月期)
配当利回り0.76%(2022年12月期)
株価558.7円(2023年8月8日終値)
購入できる証券会社松井証券 、楽天証券 など

楽天株は、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。

松井証券の場合、1日の取引額が50万円以下であれば手数料が無料です。ぜひこの機会に口座を開設しておきましょう。

>> インターネットでお得に取引!松井証券

「楽天は、やばい!」は本当か?

あくまでも、個人的な意見ですが、「結構やばい」と判断しています。

その理由は、下記のとおりです。

  • 理由①:株価が下落基調でやばい
  • 理由②:業績が赤字続きでやばい
  • 理由③:財務指標が悪化してやばい

少し解説を加えます。

理由①:株価が下落基調でやばい

株価チャート5年 楽天

※株価チャートは拡大できます。

上記は、ここ5年間の楽天の株価チャートです。

2021年には、高値で1,500円くらいあった株価が、2022年になって、1,000円を大きく割り込みました

さらに2023年に入ってからは、600円を下回り、低迷を続けています

業績がまったく黒字化せず、今後も莫大な資金を必要とする楽天モバイルが大きなネックになっています。

理由②:業績が赤字続きでやばい

下記は、過去4期分の楽天の業績推移です。

決算期売上高営業利益純利益
2019年12月1兆2,639億円 727億円      -318億円
2020年12月1兆4,555億円    -938億円   -1,141億円
2021年12月1兆6,817億円  -1,947億円    -1,338億円
2022年12月1兆9,278億円 -3,638億円    -3,728億円
引用元:楽天の決算資料

売上高は順調に伸びていますが、本業の儲けを表す営業利益と最終的な利益である純利益赤字続きで、その赤字額が拡大している状況です。

その赤字を穴埋めするべく、ここ数年は日本郵政(6178)から出資を受けたり、楽天銀行(5838)を上場し、資金を調達したりしています。

さらに、2023年5月には公募増資を行い、約3,000億円を調達。今後、次々と期限がやってくる借金の返済(社債償還)や、単独での黒字化が見通せない「楽天モバイル」の設備投資に充てるようです。

まさに、自転車操業のようで、やばいです。

理由③:財務指標が悪化してやばい

毎期、最終赤字を出し続けているので、財務指標も悪化しています。
ここでは、2つ取り上げます。

※下記の財務指標は、2023年3月末現在のものです。

  • 自己資本比率:3.5%
  • 利益剰余金:-3,709億円

自己資本比率は、企業の「安全性」を示す指標の1つで、「全体の資産の中で、返済不要な資本(自己資本)がどれくらいあるのか」を表しています。

楽天の場合、この自己資本比率が3.5%しかなく、かなりやばい状態です。

ちなみに、携帯電話事業を行う大手3社の自己資本比率は、下記のとおり。

  • NTT(9432):33.8%
  • KDDI(9433):43.0%
  • ソフトバンク(9434):15.2%

利益剰余金とは、「企業が過去に稼いできた利益を積み立てたお金」のこと。利益剰余金のマイナスは、経営状態の悪化を示しています。

最悪のシナリオでは、「債務超過」や「倒産」というリスクも念頭に置かなければなりません。

なお、先ほどのNTTなどの3社は、利益剰余金はプラスです。

楽天の株価はなぜ安い?

楽天の株価が安い理由は、おもに下記の2点が考えられます。

  • 理由①:楽天モバイルの赤字が続いている
  • 理由②:大規模な増資による株式の希薄化

以下で解説します。

理由①:楽天モバイルの赤字が続いている

2019年に参入した携帯電話事業ですが、毎期赤字が続いています。

部門別の営業損益は、下記のとおりです。

決算期モバイルインターネットフィンテック
2019年12月-765億円1,072億円693億円
2020年12月-2,269億円401億円812億円
2021年12月-4,211億円1,033億円891億円
2022年12月-4,928億円782億円987億円
引用元:楽天グループ、有価証券報告書

上記のとおり、好調なネット通販と金融の利益を、楽天モバイルの赤字が食い潰しています。

このような状況が投資家から嫌われ、株が売られているものと考えます。

理由②:大規模な増資による株式の希薄化

楽天は、2023年5月に公募増資を行い、約3,000億円を調達しました。

調達資金の内、60%を楽天モバイルの設備投資に、残りの40%を社債の償還などに使う予定です。

この公募増資の結果、楽天の発行済み株式数が、16億株から21億株と約3割も増加

株式の大幅な希薄化を懸念した売りが殺到し、株価は600円を割り込み、現在は500円台で低迷しています。

※株価は一時的に、400円台にもなっています。

楽天の株価、過去15年の推移

楽天の過去15年の株価推移は、下記のとおりです。

※株価チャートは拡大できます。

株価チャート15年 楽天

2015年4月に、最高値の2,395円。2021年3月には、高値1,545円を付けました。

ですが、2022年には下落基調が鮮明になり、1,000円を割り込み、夏頃には半値近くの600円台に…。

2023年に入ってからは、500~600円台という低水準で株価が推移しています。

1株当たり純資産(BPS)の「453.2円」を割り込むか否かが、今後の焦点の1つになりそうです。

楽天株の今後の見通しは?買いか?

さいごに、楽天株の今後の見通しと、楽天株は買いか否かについて考えてみます。

楽天株の今後の見通しは?

まずは、過去7期分の業績を振り返ってみます。

決算期売上高営業利益純利益
2016年12月7,819億円779億円379億円
2017年12月9,444億円1,493億円1,105億円
2018年12月1兆1,014億円 1,704億円1,422億円
2019年12月1兆2,639億円 727億円      -318億円
2020年12月1兆4,555億円    -938億円   -1,141億円
2021年12月1兆6,817億円  -1,947億円    -1,338億円
2022年12月1兆9,278億円 -3,638億円    -3,728億円
引用元:楽天の決算資料

2016年から2018年は、営業利益・純利益ともに順調に伸びて、黒字も確保していました。

ところが、携帯電話事業に参入した2019年以降は、業績が悪化。最終赤字が常態化している状況です。

業績が悪化した2019年以降の部門別の営業損益が、下記のとおり(再掲)。

決算期モバイルインターネットフィンテック
2019年12月-765億円1,072億円693億円
2020年12月-2,269億円401億円812億円
2021年12月-4,211億円1,033億円891億円
2022年12月-4,928億円782億円987億円
楽天グループ、有価証券報告書

楽天モバイルの赤字が、好調なネット通販・金融の足を引っ張っていることがわかります。

✓ 楽天株の今後の見通し

楽天株の今後は、「楽天モバイルが黒字化できるか?」にかかっていて、楽天モバイルの契約者数をチェックすることがポイントになります。

年月契約者数
2022年12月448万件
2023年3月457万件
2023年6月481万件
2023年7月(速報値)491万件
引用元:楽天グループ、決算説明会資料

楽天モバイルの黒字化には、1,000万件の契約者数が必要との意見が多く、最新の速報値では 491万件と、半分にも満たない状況です。

楽天側も、最新の決算短信で、下記のようなコメントを出しています。

今後の設備投資や営業費用等の計画の見直しを行った結果、モバイル事業単体での2023年中の単月営業利益の黒字化は困難だと考えています。

引用元:楽天グループ、2023年12月期 第2四半期決算短信

2023年後半は、下記の2点に注目しつつ、業績がどう改善するかを確認したいところです。

  • 「Rakuten最強プラン」で、どこまで契約数を伸ばせるか?
  • 基地局整備の見直し(= KDDIとの連携)の「費用削減」効果は?

楽天株は買いか?

まずは、結論から。

2023年後半~2024年2月くらいまでは、様子見がおすすめ。

楽天の株価推移(1年分)をご覧ください。

※株価チャートは拡大できます。

株価チャート1年 楽天

上記のとおり、2023年6月末に安値466円を付けてから、株価はやや持ち直しています。

ですが、今まで述べたきたように、楽天の業績は今後も不透明です。

少なくとも、2024年2月くらまでは、楽天モバイルの動向を中心に見守っていくのが、ベストな選択だと考えます。

その間に、決算発表が2回(2023年11月、2024年2月)ありますので、そこでの数字を見てから投資判断をしても遅くはありません。

moomoo(ムームー)などの株アプリで、会社の動向をウォッチしていきましょう。

moomoo証券- 米株24時間取引・株価・投資情報

moomoo証券- 米株24時間取引・株価・投資情報

Moomoo Technologies Inc.無料posted withアプリーチ

※IDを取得すれば、無料ですぐに利用できます。

>>【moomoo】アプリの使い方とメリット、使ってみた感想を解説!

まとめ:今回のポイント

今回は、楽天(4755)について解説しました。

ポイントをおさらいすると、下記のとおり。

  • 楽天はやばいの理由①:株価が下落基調でやばい
  • 楽天はやばいの理由②:業績が赤字続きでやばい
  • 楽天はやばいの理由③:財務指標が悪化してやばい
  • 楽天の株価が安い理由①:楽天モバイルの赤字
  • 楽天の株価が安い理由②:大規模な増資で株式が希薄化

楽天は、まだトンネルの中で、出口は全く見えていない状況です。

消費者として楽天市場や楽天カード、楽天トラベルなど、便利なサービスを利用しつつ、投資家としては冷静に判断することが賢明だと考えます。

幸い、日本には約3,900社も上場企業が存在します。

楽天株を今すぐに買わなくても、高配当株・成長株・優良株は他にもたくさんあります。

今後も、日本の個別株の分析記事を書いていきますので、引き続き当ブログをよろしくお願いいたします。

※投資の判断は自己責任でお願いいたします。

今回は以上です。

-株式投資
-