コロナで悪化した、コロワイドの業績はどうですか？
コロワイドの株主優待は、大丈夫でしょうか？廃止の可能性は？
こういった質問に答えます。
こんにちは、ブロガー＆投資家のフリーです。
今回はコロナ禍を経て、業績が V字回復したコロワイドについて…。
とくに個人投資家に人気のある「株主優待の内容」を中心に解説します。
ポイントは下記のとおり。
- コロワイドの業績は V字回復！ 株主優待は廃止されていない。
- コロワイドの株主優待は、500株以上保有が条件。
100株保有では、株主優待はもらえない。 - 株主優待の内容：コロワイドのグループ店舗やギフト商品の交換に利用
できる「優待ポイント」が年4回、贈呈される。
※ 1ポイント ＝ 1円相当。 - 9月末の株主には、
12月末に10,000ポイント、翌年3月末に10,000ポイントを贈呈。 - 3月末の株主には、
6月末に10,000ポイント、9月末に10,000ポイントを贈呈。 - 「優待ポイント」は、甘太郎、ステーキ宮、かっぱ寿司などの店舗で利用可能。
ただし、利用できない店舗（大戸屋、牛角など）もあるので要注意。
※記事は2～3分で読み終わります。
コロワイドはどんな会社？
コロワイド（7616）は、レストラン・回転ずし・居酒屋などを運営する外食大手の1社。
傘下には、レインズインターナショナル、カッパ・クリエイト（7421）、アトム（7412）、大戸屋HD（2705）などを抱え、企業買収に積極的な会社としても知られています。
グループの主なブランド、店舗数は下記のとおり（2023年3月末現在）。
| ブランド | 店舗数 |
|---|---|
| 牛角 | 831 |
| 大戸屋 | 417 |
| かっぱ寿司 | 310 |
| 温野菜 | 283 |
| フレッシュネスバーガー | 162 |
| ステーキ宮 | 125 |
| その他 | 512 |
| 合 計 | 2,640 |
コロワイドの株主になれば、上記店舗で使える優待ポイント（株主優待）がもらえるため、個人投資家に人気の銘柄となっています。
※大戸屋・牛角など、一部利用できない店舗もあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | コロワイド |
| 証券コード | 7616 |
| 本社 | 横浜市西区みなとみらい |
| 設立 | 1963年4月 |
| 決算 | 3月31日 |
| 市場 | 東証プライム |
| 主な事業内容 | レストラン・回転ずし・居酒屋 |
| 従業員数（連結） | 約4,200名（2023年3月期） |
| 売上高 | 2,208億円（2023年3月期） |
| 株主優待 | 優待ポイント（店舗での支払い・ギフト商品の交換に利用可能） |
| 配当利回り | 0.26％（2023年3月期） |
| 株価 | 2,163円（2024年3月26日終値） |
| 購入できる証券会社 | 松井証券、楽天証券 など |
コロワイド株は、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。
松井証券の場合、1日の取引額が50万円以下であれば手数料が無料です。ぜひ、この機会に口座を開設しておきましょう。
業績回復！コロワイドは株主優待を廃止しない！
✓ コロワイドの業績推移
コロワイドの過去5期分の業績は、下記のとおりです。
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
|---|---|---|---|
| 2019年3月 | 2,443億円 | 40億円 | 6億円 |
| 2020年3月 | 2,353億円 | －46億円 | －64億円 |
| 2021年3月 | 1,681億円 | －131億円 | －100億円 |
| 2022年3月 | 1,756億円 | 50億円 | 14億円 |
| 2023年3月 | 2,208億円 | －67億円 | －68億円 |
売上高は、2020年3月期から2期連続で減収が続きましたが、2022年3月期に増収へ転換…。長かったコロナ禍から、ようやく抜け出しつつあります。
営業利益と純利益についても、2020年＆2021年3月期は赤字となりましたが、2022年3月期には黒字へ回復。こちらも、業績回復への薄日が見え始めたところです。
なお、営業利益・純利益ともに、2023年3月期に再び赤字となっていますが、コロナ後を見据えた減損損失 約70億円（不採算店舗などの閉店）を積極的に計上したためです。
人手不足や人件費の上昇、原材料高など、まだまだ経営環境は厳しいですが、減損損失（約70億円）を計上できるレベルまで企業体力が回復しつつある…、と捉えています。
✓ コロワイドは株主優待を廃止しない！
2020年、コロナ禍に見舞われていたコロワイドは、株主優待を廃止ではなく、「拡充」しました。
コロワイドの優待拡充の内容
- 2020年3月末時点で、500株以上の株主に対して20,000ポイント（従来の10,000ポイントの2倍！）を贈呈する
- ポイントの発行日は、2020年6月
※なお、2020年9月以降の発行からは、通常通り（← 10,000ポイント）
コロナ禍で苦戦する自社店舗への集客を促すため、株主優待を拡充したようです。
ただし、この優待拡充策は、あくまでも一過性のもの…。2024年3月現在、コロワイドの株主優待は通常モードに戻っています。
以下で、コロワイドの株主優待（現在実施されているもの）について見ていきます。
コロワイドの株主優待の内容は？
コロワイドの株主優待は、グループ店舗（一部を除く）での支払い、ギフト商品の交換に利用できる優待ポイントです。
ただし、100株保有の株主は対象外で、500株以上の保有が株主優待の条件になります。
| 保有株数 | 株主優待の内容 |
|---|---|
| 500株以上 | ※ 9月30日の株主：12月末に 10,000ポイント、翌3月末に 10,000ポイント を贈呈 ※ 3月31日の株主：6月末に 10,000ポイント、9月末に 10,000ポイント を贈呈 ※ 1ポイント ＝1円相当 |
上記の優待ポイントは、新規で株主（500株以上）になったときに、コロワイドから送られてくる『株主様ご優待カード』に付与されます。
コロワイドを500株かつ1年間フルに保有すれば、40,000円相当のポイントがゲットできます！
ちなみに、コロワイドの現在の株価は 2,163円（2024年3月26日終値）。
コロワイド株を500株保有するのに、1,081,500円（手数料は考慮せず）必要…。
優待利回りを計算すると、下記になります。
コロワイドの優待利回り
40,000円相当のポイント ÷ 1,081,500円 × 100 ＝ 3.70％
「3％」を超えると「優待利回りは良い」と言われていますので、コロワイドの株主優待は、かなり魅力的です…。
コロワイド、株主優待の権利確定日は？
✓ コロワイド：株主優待の権利確定日は？
コロワイドの株主優待の権利確定日は、9月30日と3月31日です。
権利確定日の2営業日前を「権利付き最終日」と言います。
なので、優待ポイントを受け取るためには、「権利付き最終日」までにコロワイド株を購入する必要があります。
✓ コロワイドの株主優待はいつもらえる？
コロワイドの株主優待は、権利確定日から3ヵ月後と6ヵ月後に、優待ポイントが贈呈される形式です。
具体的には、9月30日（権利確定日）の株主に対して、12月末と翌年3月末に10,000ポイントを贈呈。
3月31日（権利確定日）の株主に対して、6月末と9月末に10,000ポイントが贈呈されます。
- 9月30日の株主：12月末と翌年3月末の2回
- 3月31日の株主：6月末と9月末の2回
コロワイドの配当金はいくらもらえる？
コロワイドの2023年3月期の配当金は、下記のとおり。
| 時期 | 配当金 |
|---|---|
| 中間配当（2022年9月） | 0円 |
| 期末配当（2023年3月） | 5円 |
| 合 計 | 5円 |
上記のとおり、コロワイドの配当金は、年に1回支払われます。
100株を保有している場合、500円の配当金を受け取ることができました。
※なお、実際の手取り額は399円（20.315％の所得税等が引かれる）です。
✓ 参考：コロワイドの配当金推移
コロワイドの過去5期分＆2024年3月期の配当金、配当利回りは、下記のとおりです。
※配当利回り＝ 各期の配当金 ÷ 株価（期末）× 100で算出
| 決算期 | 配当金 | 株価（期末） | 配当利回り |
|---|---|---|---|
| 2019年3月 | 5円 | 2,292円 | 0.22％ |
| 2020年3月 | 5円 | 1,635円 | 0.31％ |
| 2021年3月 | 5円 | 1,900円 | 0.26％ |
| 2022年3月 | 5円 | 1,776円 | 0.28％ |
| 2023年3月 | 5円 | 1,926円 | 0.26％ |
| 2024年3月（予想） | 5円 | － | － |
コロワイドの過去5期分の配当利回りは、0.22～0.31％。平均すると、0.27％です。
東証プライム全銘柄の配当利回り 1.97％（2024年3月26日、日本経済新聞より）と比べても、かなり低めになっています。
参考までに、コロワイドの配当方針も載せておきます。
引用元：コロワイド 有価証券報告書
- 内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続していく
- 剰余金の配当は、現在、期末配当の年1回を基本的な方針としている
コロワイドの配当実績（過去10期分）も調べてみましたが、すべて「５円（期末配当のみ）」という結果でした…。
コロワイドは「配当狙い」ではなく、「優待狙い」で投資する銘柄です。優待利回りは3％を超えているので魅力的です。配当金は「おまけ」と考えたほうが良さそうです。
コロワイドの株価チャート（過去5年の株価推移）
コロワイドの過去5年分の株価推移は、下記のとおり。
※株価チャートは拡大できます。
今から5年前、2019年のコロワイドの株価は 2,000円台で推移していました。
2020年に入ると新型コロナが発生し、状況が一変。1月にはWHO（世界保健機関）が、4月には日本政府が緊急事態を宣言。
人々の日常生活が大きく変化しました。
コロワイドの株価も、大幅に下落…。2020年7月には、安値 1,162円を記録しました。
※株価 1,162円は、ここ10年の中で、コロワイド株の最安値。
その後、株価はなかなか回復せず、2年ほど（2021年～2022年）不安定な相場が続きました。
潮目が変わり始めたのが、2023年になってから。7月には高値 2,648円を付けました。
※株価が 2,500円を超えたのは、2018年3月以来です…。
現在の株価は、やや低迷気味…。2,100円前後で推移しています。
コロワイド株を購入するにはいくら必要？
✓ コロワイドを100株購入する場合
コロワイドを100株購入する場合、計算式は下記になります。
株価 × 100株 ＋ 手数料 ＝ 購入資金
2024年3月26日のコロワイドの終値は、2,163円なので、これで計算してみます。
ちなみに、私も利用している松井証券の場合、1日の取引額が50万円以下なら手数料は無料となっています。
2,163円 × 100株 ＋ 0円＝ 216,300円
22万円くらいで購入可能です。
✓ コロワイドを500株購入する場合
コロワイド株の魅力である、株主優待をゲットするためには 500株の購入が必要になります。
500株購入する場合の購入資金は、下記のとおり。
なお、私も利用している松井証券の場合、25歳以下であれば、取引額に関わらず手数料は無料。
また、26歳以上の方の場合、1日の取引額が200万円までなら、手数料は2,200円（税込）となっています。
2,163円 × 500株 ＋ 0～ 2,200円＝ 1,081,500 ～1,083,700円
109万円ほどあれば、年間40,000円相当の優待ポイントがもらえる株主になれます！
コロワイドに関してよくある質問3つ
コロワイドに関して、よくある質問をまとめてみました。
- 質問①：コロワイドの株主優待は、大戸屋でも使えますか？
- 質問②：コロワイドの株主優待が使える店舗を教えてください
- 質問③：コロワイドは潰れる？ コロワイド株は危ないですか？
以下で回答します。
質問①：コロワイドの株主優待は、大戸屋でも使えますか？
残念ながら、コロワイドの株主優待は 大戸屋では使えません。
大戸屋もコロワイドグループなのですが、この点は注意が必要です。
ちなみに、大戸屋（2705）も上場企業で、100株保有で 4,000ポイントがもらえる株主優待を実施しています。興味のある方は、大戸屋のIRをご覧ください。
質問②で、コロワイドの株主優待を「使える店舗」と、「使えない店舗」をまとめておきましたのでご覧ください。
質問②：コロワイドの株主優待が使える店舗を教えてください
コロワイドの株主優待が「使える店舗」は、下記のとおり。
コロワイドの株主優待が使える店舗
甘太郎、北海道、ステーキ宮、カルビ大将、かっぱ寿司 など
なお、コロワイドの株主優待が「使えない店舗」は、下記のとおり。
コロワイドの株主優待が使えない店舗
大戸屋ごはん処、大戸屋おかず処、牛角、温野菜、土間土間、フレッシュネスバーガー など
より詳しいことは、こちらをご覧ください。
質問③：コロワイドは潰れる？ コロワイド株は危ないですか？
下記のとおり、コロワイドの業績（2020年＆2021年3月期）は、新型コロナで大打撃を受けました。
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
|---|---|---|---|
| 2019年3月 | 2,443億円 | 40億円 | 6億円 |
| 2020年3月 | 2,353億円 | －46億円 | －64億円 |
| 2021年3月 | 1,681億円 | －131億円 | －100億円 |
| 2022年3月 | 1,756億円 | 50億円 | 14億円 |
| 2023年3月 | 2,208億円 | －67億円 | －68億円 |
その後、コロナが収束に向かう中で、業績も徐々に回復。コロワイドが「倒産する危機は、ほぼ脱した」と、個人的には考えています。
2024年3月期の決算も、売上高 2,450億円、純利益 11億円を見込んでいます。
ただし、財務内容は悪化しており、
利益剰余金が 238億円のマイナス（2023年9月末時点）であることが、心配な点の1つです。
ちなみに、コロワイドの2022年3月期の純利益は 14億円。
238億円のマイナスということは、単純計算で「純利益の17年分」の損失を抱えていることになります。
また、現在のコロワイドの株価は 2,163円（2024年3月26日終値）。予想PERは 150倍以上！ と、かなり高め…。
株主優待は魅力的ですが、財務内容の件や株価水準には注意して投資をしましょう。
まとめ：今回のポイント
今回は、コロワイド（7616）の株主優待を中心に解説しました。
ポイントをおさらいすると、下記のとおり。
- コロワイドの業績は V字回復！ 株主優待は廃止されていない。
- コロワイドの株主優待は、500株以上保有が条件。
100株保有では、株主優待はもらえない。 - 株主優待の内容：コロワイドのグループ店舗やギフト商品の交換に利用
できる「優待ポイント」が年4回、贈呈される。
※ 1ポイント ＝ 1円相当。 - 9月末の株主には、
12月末に10,000ポイント、翌年3月末に10,000ポイントを贈呈。 - 3月末の株主には、
6月末に10,000ポイント、9月末に10,000ポイントを贈呈。 - 「優待ポイント」は、甘太郎、ステーキ宮、かっぱ寿司などの店舗で利用可能。
ただし、利用できない店舗（大戸屋、牛角など）もあるので要注意。
株主優待が魅力的なコロワイド株ですが、本文でも解説したとおり、懸念材料（利益剰余金のマイナスや株価水準 など）も存在します。
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※投資判断は、自己責任でお願いします。
今回は以上です。