三菱UFJの株価が上昇した理由は?買い時ですか?
今後どうなるかについても教えてください。
こういった質問に答えます。
こんにちは、ブロガー&投資家のフリーです。
今回は、「三菱UFJの株価が上昇した理由は?」「三菱UFJの株価は買い時?」「三菱UFJの株価&配当、今後どうなる?」を中心に解説します。
ポイントは下記のとおり。
- 三菱UFJ、株価上昇の理由①:金利上昇による利ザヤ拡大期待
- 三菱UFJ、株価上昇の理由②:3期連続で純利益1兆円を達成
- 三菱UFJ、株価上昇の理由③:積極的な株主還元策
- 三菱UFJ、今の株価は買い時?:
現在の株価は 1,800円台と高値圏。なので、「今は買い時ではない」 - 三菱UFJの株価、今後どうなる?:
今後、業績が悪化しなければ、「株価は過去10年来の高値(1,849.5円)を更新。1,900円を目指す展開になる」と考える - 三菱UFJの配当、今後どうなる?:2025年3月期の予想配当金は、60円を予定。予定通りに実施されれば、4期連続での増配となる
※記事は2分くらいで読み終わります。
三菱UFJはどんな会社?
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は、国内最大の金融グループ。
国内では、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコス等を傘下に所有。
また、上場企業のアコム(8572)、三菱HCキャピタル(8593)なども、グループの一員です。
2024年3月期の経常収益は、11.8兆円。メガバンク2位の三井住友銀行(経常収益:9.3兆円)、同3位のみずほ銀行(経常収益:8.7兆円)を上回って、業界No.1です。
海外での事業展開にも積極的。アメリカのモルガン・スタンレーに出資している他、アユタヤ銀行(タイ)や ダナモン銀行(インドネシア)を所有しています。
項目 | 内容 |
---|---|
社名 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ |
証券コード | 8306 |
本社 | 東京都千代田区丸の内 |
設立 | 2001年4月 |
決算 | 3月31日 |
市場 | 東証プライム |
主な事業内容 | 法人・リテール、海外商業銀行、トレーディング |
従業員数(連結) | 145,000名(2024年3月期) |
経常収益 | 11兆8,903億円(2024年3月期) |
配当利回り | 2.63%(2024年3月期) |
株価 | 1,816円(2024年11月20日終値) |
購入できる証券会社 | 松井証券、moomoo証券 など |
三菱UFJ株は、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。
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三菱UFJの業績推移
三菱UFJの過去6期分の業績は、下記のとおりです。
決算期 | 経常収益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
2019年3月 | 6兆6,974億円 | 1兆3,480億円 | 8,726億円 |
2020年3月 | 7兆2,990億円 | 1兆2,357億円 | 5,281億円 |
2021年3月 | 6兆253億円 | 1兆536億円 | 7,770億円 |
2022年3月 | 6兆758億円 | 1兆5,376億円 | 1兆1,308億円 |
2023年3月 | 9兆2,810億円 | 1兆207億円 | 1兆1,164億円 |
2024年3月 | 11兆8,903億円 | 2兆1,279億円 | 1兆4,907億円 |
経常収益は、新型コロナの影響を受けた2021年3月期に減収となりましたが、それ以降は回復。
2023年3月期には9.2兆円、2024年3月期には11.8兆円と、10兆円の大台に乗せました。
純利益は、2020年3月期の大幅減益(特別損失の計上)を経て、順調に回復…。
とくに、2022年3月期以降は3期連続で1兆円を突破、急速に利益を積み上げています。
なお、2024年3月期には「過去最高益」を達成。1.4兆円の純利益を計上しました。
※国内外の利ザヤ拡大、トレーディング利益が堅調なことが要因です。
三菱UFJの株価推移
三菱UFJの株価推移(過去5年分)は、下記のとおり。
※株価チャートは拡大できます。
三菱UFJの株価は、2020年から2022年にかけて低迷しました。
2020年3月には、過去10年間で最も安い380円を記録。2021年1月にも448円の安値を付けています。
日本銀行のマイナス金利政策により、貸出金利が低下し、利ザヤが減少。また、国債の金利も低下し、運用益が悪化したことが、株価や業績に悪影響を与えました。
その後、2022年12月に日本銀行が「運用の見直し」を発表。長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げました。
株価が上昇し始めたのは、その直後の2023年になってから…。
金利上昇による利ザヤ拡大期待で、三菱UFJの株価も上昇基調となりました。
2023年6月には、長年の壁だった株価1,000円を突破。9月には1,344円を記録します。
2024年に入ると、好調な業績を背景に株価はさらに上昇…。4月に1,500円台を達成し、7月には1,849.5円の高値を付けました。
現在の株価も高値をキープ。1,800円前後で推移しています。
【買い時?】三菱UFJの株価が上昇した理由は?
三菱UFJの株価が上昇した理由は、下記の3つが考えられます。
- 理由①:金利上昇による利ザヤ拡大期待
- 理由②:3期連続で純利益1兆円を達成
- 理由③:積極的な株主還元策
それぞれ解説します。
理由①:金利上昇による利ザヤ拡大期待
理由の1つ目は、金利上昇による利ザヤ拡大期待です。
銀行が儲ける仕組みは、大まかに下記の2つに分けることができます。
- 個人・企業から預かったお金を、個人・企業へ貸し出し、預金金利と貸出金利の差や手数料で儲ける。
- 個人・企業から預かったお金を使って、国債や株を買って利益を生み出す。
2016年1月に導入された日銀のマイナス金利は、この銀行のビジネスモデルに大きなダメージを与えました。
具体的には、
- 貸出金利が低下し、利ザヤが縮小
- 国債の金利が低下し、運用益が悪化
上記のような悪影響を受けていましたが、2022年12月に日本銀行が「運用の見直し」を発表。長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げました。
長期金利の引き上げ後は、
- 貸出金利が上昇し、利ザヤが拡大
- 国債の金利が上昇し、運用益が回復
上記のような期待感から、三菱UFJの株価が上昇しました。
参考:日銀12月政策修正後の上昇率 銀行や保険に追い風(日本経済新聞)
理由②:3期連続で純利益1兆円を達成
理由の2つ目は、3期連続で純利益1兆円を達成したからです。
直近3期分の業績を再掲します。
決算期 | 経常収益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
2022年3月 | 6兆758億円 | 1兆5,376億円 | 1兆1,308億円 |
2023年3月 | 9兆2,810億円 | 1兆207億円 | 1兆1,164億円 |
2024年3月 | 11兆8,903億円 | 2兆1,279億円 | 1兆4,907億円 |
上記のとおり、三菱UFJの業績は急拡大しています。
企業の最終的な儲けを示す純利益は、3期連続で1兆円を突破。順調に利益を積み上げています。
※これまでの純利益の最高額は、コロナ前の約9,900億円(2018年3月期)でした…。
なお、2024年3月期の純利益は1兆4,900億円で、過去最高益となりました。
日本や海外での貸出金利が上昇し、利ザヤが改善。アメリカのモルガン・スタンレーや、アユタヤ銀行(タイ)なども利益拡大に貢献しました。
参考:三菱UFJの24年3月期、純利益33.5%増(日本経済新聞)
また、今期(2025年3月期)の純利益も1兆7,500億円と、大幅増を見込んでおり、株価上昇の要因となっています。
理由③:積極的な株主還元策
理由の3つ目は、積極的な株主還元策です。
決算期 | 配当金 |
---|---|
2020年3月 | 25円 |
2021年3月 | 25円 |
2022年3月 | 28円 |
2023年3月 | 32円 |
2024年3月 | 41円 |
上記のとおり、三菱UFJの配当金は2022年3月期より「増配」に転じており、「28円 → 32円 → 41円」と順調に配当金額を伸ばしています。
※配当の原資である純利益が拡大していることが、大きな要因です。
さらに、今期(2025年3月期)の予想配当金も60円を見込んでおり、実現すれば4期連続での増配となり、株価を押し上げる一因となっています。
✓ 三菱UFJ、今の株価は買い時?
先ほどの株価チャートを再掲します。
上記のとおり、現在の株価は1,800円台で、ここ5年間で最も高い株価水準にあります。
また、過去10年のスパンで見ても、2024年7月に記録した1,849.5円が最高値となっています。
結論
- 業績は好調なので、過去10年来の最高値(1,849.5円)を更新する可能性はある
- ただし、現在の株価が1,800円台と高値圏なので、リスクもある
- 結論として「今からの買いはオススメできない」
三菱UFJの配当利回りは何%?
三菱UFJの配当利回り(過去6期分)は、2.63~6.20%。平均すると、4.09%です。
東証プライム全銘柄の平均利回りは、2.39%(2024年11月20日、日本経済新聞より)なので、かなり高めとなっています。
※配当利回り= 各期の配当金 ÷ 株価(期末)×100で算出
決算期 | 配当金 | 株価(期末) | 配当利回り | 配当性向 |
---|---|---|---|---|
2019年3月 | 22円 | 550円 | 4.00% | 32.9% |
2020年3月 | 25円 | 403円 | 6.20% | 61.0% |
2021年3月 | 25円 | 591.7円 | 4.23% | 41.3% |
2022年3月 | 28円 | 760.3円 | 3.68% | 31.7% |
2023年3月 | 32円 | 847.9円 | 3.77% | 35.3% |
2024年3月 | 41円 | 1,557円 | 2.63% | 32.9% |
2020年3月期の配当利回りは、6.20%と高くなっていますが、業績悪化に伴い株価が安くなったことと、配当性向を無理に高めて(61.0%)、増配をしたからです。
三菱UFJに投資する際には、「3~4%台の配当利回りを狙えるくらいの株価水準が妥当」だと考えます。
2024年3月期は41円と大幅な増配となりました。ただし、それ以上に株価が上昇したため、配当利回りは2%台となってしまいました…。
【2024年最新】三菱UFJ 100株で配当金はいくらもらえる?
2024年3月期の配当金は、下記のとおり。
時期 | 配当金 |
---|---|
中間配当(2023年9月) | 20.5円 |
期末配当(2024年3月) | 20.5円 |
合 計 | 41円 |
三菱UFJの配当金は、中間配当と期末配当の2回に分けて分配されます。
100株を保有している場合、4,100円の配当金を受け取ることができました。
※なお、実際の手取り額は3,268円(20.315%の所得税等が引かれる)です。
配当金の額は、業績によって変化します。moomoo(ムームー)などの株アプリで、会社の動向をウォッチしていきましょう。
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>>【moomoo】アプリの使い方とメリット、使ってみた感想を解説!
三菱UFJ 100株はいくらで買える?
ここ1年の三菱UFJの株価推移は、下記のとおり。
※株価チャートは拡大できます。
三菱UFJ 100株を購入する場合、下記で計算できます。
株価 × 100株 + 手数料 = 購入資金
2024年11月20日の三菱UFJの終値は 1,816円なので、これで計算してみます。
なお、私も利用しているmoomoo証券の場合、日本株の手数料は「無料」となっています。
1,816円 × 100株 + 0円=181,600円
約18万円で、三菱UFJの株主になれます。
三菱UFJの株価、今後どうなる?
株価は、下記の計算式で決まります。
EPS(1株利益)× PER(株価収益率)=株価
三菱UFJは、2025年3月期の業績予想を公表していません(2025年3月期 第2四半期決算短信より)。
ただし、「当期純利益1兆7,500億円」を目標値として掲げていますので、この数値と、『会社四季報2024年4集』を参考にして、
三菱UFJの2025年3月期の予想EPSを150円とします。
また、三菱UFJの過去5期分のPERは、8.59倍~12.49倍(2024年3月期 有価証券報告書より)です。
これら2つの数字から、株価を計算すると下記になります。
150円 × 8.59倍~12.49倍=1,289円~1,874円
あくまでも、計算上ですが、「1,289円~1,874円」という株価が算出されました。
ちなみに、現在の三菱UFJの株価は、1,816円(2024年11月20日終値)。ここ10年間での高値は、2024年7月に記録した1,849.5円です。
今後、業績が悪化しないという前提ですが、「株価は過去10年来の高値(1,849.5円)を更新して、1,900円を目指す展開になる」と考えます。
三菱UFJの配当、今後どうなる?
✓ 三菱UFJの配当実績(過去6期分)
三菱UFJの配当実績(過去6期分)は、下記のとおり。
決算期 | 配当金 | 配当性向 |
---|---|---|
2019年3月 | 22円 | 32.9% |
2020年3月 | 25円 | 61.0% |
2021年3月 | 25円 | 41.3% |
2022年3月 | 28円 | 31.7% |
2023年3月 | 32円 | 35.3% |
2024年3月 | 41円 | 32.9% |
2019年に22円だった配当金は、その5年後の2024年には、41円とほぼ2倍になりました。
とくに、2022年~2024年3月期は配当金額が「28円→ 32円→ 41円」と、増配の勢いが増しています。
株主還元に対して、積極的に取り組もうという姿勢を感じます。
✓ 三菱UFJの配当、今後どうなる?
2025年3月期の予想配当金は、60円を予定。
予定通りに実施されれば、4期連続での増配となります。
最後に、三菱UFJの配当方針を載せておきます。
引用元:三菱UFJ、株主還元方針
- 配当性向を40%程度とする
- 利益成長を通じた1株当たり配当金の安定的・持続的な増加を基本方針とする
2025年3月期の中間決算が終了。今期も業績好調なため、予定通りの増配が期待できそうです。
まとめ:今回のポイント
今回は、三菱UFJについて解説しました。
ポイントをおさらいすると、下記のとおり。
- 三菱UFJ、株価上昇の理由①:金利上昇による利ザヤ拡大期待
- 三菱UFJ、株価上昇の理由②:3期連続で純利益1兆円を達成
- 三菱UFJ、株価上昇の理由③:積極的な株主還元策
- 三菱UFJ、今の株価は買い時?:
現在の株価は 1,800円台と高値圏。なので、「今は買い時ではない」 - 三菱UFJの株価、今後どうなる?:
今後、業績が悪化しなければ、「株価は過去10年来の高値(1,849.5円)を更新。1,900円を目指す展開になる」と考える - 三菱UFJの配当、今後どうなる?:2025年3月期の予想配当金は、60円を予定。予定通りに実施されれば、4期連続での増配となる
三菱UFJに関しては、業績・株価・配当のすべてが順調です。
業績は、2024年3月期に過去最高の純利益(1兆4,907億円)を達成。今期(2025年3月期)は、これを上回る1兆7,500億円を見込んでいます。
株価は1,800円を超え、過去10年間で最高水準にあり、また配当金は60円の予定と4期連続での増配見込みです。
ただし、株価が高値圏にあるため「今からの購入にはリスクがある」点と「配当利回りが低下している」点が、気になります。
個人的にも注目銘柄なので、引き続き、三菱UFJ株をウォッチしていきます!
※投資判断は、自己責任でお願いします。
今回は以上です。