LINEヤフー(旧 Zホールディングス)の株価はなぜ安いのですか?
今後、株価が大化けする可能性を教えてください。
こういった質問に答えます。
こんにちは、ブロガー&投資家のフリーです。
今回は、LINEヤフー(旧 Zホールディングス)について、「やばい? 株価はなぜ安い?」「今後、株価は大化けする?」などを中心に解説します。
ポイントは下記のとおり。
- 株価が安い理由①:主力事業の成長が頭打ち
- 株価が安い理由②:発行済み株式数が多く、EPSが小さい
- 株価が安い理由③:度重なる個人情報の流出問題
- 今後の株価の見通しは、800円台が上限だと考える
- 大化けする可能性は、著しく低い
現在の株価(300円台)の2倍高を狙うのが現実的
※記事は2~3分で読み終わります。
LINEヤフーはどんな会社?
LINEヤフー(4689)は、国内最大級のテック・カンパニー。
2023年10月に、LINEとヤフーを中心としたグループ会社の再編を経て、誕生しました。
Eコマース(Yahoo!ショッピング)、メディア(Yahoo!、LINE)、金融・決済(PayPay)という3つの事業を展開しています。
また、ZOZO(3092)やアスクル(2678)などの上場企業も、LINEヤフーの子会社です。
売上高の45%を「Eコマース」、40%を「メディア」で稼いでおり、現在は、「金融・決済」事業の育成に注力しています。
また、2023年11月と2024年2月に、個人情報の流出問題が発生。
親会社である、ソフトバンク(9434)と韓国のネイバーが、再発防止策をどのような形で実施するのかに注目が集まっています。
項目 | 内容 |
---|---|
社名 | LINEヤフー |
証券コード | 4689 |
本社 | 東京都千代田区紀尾井町 |
設立 | 1996年1月 |
決算 | 3月31日 |
市場 | 東証プライム |
主な事業内容 | Eコマース、メディア、金融・決済 |
従業員数(連結) | 約28,000名(2023年3月期) |
売上高 | 1兆8,146億円(2024年3月期) |
配当利回り | 1.43%(2024年3月期) |
株価 | 371.1円(2024年5月27日終値) |
購入できる証券会社 | 松井証券、moomoo証券 など |
LINEヤフー株は、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。
松井証券の場合、1日の取引額が50万円以下であれば、手数料が無料です。ぜひ、この機会に口座を開設しておきましょう。
LINEヤフーの株価チャート
LINEヤフーの株価推移(過去5年分)は、下記のとおり。
※株価チャートは拡大できます。
LINEヤフーの株価は、ここ5年間で2回、300円を割り込み、安値を記録しています。
2019年8月の258円と、2020年3月の281円です。
個人情報の流出問題(1回目)が明らかになった、2023年11月に関しては、大きなダメージはなく、
僅かですが株価は上昇し、同年12月には 503.5円の高値をつけています。
2回目の流出問題の際(2024年2月)には、株価は大きく反応…。
500円台だった株価は、約3ヵ月の期間をかけてズルズルと下落し、2024年4月には337.5円まで下げました。
※2024年12月の503.5円から、約33%の下落。
一方で、LINEヤフーの株価は、2020年10月と2021年11月の2回、高値を記録しています。
2020年10月は 792円。2021年11月は 839.6円です。
※ですが、すぐにピークアウトし、株価は急落しています…。
なお、現在の株価は 300円台と低迷。今後の株価動向が、注目されています。
「情報流出で失った信頼の回復」、「PayPay事業の成長」が、株価上昇のキーポイントになると考えます。
【やばい?】LINEヤフー(旧 Zホールディングス)の株価はなぜ安い?
先程の株価チャートのとおり、LINEヤフーの株価は低迷しています。
そこで、ここでは「LINEヤフーの株価はなぜ安いのか?」について、考察してみたいと思います。
LINEヤフーの株価が安い理由は、下記の3点が考えられます。
- 理由①:主力事業の成長が頭打ち
- 理由②:発行済み株式数が多く、EPSが小さい
- 理由③:度重なる個人情報の流出問題
以下で解説します。
理由①:主力事業の成長が頭打ち
理由の1つ目は、主力事業の成長が頭打ちだからです。
LINEヤフーは、「Eコマース」、「メディア」、「金融・決済」の3つのセグメントで事業を行っています。
そのうち、売上高の85%を占める「Eコマース」と「メディア」事業の成長に陰りが見えています。
決算期 | Eコマース(売上) | メディア(売上) | 金融・決済(売上) |
---|---|---|---|
2022年3月 | 8,109億円 | 6,412億円 | 1,107億円 |
2023年3月 | 7,928億円 | 6,951億円 | 1,920億円 |
2024年3月 | 8,215億円 | 7,076億円 | 2,899億円 |
上記のとおり、
主力事業である「Eコマース」と「メディア」の2024年3月期の増収率は、それぞれ3.6%と1.8%の微増にとどまっています。
現在、育成中の「金融・決済(PayPay)」事業は急成長していますが、利益ベースで赤字が続いています(※)。
※2024年3月期に、調整後EBITDAベースでようやく黒字転換。
今後、「金融・決済」事業の増収がどこまで続くのか、安定的に利益を出せるのか については不透明なので、株価を押し上げる要因にはなっていません。
✓ 参考:LINEヤフー(全体)の業績推移
参考までに、LINEヤフーの業績推移(過去5期分)を載せておきます。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
2020年3月 | 1兆529億円 | 1,522億円 | 816億円 |
2021年3月 | 1兆2,058億円 | 1,621億円 | 701億円 |
2022年3月 | 1兆5,674億円 | 1,895億円 | 773億円 |
2023年3月 | 1兆6,723億円 | 3,145億円 | 1,788億円 |
2024年3月 | 1兆8,146億円 | 2,081億円 | 1,131億円 |
なお、最新の決算短信(2024年5月発表)では、2025年3月期の売上高は、1兆9,350億円と7%弱の増収を予想しています。
理由②:発行済み株式数が多く、EPSが小さい
理由の2つ目は、発行済み株式数が多く、EPS(1株利益)が小さいからです。
下記は、LINEヤフーと同業のEコマース2社(ZOZO、アスクル)の純利益、発行済み株式数、EPSを比較したものです。
※LINEヤフーとZOZOは、2023年3月期の数字。アスクルは、2023年5月期の数字。
純利益 | 発行済み株式数 | EPS | |
---|---|---|---|
LINEヤフー | 1,788億円 | 76.4億株 | 23.9円 |
ZOZO | 395億円 | 3億株 | 131.8円 |
アスクル | 97億円 | 0.9億株 | 100.4円 |
上記のとおり、LINEヤフーの純利益は、ZOZOの4.5倍、アスクルの18.5倍となっています。
ですが、発行済み株式数が76.4億株と多すぎるため、肝心のEPSが23.9円と一番小さくなっています。
ちなみに、LINEヤフーの株式数は、上場企業の中でも「トップ5」に入るくらいの規模…。
これでは、いくら純利益を稼いでもEPSが伸びず、株価も上昇しづらいです。
理由③:度重なる個人情報の流出問題
理由の3つ目は、度重なる個人情報の流出問題です。
2023年10月に発足した、LINEヤフーですが…、
その僅か1ヵ月後の2023年11月、LINEヤフーのサーバーが第三者から攻撃を受け、約44万件のLINEアプリの利用者情報などが流出しました。
さらに、その3ヵ月後の2024年2月には、旧 LINEの従業員情報が、約5.7万件流出。
新生・LINEヤフーの誕生後、半年も経たないうちに情報流出が連続したことで、株式市場からも大きな失望を買ってしまいました。
「9,600万人の利用者を抱えるLINEは、本当に大丈夫か?」、「PayPayとのID連携をこのまま進めてもいいのか?」という声も上がっています。
LINEヤフー(旧 Zホールディングス)の株価は今後、大化けする?
ここまで、「LINEヤフーの株価はなぜ安いのか?」を解説してきました。
私たち投資家にとって、最大の関心事は今後の株価動向です。
「LINEヤフーの株価はどうなるのか? 」「今後、大化けする可能性はあるのか?」
について、以下で考察します。
なお、この記事では「大化け」を「株価が10倍になること」と、定義します。
✓ LINEヤフーの過去10年の高値
まずは、LINEヤフーの株価(高値)の歴史を確認しておきます。
過去10年間の高値は、下記のとおり…。
年 | 高値 | 年 | 高値 |
---|---|---|---|
2015年 | 577円(8月) | 2020年 | 792円(10月) |
2016年 | 534円(6月) | 2021年 | 839.6円(11月) |
2017年 | 559円(3月) | 2022年 | 685.9円(1月) |
2018年 | 549円(1月) | 2023年 | 503.5円(12月) |
2019年 | 463円(12月) | 2024年 | 496.6円(1月) |
※2024年は5月27日までのもの。
上記のとおり、過去10年での最高値は、2021年11月に記録した 839.6円です。
500円台の高値が5回、400円台も2回あります。
✓ LINEヤフーの株価は今後、大化けする?
株価は下記の計算式で求められます。
EPS(1株利益)× PER(株価収益率)= 株価
LINEヤフーの2025年3月期の予想EPSは、14.3~15.3円(※)。
※2024年5月に発表された、決算短信より。調整後EPSという数字を使用。
LINEヤフーの過去10期分のPERは、最低が15.62倍、最高が52.59倍(LINEヤフー 有価証券報告書より)。
以上の2つの数字から、LINEヤフーの株価を計算すると下記になります。
14.3円~15.3円 × 15.62倍~52.59倍 = 223円~805円
あくまでも、計算上ですが、「223円~805円」という株価が算出されました。
ちなみに、現在のLINEヤフーの株価は 371.1円(2024年5月27日終値)です。
結論
- EPSとPERの計算より、株価は 800円台が上限だと判断。
- 株価が 大化けする(=10倍株になる)可能性は、著しく低い。
現在の株価が300円台なので、2倍くらいの値上がりを目標にするのが現実的…。
株価上昇のためには、EPSの向上が不可欠です。
積極的な自社株買い&金融・決済事業の収益力UPに期待します!
LINEヤフー(旧 Zホールディングス)に株主優待はある?
残念ながら、LINEヤフーに株主優待はありません。
2004年9月末で、株主優待は廃止となりました。
Q:株主優待制度はありますか?
A:2004年9月30日の株主の皆様を対象とした株主優待をもちまして、同制度を廃止いたしました。
引用元:LINEヤフー よくあるご質問、株主情報
今後も、LINEヤフー株をフォローしていきます。株主優待が復活したら、こちらのブログにて追記します!
LINEヤフー100株で配当金はいくらもらえる?
LINEヤフーの2024年3月期の配当金は、下記のとおり。
時期 | 配当金 |
---|---|
中間配当(2023年9月) | 0円 |
期末配当(2024年3月) | 5.56円 |
合 計 | 5.56円 |
上記のとおり、LINEヤフーの配当金は年に1回、期末に分配されます。
100株を保有している場合、556円の配当金を受け取ることができました。
※実際の手取り額は、444円(20.315%の所得税・住民税が引かれる)です。
なお、配当金の額は業績によって変化します。moomoo(ムームー)などの株アプリで、会社の動向を時々チェックしましょう!
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>>【moomoo】アプリの使い方とメリット、使ってみた感想を解説!
✓ LINEヤフーの配当推移
LINEヤフーの過去5期分の配当金、配当利回りなどは、下記のとおりです。
※配当利回り= 各期の配当金 ÷ 株価(期末)×100 で算出。
決算期 | 配当金 | 株価(期末) | 配当利回り | 配当性向 |
---|---|---|---|---|
2020年3月 | 8.86円 | 348円 | 2.55% | 52.5% |
2021年3月 | 5.56円 | 550.6円 | 1.01% | 39.7% |
2022年3月 | 5.81円 | 536.4円 | 1.08% | 57.0% |
2023年3月 | 5.56円 | 372.8円 | 1.49% | 23.3% |
2024年3月 | 5.56円 | 387.6円 | 1.43% | 36.8% |
LINEヤフーの配当利回り(過去5期分)は、1.01~2.55%。平均すると、1.51%です。
東証プライム全銘柄の平均利回りは、2.22%(2024年5月27日、日本経済新聞より)なので、平均よりも低いことがわかります。
LINEヤフーは株主優待がなく、配当利回りも低いので、「売却益狙い」で投資する銘柄…、ということになります。
LINEヤフー100株はいくらで買える?
LINEヤフーを100株購入する場合、計算式は下記になります。
株価 × 100株 + 手数料 = 購入資金
2024年5月27日のLINEヤフーの終値は、371.1円円なので、これで計算してみます。
ちなみに、私も利用している松井証券の場合、50万円までの取引なら、手数料は無料となっています。
371.1円 × 100株 + 0円= 37,110円
4万円あれば、LINEヤフーの株主になれます。
まとめ:今回のポイント
今回は、LINEヤフー(4689)について解説しました。
ポイントをおさらいすると、下記のとおり。
- 株価が安い理由①:主力事業の成長が頭打ち
- 株価が安い理由②:発行済み株式数が多く、EPSが小さい
- 株価が安い理由③:度重なる個人情報の流出問題
- 今後の株価の見通しは、800円台が上限だと考える
- 大化けする可能性は、著しく低い
現在の株価(300円台)の2倍高を狙うのが現実的
LINEやYahoo!、ZOZO、アスクルなどを通じて、私たちはほぼ毎日、LINEヤフーと接点を持ち、恩恵を受けています。
ですが、「便利なサービスを提供する会社」=「株を買うと儲かる会社」ではありません。
投資したい銘柄が見つかったら、まずは投資先の業績・株価・問題点などを、きちんと把握することが重要です。
スマホで確認できる、moomoo(ムームー)などの株アプリを利用して、投資先をチェックする習慣を身につけましょう。
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※投資判断は、自己責任でお願いします。
今回は以上です。