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【将来性ある?】さくらインターネットの株価はなぜ暴落した?今後の見通しは?

2024/11/13

お悩みさん

さくらインターネットの株価が暴落したのはなぜですか?
将来性や今後の見通しを教えてください。

こういった質問に答えます。

本記事の主な内容

  • さくらインターネットはどんな会社?
  • さくらインターネットの株価推移(株価チャート5年分)
  • さくらインターネットの株価はなぜ暴落した?
  • さくらインターネット100株はいくらで買える?
  • 【将来性ある?】さくらインターネットの今後の見通しは?

こんにちは、ブロガー&投資家のフリーです。

今回は、「さくらインターネットの株価はなぜ暴落した?」「将来性ある?さくらインターネットの今後の見通しは?」を中心に解説します。

ポイントは下記のとおり。

  • 株価暴落の理由①:生成AIやクラウド関連で株価が爆上がりした反動
  • 株価暴落の理由②:2025年3月期の第1四半期決算で純利益が大幅減
  • 今後の株価:今期の業績と生成AIブーム次第だが、「株価は再び、10,000円を目指す展開になる…」と考える
  • 将来性は?:GPUクラウドサービスやデータセンターなど、携わっている事業には将来性がある
  • 今期(2025年3月期)の予想配当金は、4円を予定
    100株保有の場合、配当金は400円

※記事は2分くらいで読み終わります。

さくらインターネットはどんな会社?

さくらインターネット(3778)は、独立系のデータセンター大手。

事業の中心をクラウドサービスに移行。国内の製造業や官公庁向けのサービスに実績があります。

最新の決算(2024年3月期)では、売上高は218億円とまだまだ小粒ですが、今後の成長性に期待が集まっています。

現在、生成AI向けのクラウド事業に注力。北海道の石狩エリアで、GPUクラウド向けにコンテナ型データセンターを構築中です。

※公募増資で188億円を調達。今後5年間で1,000億円を投資する予定。

参考:さくらネット、最大1000億円投資(日本経済新聞)

また、2023年11月にはガバメントクラウドにも選出。国策銘柄として、投資家からも注目されています。

ガバメントクラウドとは?

住民基本台帳や国民年金、戸籍などの情報を一元管理するためのIT基盤。
今までは、アマゾンやマイクロソフトなどの米国勢が強く、日本勢は選出されていなかった。

項目内容
社名さくらインターネット
証券コード3778
本社大阪市北区大深町
設立1999年8月
決算3月31日
市場東証プライム
主な事業内容クラウドサービス・データセンター・レンタルサーバー
従業員数(連結)約840名(2024年3月期)
売上高218億円(2024年3月期)
配当利回り0.06%(2024年3月期)
株価4,905円(2024年11月6日終値)
購入できる証券会社松井証券moomoo証券 など 

さくらインターネットは、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。

moomoo証券の場合、日本株の手数料が「無料」です。ぜひこの機会に口座を開設しておきましょう。

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※IDを取得すれば、無料ですぐに利用できます。

さくらインターネットの業績推移

さくらインターネットの過去5期分の業績は、下記のとおり。

決算期売上高営業利益純利益
2020年3月219億円9.4億円  1.6億円
2021年3月221億円13.7億円7.6億円
2022年3月200億円7.6億円2.8億円
2023年3月206億円10.9億円6.7億円
2024年3月218億円8.8億円6.5億円
引用元:さくらインターネット 決算短信

売上高はこの5年間、ほとんど変化がありません。200億円台で推移しています。

営業利益は、毎期、増益と減益を繰り返しており、不安定です。

純利益も同様の傾向…。安定しておらず、利益額も、最大7億円台と物足りなさを感じます。

生成AI関連で株価が爆上がりした、さくらインターネット…。実際の業績を見ると、期待先行型の銘柄であることがわかります。

フリー

さくらインターネットの株価推移(株価チャート5年分)

さくらインターネットの株価推移(過去5年分)は、下記のとおり。

※株価チャートは拡大できます。

さくらインターネット 株価チャート5年

2020年~2023年6月までの約3年半に渡り、株価は 400~800円台で推移しました。

株価に、変化が見え始めたのが、2023年の6月中旬くらいから…。終値で1,000円を超えるようになりました。

その後、同年11月あたりから、株価は急上昇。12月には2,353円を記録します。

2024年に入ると、株価は急騰します!

1月に4,000円、2月に7,000円を超え、3月には高値10,980円を付けました。

株価が動意づいてからわずか10ヵ月で、10倍株(テンバガー)を達成! 投資家の注目を集めました。

株価が急騰した理由

  • 2023年11月:日本企業で初めて、「ガバメントクラウド」の提供事業者として選出
  • 2024年1月:エヌビディアのGPUを使った生成AI向けクラウド・サービスを開始

参考:4カ月でテンバガー、さくらインターネットが描く勝ち筋(会社四季報オンライン)

その後は、期待先行で、実績を伴わない株価ブームが終了…。6月には半値以下の4,000円台、8月には3,000円を下回り、安値2,300円を記録します。

現在の株価は、やや回復傾向…。5,000円前後で推移しています。

さくらインターネットの株価はなぜ暴落した?

先述のとおり、さくらインターネットの株価は、2024年3月に10,980円の高値を記録。

ところが、その僅か5ヵ月後には2,300円まで株価は下落…。約80%もの暴落を演じました。

「さくらインターネットの株価は、なぜこんなにも値下がりしたのか?」

このパートでは「さくらインターネットの株価が暴落した理由」を考察してみたいと思います。

株価が暴落した理由としては、下記の2点が考えられます。

  • 理由①:生成AIやクラウド関連で株価が爆上がりした反動
  • 理由②:2025年3月期の第1四半期決算で純利益が大幅減

それぞれ解説します。

理由①:生成AIやクラウド関連で株価が爆上がりした反動

理由の1つ目は、生成AIやクラウド関連で株価が爆上がりした反動です。

さくらインターネットは、2023年11月には1,200円台だった株価が、4ヵ月後の2024年3月には10,980円と、約10倍に急騰しました。

株価急騰のおもな理由が、下記の2つ。

株価が急騰した理由

  • 2023年11月:日本企業で初めて、「ガバメントクラウド」の提供事業者として選出
  • 2024年1月:エヌビディアのGPUを使った生成AI向けクラウド・サービスを開始

ですが、上記はあくまでも株価材料であり、実際の業績に反映されるまでにはある程度の時間が必要です

今までに何度も繰り返された、株価ブームと同様、同社の株価も急落してしまいました。

参考:さくらネットはS安ウリ気配、急上昇の反動で売り膨らみ連日急落(株探)

理由②:2025年3月期の第1四半期決算で純利益が大幅減

理由の2つ目は、2025年3月期の第1四半期決算で、純利益が60%の大幅減になったことです。

決算期売上高営業利益純利益
2024年3月 第1四半期51.0億円1.0億円1.0億円
2025年3月 第1四半期59.3億円2.3億円0.4億円
引用元:さくらインターネット 決算短信

上記のとおり、売上高は、前期比16%増の59.3億円。営業利益は、前期比で2.3倍の2.3億円と好調でした。

ところが、純利益は前期比で60%もの減益となってしまいました。

※大幅減の要因は、新株発行に伴う株式交付費を計上したため。

この決算を嫌気した投資家が同社株を売却…。株価急落の要因となりました。

参考:さくらインターネット株が急反落 4~6月期の純利益が62%減(Quick Money World)

さくらインターネット100株はいくらで買える?

さくらインターネット100株を購入する場合、下記で計算できます。

株価 × 100株 + 手数料 = 購入資金

2024年11月6日のさくらインターネットの終値は 4,905円なので、これで計算してみます。

なお、moomoo証券の場合、日本株の手数料は「無料」となっています。

4,905円 × 100株 + 0円 = 490,500円

49万円くらいで購入可能です。

【将来性ある?】さくらインターネットの今後の見通しは?

さくらインターネットの今後の見通しはどうなるのか?

ここからは、「株価」と「将来性」に分けて解説していきます。

さくらインターネット、今後の株価の見通し

株価は、下記の計算式で求められます。

EPS(1株利益)× PER(株価収益率)= 株価

2025年3月期の予想EPSは、39.71円(さくらインターネット 決算短信より)。

過去5期分のPERは、最低が33.9倍、最高が311.1倍(さくらインターネット 有価証券報告書より)。

以上の2つの数字から、さくらインターネットの株価を計算すると下記になります。

39.71円 × 33.9倍~311.1倍= 1,346円~12,354円

あくまでも、計算上ですが、「1,346円~12,354円」という株価が算出されました。

現在の同社の株価は 4,905円(2024年11月6日終値)。過去5年間の高値は、10,980円(2024年3月)です。

今後の業績と生成AIブーム次第ですが、「株価は再び、10,000円を目指す展開になる…」と考えます。

ただし、上記株価の根拠は、PER 300倍という異常値です。
「生成AIブームに乗って、株価が上昇する」点に注意が必要です!

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参考までに、同社の過去5年分のPER(株価収益率)も載せておきます。

決算期PER
2020年3月106.2倍
2021年3月37.6倍
2022年3月75.5倍
2023年3月33.9倍
2024年3月311.1倍
引用元:さくらインターネット 有価証券報告書

個人的には、さくらインターネットには投資しません。
株価上昇の根拠が「期待」や「ブーム」だからです。

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さくらインターネットの将来性は?

株価に業績が追い付かず、高PERのさくらインターネット…。

個人的には、同社株へ投資する予定はありませんが、携わっている事業自体には魅力があり「さくらインターネットに将来性はある」と考えます。

さくらインターネットの事業は下記のとおり。生成AI時代を支えるインフラ企業です。

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さくらインターネットの事業内容

  • クラウドサービス
  • GPUクラウドサービス
  • データセンター
  • レンタルサーバ etc.

ここからは、2025年3月期 第2四半期の「決算説明資料」(2024年10月発表)を参考にしながら、同社の将来性を展望していきたいと思います。

ポイントは、下記の3点だと考えます。

  • ポイント①:生成AI向けGPUクラウドサービス
  • ポイント②:石狩データセンターへの投資
  • ポイント③:ガバメントクラウドへの取り組み

✓ ポイント①:生成AI向けGPUクラウドサービス

さくらインターネットのクラウドサービスは、単にサーバーやストレージなどのインフラを提供するだけではありません。

現在、注力しているのが生成AI向けGPUクラウドサービスです。

2024年1月に、大企業やAIベンチャー向けにクラウドサービスの提供を開始。

さらに、2024年6月には、AIアプリ開発者向けにもクラウドサービスの提供を開始しました。

今期(2025年3月期)は、GPUクラウドサービスだけで約50億円の売上を見込んでいます。

✓ ポイント②:石狩データセンターへの投資

GPUクラウドサービスの需要拡大に備えて、北海道の石狩エリアにてコンテナ型データセンターを構築中。

2025年3月期~2027年3月期まで、長期に渡り投資を行っていく計画です。

この費用を賄うために、公募増資で188億円を調達済みです。

なお、今後5年間での投資額は1,000億円を見込んでいます。

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✓ ポイント③:ガバメントクラウドへの取り組み

2023年11月、日本企業で初めて「ガバメントクラウド」の提供事業者として選出。

2025年度末の正式認定に向けて実績を作るとともに、エンジニア等の人材確保を行っています。

経済安全保障やデジタル赤字の解消の観点からも、さくらインターネットのようなクラウド事業者の育成は急務です。

生成AIやChatGptの利用が当たり前になりつつある現在、「国産」クラウド事業者の重要性は計り知れません。

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さくらインターネットは、「国策銘柄であり、企業の将来性も十分に期待できる」と言っていいでしょう。

さくらインターネットの配当実績(過去5期分)は、下記のとおり。

※配当利回り= 各期の配当金 ÷ 株価(期末)× 100 で算出

決算期配当金株価(3月末)配当利回り配当性向
2020年3月2.5円  466円0.54%57.0%  
2021年3月3円782円0.38%14.4%
2022年3月3円570円0.53%39.7%
2023年3月3.5円620円0.56%19.1%
2024年3月3.5円5,680円    0.06%   19.2%
引用元:IR BANK、さくらインターネットの決算資料

過去5期分の配当利回りは、0.06~0.56%。平均すると0.41%です。

東証プライム全銘柄の配当利回りは、2.31%(2024年11月6日、日本経済新聞より)なので、平均よりもかなり低いことがわかります。

2024年3月期は株価急騰により、配当利回りは0.06%と絶望的な低さとなりました。

フリー

✓ さくらインターネット、今後の配当の見通し

2025年3月期の予想配当金は、4円を予定。

配当金の原資である純利益が10億円台と小さくデータセンターなどの設備投資に莫大なお金が必要なので、今後も配当金には期待できません。

参考までに、同社の配当方針を載せておきます。

  • 株式価値の向上と安定配当の継続を両立させたいと考えている
  • 中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としている
引用元:さくらインターネット 株式情報・株主還元

なお、さくらインターネットの配当は、現在までのところ、期末配当の年1回のみ中間配当は実施されていません

さくらインターネットに関してよくある質問

さくらインターネットに関して、よくある質問をまとめてみました。

  • 質問①:さくらインターネットの時価総額を教えて!
  • 質問②:国策に売りなし?さくらインターネットと政府の関係は?

以下で回答します。

質問①:さくらインターネットの時価総額を教えて!

さくらインターネットの2024年11月6日の終値は、4,905円。時価総額は、約2,050億円です。

発行済み株式数は、4,189万株になります。

ちなみに、都市型データセンターを運営するブロードバンドタワー(3776)の時価総額が約110億円。

クラウドサービスを行うGMOグローバルサイン・HD(3788)の時価総額が約340億円です。

さくらインターネットへの期待値の大きさが、よくわかります。

質問②:国策に売りなし?さくらインターネットと政府の関係は?

国策銘柄と言うと、「防衛」関連の三菱重工業(7011)や「エネルギー」関連のINPEX(1605)が思い浮かびますが、

「AI・半導体」関連のさくらインターネットも国策銘柄と考えてよいでしょう。

国策銘柄としての期待感があるので、同業他社(ブロードバンド など)よりも「時価総額が異常に大きい」わけです。

フリー

さくらインターネットと政府の具体的な関係は、

2023年11月に日本企業で初めて、「ガバメントクラウド」の提供事業者として選出された点です。

ガバメントクラウドとは?

住民基本台帳や国民年金、戸籍などの情報を一元管理するためのIT基盤。中央省庁や地方自治体が、行政システムをクラウドサービスとして共同利用できるようになる。

今までは、アマゾンやマイクロソフトなど、米国勢のクラウド事業者のみに認められていたことなので、画期的な出来事でした。

2025年度末の正式認定に向けて実績を作ると同時に、エンジニアの人材確保&育成を精力的に行っています。

まとめ:今回のポイント

今回は、さくらインターネット(3778)について解説しました。

ポイントをおさらいすると、下記のとおり。

  • 株価暴落の理由①:生成AIやクラウド関連で株価が爆上がりした反動
  • 株価暴落の理由②:2025年3月期の第1四半期決算で純利益が大幅減
  • 今後の株価:今期の業績と生成AIブーム次第だが、「株価は再び、10,000円を目指す展開になる…」と考える
  • 将来性は?:GPUクラウドサービスやデータセンターなど、携わっている事業には将来性がある
  • 今期(2025年3月期)の予想配当金は、4円を予定
    100株保有の場合、配当金は400円

さくらインターネットは、ガバメントクラウドデータセンターなど、生成AI時代における重要な事業を担っているインフラ企業です。

株価は期待先行で割高な感じがしますが、行っている事業にはものすごく将来性を感じています。

今後も同社株をウォッチし続けていきますので、何か新しい変化が出てきたら、こちらのブログに追記していきます。

なお、同社株に興味のある方は、スマホで手軽に確認できる、moomoo(ムームー)などの株アプリを利用して、「株価」と「業績」を定期的にチェックすることをオススメします。

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>>【moomoo】アプリの使い方とメリット、使ってみた感想を解説!

国策銘柄に興味のある方は、こちらの記事もご覧ください。

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※投資判断は、自己責任でお願いします。

今回は以上です。

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