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【NTT株】買うべきか?1株いくら?株価下落の理由と将来性を解説

2023/11/28

お悩みさん

NTTの株価下落の理由は何ですか? NTT株を今、買うべきですか? NTTの将来性と一緒に教えてください。

こういった質問に答えます。

本記事の主な内容

  • NTTはどんな会社
  • NTTの株価が下落した理由は? 
  • NTT株は買い時か?100株でいくら必要?
  • NTTの将来性は?
  • NTTの株価&配当は今後どうなる? 

こんにちは、ブロガー&投資家のフリーです。

今回は、「NTT株を買うべきか?」「NTTの株価が下落した理由は?」「NTTの将来性は?」「NTT株の株価・配当金は今後どうなる?」を中心に解説します。

ポイントは下記のとおり。

  • NTTは現在、1株146円(2024年6月20日終値)。まだ下値を模索中で、いまは「様子見」を推奨
  • NTTの株価が下落した理由は、
    ① 2025年3月期の減益見通し、② 信用買い残の急増、③ 完全民営化構想の浮上 の3点
  • NTTは「将来性のある」銘柄
    子会社のNTTデータの成長性、次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」の動向に注目
  • NTTの株価は、今期の減益見通しなどが原因で、下落基調
    底値を固めた後は、「140円~155円」の範囲で推移すると予想
  • NTTの今期(2025年3月期)の配当金は5.2円を予定。14期連続で増配の見通し

※記事は2~3分で読み終わります。

NTTはどんな会社?

NTT(9432)は、NTTグループの持株会社。傘下には、NTTドコモ・NTT東日本・NTT西日本・NTTデータなどの子会社があります。

2020年12月に完全子会社化した、NTTドコモがグループの稼ぎ頭で、売上高の46%、営業利益の60%を稼いでいます(2024年3月期)。

2024年3月期の売上高は13.3兆円で、国内最大の通信会社。ライバルのKDDI(売上高:5.7兆円)、ソフトバンク(売上高:6兆円)を大きくリードしています。

2023年7月に1株を25株にする株式分割を実施。それまで1株3,000~4,000円台だった株価が、1株140円台で購入できるようになりました。

※現在、14,600円(146円 × 100株)くらいでNTTの株主になれます。

項目内容
社名日本電信電話
証券コード9432
本社東京都千代田区大手町
設立1985年4月
決算3月31日
市場東証プライム
主な事業内容携帯電話、固定電話、データセンター など
従業員数(連結)約338,000名(2024年3月期)
売上高13兆3,745億円(2024年3月期)
配当利回り2.84%(2024年3月期)
株価146円(2024年6月20日終値)
購入できる証券会社松井証券moomoo証券 など

NTT株は、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。

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NTTの株価推移:「今買えばいい」は本当?

NTTの株価推移(過去5年分)は、下記のとおり。

※株価チャートは拡大できます。
※株価チャートは、2023年7月の株式分割(1株 → 25株)を考慮したもの。

NTT 株価チャート5年

2019年、株価は100円を下回った状態でしたが、年末にかけて徐々に上昇。12月には114.1円をつけました。

国内外で新型コロナの緊急事態が宣言された2020年は、NTTの株価も軟調な展開に…。

10月には安値85.1円を記録しました。

2020年11月から株価は上昇局面へ転換。以後、右肩上がりで推移します。

2021年に132.5円(11月)をつけ、2022年には165.1円(10月)と上昇し、好調をキープ。

2023年7月の株式分割後も、株価は順調に推移。2023年9月には183.4円。2024年1月には192.9円を記録します。

ところが、その後、株価は下落局面へ突入します。

4月頃から徐々に下げ始め、5月に入ると下げを加速。6月には150円を割り込み、144円の安値をつけました。

※2025年3月期の減益見通しや、信用買い残の増加が株価下落の一因です。

2024年6月現在、NTT株は140円台で推移しています。

NTTの株価推移を見ると、120円~130円台まで下落する可能性も考えられます。
今は「様子見」がおすすめ。

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NTTの株価が下落した理由は?  

2023年7月に株式の25分割が実施されたNTTですが、株価はその後も順調に推移。

2023年9月に183.4円、2024年1月には192.9円の高値をつけました。

ところが、その後、株価は下落基調へと転換。現在140円台となっています。

なぜ、NTTの株価は下落したのでしょうか? その理由を以下で考察してみます。

  • 理由①:今期の減益見通し
  • 理由②:信用買い残の急増
  • 理由③:完全民営化構想の浮上

それぞれ解説します。

理由①:今期の減益見通し

理由の1つ目は、今期(2025年3月期)の減益見通しが発表されたからです。

NTTが発表した、2025年3月期の業績予想は下記のとおり。

※比較のため、上段に2024年3月期の業績、下段に2025年3月期の業績予想を記載。

決算期売上高営業利益純利益
2024年3月13兆3,745億円1兆9,229億円1兆2,795億円
2025年3月13兆,4600億円1兆8,100億円1兆1,000億円
引用元:日本電信電話 決算短信

2025年3月期の売上高は、0.6%ほどではありますが、増収見通し。

一方で、営業利益は6%、純利益は14%とかなりの減益見通しとなっています。

固定電話などの契約が減り、地域通信事業が低迷していることが根本的な要因です。

なお、NTTにとって負担の大きい固定電話事業は、NTT法による縛りがあるため、大胆な構造改革ができない点が同社のマイナス材料となっています。

✓ 参考:NTTの業績推移(過去5期分)

NTTの過去5期分の業績は、下記のとおりです。

決算期売上高営業利益純利益
2020年3月11兆8,994億円 1兆5,621億円 8,553億円
2021年3月11兆9,439億円1兆6,713億円9,161億円
2022年3月12兆1,564億円 1兆7,685億円 1兆1,810億円
2023年3月13兆1,361億円1兆8,289億円1兆2,131億円
2024年3月13兆3,745億円1兆9,229億円1兆2,795億円
引用元:日本電信電話、決算資料

売上高はここ5年間、増収を確保してきました。

2022年3月期には、12兆円を突破。2023年3月期には、13兆円台を達成と順調に推移。

2024年3月期の売上高は、13.3兆円となり、過去最高を更新しました。

また、営業利益と純利益も順調に伸びています。

2024年3月期の営業利益・純利益も、売上高と同様に過去最高を更新しています。

前期(2024年3月期)までの業績が良かっただけに、
今期(2025年3月期)の減益見通しが株安の要因となりました。

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理由②:信用買い残の急増

理由の2つ目は、信用買い残の急増です。

信用買い残とは?

信用取引を利用して買われた株式のなかで、まだ決済が終わっていない株式の残高(株数)のこと。

信用買い残が多いと、将来、株価が底入れした時に「売り圧力」となり、株価上昇の妨げになることが懸念されます。

2024年1月時点で、1億株未満だった信用買い残は、6月には3億株を突破、3倍以上に増えています。

また、信用買い残を売り残で割った「信用倍率」も約19倍と高水準で、「株価上昇局面では、売りが出やすい」と警戒感が強まっています。

信用倍率が高くなればなるほど、将来の「売り」が増加。
その結果、株価の上値が重くなってしまいます…。

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参考:現物株しか買わない人でも「信用残」をマークすべき理由(会社四季報オンライン)

理由③:完全民営化構想の浮上

理由の3つ目は、完全民営化構想が浮上したからです。

現在、NTT株は財務大臣(日本政府)が筆頭株主で、33.3%を保有しています。

ところが、2023年7月、政府の要人(萩生田氏)が「NTT株の売却」に言及。NTT株の放出による需給悪化を懸念し、株価は下落しました。

政府がNTT株を売却する理由は、防衛費増額を賄う財源を確保したいため。

※政府が保有するNTT株をすべて売却すれば、約5兆円の財源を確保できます。

今後も、NTT法の改正を含め、NTT株の売却時期、売却方法などが注目材料になりそうです。

完全民営化の問題は、今回(2024年)の株安には直接的な関係はありません。ですが、今後も潜在的なマイナス材料として要注目です。

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NTT株を買うべきか?1株いくら?

NTTの株価は現在、1株あたり146円です(2024年6月20日終値)。                              

現在の株価水準が高いのか?、低いのか?
先程は、株価チャートを紹介しましたが、

このパートでは、NTTの過去10年分の株価(高値・安値)を材料に、「今、NTT株を買うべきか?」を考察してみます。

✓ 参考:NTTの過去10年分の株価(高値・安値)

NTTの過去10年分の株価(高値・安値)は、下記のとおり。

※2023年7月に実施された株式分割(1株 → 25株)を考慮して作成。
※2024年は6月20日までの数字。

高値(月)安値(月)
2015年101.3円(8月)60.2円(1月)
2016年108.4円(2月)83.1円(11月)
2017年118.1円(11月)93.4円(4月)
2018年109円(1月)81円(11月)
2019年114.1円(12月)88.2円(1月)
2020年116.3円(2月)85.1円(10月)
2021年132.5円(11月)104.5円(1月)
2022年165.1円(10月)126円(1月)
2023年183.4円(9月)147.8円(1月)
2024年192.9円(1月)144円(6月)

現在、ネットやSNS上では、「NTT株、150円割れ!」「NTT株はどうなる?大丈夫か?」などと話題になっています。

ですが、現在の株価(140円台)は、そこまで大騒ぎするほどの安値圏ではなく、今後の信用取引の動向や業績次第では、「株価120円~130円台」へと、さらなる下落の可能性も考えられます。

「今、NTT株を買うべきか?」、私の結論は下記のとおり。

結論

  • 今は「様子見」を推奨
  • 株価が底を打ち、落ち着いてから購入したい
  • 株価130円~135円での購入が理想
    予想配当利回り3.8%~4%を狙える

「落ちてくるナイフはつかむな」という相場格言があります。株価が下落している最中での投資は「危険」です。

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NTT株は買い時か?100株でいくら必要?

NTT100株を購入する場合、下記で計算できます。

株価 × 100株 + 手数料 = 購入資金

2024年6月20日のNTTの終値は、146円なので、これで計算してみます。

なお、私も利用している松井証券の場合、50万円までの取引なら、手数料は無料となっています。

146円 × 100株 + 0円= 14,600円

およそ1.5万円で購入可能です。株式分割前までは、30~40万円くらい必要だったので、本当に買いやすくなりました!

ですが、NTTの株価は現時点で「底を打った」とは言えません。NTT株の買い時はもう少し先になりそうです。

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NTT株に関してよくある質問

NTT株に関して、よくある質問をまとめてみました。

  • 質問①:NTT株は売却すべき?NTT法の廃止と株価の関係は?
  • 質問②:株価5,000円前後だったNTT株、なぜ今、100円台なのですか?
  • 質問③:NTT株の将来性は?長期保有向きですか?

以下で回答します。

質問①:NTT株は売却すべき?NTT法の廃止と株価の関係は?

2024年4月、NTT法が廃止ではなく、「改正」されました。

これにより、研究成果の開示義務などが撤廃。NTTの国際競争力を高める第一歩になったと報道されています。

参考:改正NTT法が成立、研究成果の開示義務を撤廃(日本経済新聞社)

NTT法とは?

1985年、電電公社がNTTとして民営化。これに伴い、NTT法(日本電信電話株式会社法)が成立。
NTT法は、「固定電話の普及」を前提とするなど、今の時代に合わない内容が問題視されている。

今後は、NTT法の「廃止」がいつ、どのような形で実施されるのかが注目されます。

結論

  • 時代に合わないNTT法が「廃止」され、NTTに対する様々な規制が撤廃されれば、NTT株にはプラス材料
  • NTT株にとってのマイナス材料は、NTTの完全民営化構想
    33.3%を保有する財務大臣が株式を売却すれば、株安の要因となる

質問②:株価5,000円前後だったNTT株、なぜ今、100円台なのですか?

2023年7月に、1株を25株にする株式分割が実施されたからです。

株式分割「前」、1株4,000~5,000円くらいで推移していたので、100株購入するのに40~50万円必要でした。

株式分割「後」の現在、1株140円台です。100株購入で1.4~1.5万円。1,000株の場合でも、14~15万円で購入可能となりました。

NTTとしては、購入資金を少なくすることで、「株主の若返り」を狙ったようです。

参考:NTT株25分割、狙いは株主若返り(日本経済新聞)

NTTに悪材料が出て、株価が大暴落した訳ではありません。その点は安心してください。

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質問③:NTT株の将来性は?長期保有向きですか?

NTT株には、将来性があり、長期保有向きの銘柄であると考えます。

その理由は、下記のとおり。

NTT株に将来性がある理由

  • 安定した企業業績
  • 13期連続の増配実績
  • データセンターで稼ぐ、子会社 NTTデータ(9613)の存在
  • 光技術を使った、次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」
    生成AI時代のインフラとして期待

ただし、「固定電話事業の低迷」「完全民営化構想の行方」などの懸念材料もあるので、ポートフォリオを構成する1銘柄として保有するのが賢明です。

NTT株は今後どうなる?

NTT株は今後どうなるのか?

株価と配当金について、以下でそれぞれ考察してみます。

NTT株、今後の株価はどうなる?

株価は、下記の計算式で決まります。

EPS(1株利益)× PER(株価収益率)= 株価

2025年3月期のNTTの予想EPSは、13円(日本電信電話 決算短信より)。

NTTの過去5期分のPERは、最低が10.8倍、最高が11.9倍(日本電信電話 有価証券報告書より)。

この2つの数字から、NTTの株価を計算すると下記になります。

13円 × 10.8倍~11.9倍 = 140円~155円

あくまでも、計算上ですが、「140円~155円」という株価が算出されました。

また、過去5年分の株価チャートを見ると、株価は2024年1月の高値(192.9円)で天井を打ち、現在、下値を模索中の段階だと考えられます。

※株価チャートは拡大できます。

NTT 株価チャート5年

ちなみに、現在のNTTの株価は146円(2024年6月20日終値)。

NTTの株価は、まだ下落する可能性があります。
信用取引の状況や今後の業績次第では、株価120~130円台をつけることも考えられます。

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参考までに、NTTの過去5年分の安値を載せておきます。

✓ 参考:NTTの過去5年分の安値

安値(月)
2020年85.1円(10月)
2021年104.5円(1月)
2022年126円(1月)
2023年147.8円(1月)
2024年144円(6月)

NTT株、今後の配当金はどうなる?

NTTの配当実績(過去10期分)と、2025年3月期の予想配当金は下記のとおり。

※2023年7月に実施された株式分割(1株 → 25株)を考慮して作成。
※配当利回り= 各期の配当金 ÷ 株価(期末)× 100 で算出。

決算期配当金株価(期末)配当利回り
2015年3月1.8円73.97円2.43%
2016年3月2.2円96.96円2.27%
2017年3月2.4円95.04円2.53%
2018年3月3円98円3.06%
2019年3月3.6円94.06円3.83%
2020年3月3.8円103.02円3.69%
2021年3月4.2円113.68円3.69%
2022年3月4.6円141.8円3.24%
2023年3月4.8円158.48円3.03%
2024年3月5.1円179.8円2.84%
2025年3月(予想)5.2円
引用元:IR BANK、日本電信電話 決算資料

NTTの配当金は、毎期確実に増加しています。

2015年3月期に1.8円だった配当金は、4年後の2019年3月期には3.6円2倍に。

10年後の2025年3月期の配当金(予想)は5.2円なので、1.8円から約2.9倍になる見込みです。

※2025年3月期に5.2円の配当が実施されれば、14期連続の増配となります。

また、NTTの過去10期分の配当利回りは、2.27~3.83%。平均すると、3.06%です。

東証プライム全銘柄の配当利回りは、2.25%(2024年6月20日現在:日本経済新聞より)なので、平均よりも高めであることがわかります。

最後に、NTTの株主還元に関する方針を載せておきます。

継続的な増配および機動的な自己株式取得の実施を基本的な考え方とする

引用元:NTT  株主還元に関する基本方針

他の上場企業のような具体的な数値目標はありませんが、13期間連続の増配(実績)は魅力的です。

景気敏感株のように業績が大きく上下することもないので、投資先の1つとして考えてもいいのでは?…と、個人的には考えます。

まとめ:今回のポイント

今回は、NTT(9432)について解説しました。

ポイントをおさらいすると、下記のとおり。

  • NTTは現在、1株146円(2024年6月20日終値)。まだ下値を模索中で、いまは「様子見」を推奨
  • NTTの株価が下落した理由は、
    ① 2025年3月期の減益見通し、② 信用買い残の急増、③ 完全民営化構想の浮上 の3点
  • NTTは「将来性のある」銘柄
    子会社のNTTデータの成長性、次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」の動向に注目
  • NTTの株価は、今期の減益見通しなどが原因で、下落基調
    底値を固めた後は、「140円~155円」の範囲で推移すると予想
  • NTTの今期(2025年3月期)の配当金は5.2円を予定。14期連続で増配の見通し

NTT株に興味のある方は、moomoo(ムームー)などの株アプリを利用して、会社の動向&業績をこまめにチェックすることをオススメします。

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※投資判断は自己責任でお願いします。

今回は以上です。

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