デンソーの株価はなぜ安いのですか? 株価や配当の見通しと一緒に教えてください。
こういった質問に答えます。
こんにちは、ブロガー&投資家のフリーです。
今回は、「デンソーの株価はなぜ安い?」「デンソーの株価&配当、今後の見通しは?」を中心に解説します。
ポイントは下記のとおり。
- 株価が安い理由①:トヨタグループで広がる品質不正問題
- 株価が安い理由②:今期(2025年3月期)業績予想の下方修正
- 今後の業績次第だが、「株価は 2,700円台を目指す展開になる…」と考える
- 2025年3月期の予想配当金は、64円
予定通りに実施されれば、4期連続で増配の見込み
※記事は2分くらいで読み終わります。
デンソーはどんな会社?
デンソー(6902)は、国内No.1の自動車部品メーカー。
トヨタ自動車を頂点とする強固なグループを形成。アイシンやトヨタ紡織などとともに、トヨタグループを支える中核企業です。
また、技術力に定評があり、電装品全般・熱機器・エンジン・駆動系など、広範囲に製品を手掛けています。
2024年3月期の売上高は約7兆円で、60%を海外で稼ぐグローバル企業でもあります。
2020年4月には、トヨタ自動車と合弁で「MIRISE Technologies(ミライズ テクノロジーズ)」を設立。次世代の車載半導体の研究・開発に乗り出しています。
参考:デンソーとトヨタ、合弁会社の名称を「MIRISE Technologies」に決定(日本経済新聞)
項目 | 内容 |
---|---|
社名 | デンソー |
証券コード | 6902 |
本社 | 愛知県刈谷市 |
設立 | 1949年12月 |
決算 | 3月31日 |
市場 | 東証プライム、名古屋プレミア |
事業内容 | 自動車部品の製造・販売 |
従業員数(連結) | 約162,000名(2024年3月期) |
売上高 | 7兆1,447億円(2024年3月期) |
配当利回り | 1.91%(2024年3月期) |
株価 | 2,156円(2024年11月1日終値) |
購入できる証券会社 | 松井証券、moomoo証券 など |
デンソー株は、ネット証券で購入するのが便利で、手数料もお得です。
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デンソーの業績推移
デンソーの過去5期分の業績は、下記のとおり。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
2020年3月 | 5兆1,534億円 | 610億円 | 680億円 |
2021年3月 | 4兆9,367億円 | 1,551億円 | 1,250億円 |
2022年3月 | 5兆5,155億円 | 3,411億円 | 2,639億円 |
2023年3月 | 6兆4,013億円 | 4,260億円 | 3,146億円 |
2024年3月 | 7兆1,447億円 | 3,805億円 | 3,127億円 |
2021年3月期の売上高はコロナ禍で苦戦…。4期ぶりに5兆円を下回り、減収となりました。
※売上高が5兆円を下回るのは、2017年3月期以来です。
2022年3月期以降は、売上高が順調に回復。
2022年に5.5兆円。2023年に6.4兆円を達成し、過去最高を記録。さらに、2024年には7兆円を超え、過去最高を更新しました。
営業利益と純利益は、2020年に底を打ち、その後は順調に回復。2021年~2023年3月期まで、3期連続で増益を達成しました。
ただし、2024年3月期については、営業利益・純利益ともに減益となり、不安材料となっています。
デンソーの株価チャート(株価推移5年分)
デンソーの株価推移(過去5年分)は、下記のとおり。
※株価チャートは拡大できます。
デンソーの株価は、コロナ禍の2020年3月、安値755.3円を記録しました。
その後、コロナを乗り越え、業績と株価が回復。2022年1月には、高値2,546.3円を付けました。
ところが、そこから株価は1年半に渡って、停滞気味に…。
2023年春頃から、ようやく上向きになります。同年9月に2,613.8円を付け、高値を更新しました。
2024年に入ってからも、株価は上昇傾向…。同年4月には最高値2,993.5円を記録します。
ですが、現在の株価は、最高値から30%ほど下落。2,100円前後で推移しています。
【やばい?】株式分割後のデンソーの株価はなぜ安い?
先述のとおり、デンソーの株価は2024年4月の最高値(2,993.5円)から30%ほど下落しています。
そこで、ここでは「デンソーの株価は、なぜ安くなったのか?」を考察してみたいと思います。
株価が安くなった理由は、下記の2点が考えられます。
- 理由①:トヨタグループで広がる品質不正問題
- 理由②:今期(2025年3月期)業績予想の下方修正
以下で解説します。
理由①:トヨタグループで広がる品質不正問題
理由の1つ目は、トヨタグループで広がる品質不正問題です。
※先述のとおり、デンソーはトヨタグループの中核企業です。
グループ会社で発覚した不正行為は、下記のとおり。
- 2022年3月:日野自動車、排出ガス・燃費の試験不正
- 2023年12月:ダイハツ工業、衝突試験で不正
- 2024年1月:豊田自動織機、エンジンの出力試験で不正
- 2024年6月:トヨタ自動車、型式指定申請で不正
2024年1月の豊田自動織機の件で、「品質不正問題は終結したか…」と思われましたが、6月にトヨタグループのトップ(トヨタ自動車)で型式指定の不正行為が発覚…。
終着点が見えない品質不正問題に、投資家の間にも不安や不信感が広がりました。
※なお、デンソー自体も2020年3月に欠陥燃料ポンプの問題が発生。400万台超のリコールを抱えています。
このような状況下から、デンソーの株価は安くなったと考えられます。
理由②:今期(2025年3月期)業績予想の下方修正
理由の2つ目は、今期(2025年3月期)業績予想の下方修正です。
2024年10月末、デンソーは 2025年3月期の中間決算と、2025年3月期通期の業績予想を発表。
特に注目されたのが、2025年3月期通期の業績予想…。売上高・営業利益・純利益のすべてで、「下方修正」となりました。
✓ 2025年3月期、通期の業績予想(従来予想)
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
2025年3月(従来) | 7兆3,300億円 | 6,920億円 | 5,250億円 |
✓ 2025年3月期、通期の業績予想(最新予想)
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
2025年3月(最新) | 7兆200億円 | 5,500億円 | 4,370億円 |
上記のとおり、売上高は3,000億円の減収予想。営業利益は1,400億円、純利益は約900億円の減益予想と、一転して弱気な見通しとなりました。
品質不正問題による減産の影響や、経済不振が続く中国市場での苦戦が理由のようです。
参考:デンソー、通期の純利益予想を下方修正 5250億円から4370億円に(日本経済新聞)
このような業績悪化を先取りして、デンソーの株価は安くなった…と思われます。
デンソーに株主優待はある?
残念ながら、デンソーに株主優待はありません。
念のため、デンソーの公式サイトやIRページを確認しましたが、株主優待についての記載はありませんでした。
今後も、デンソー株をフォローしていきます。株主優待が開始されたら、このブログに追記します!
デンソーの配当利回りは何%?
デンソーの配当利回り(過去10期分)をまとめてみました。
※配当利回り= 配当金 ÷ 株価(期末)×100で算出
※2023年10月の株式分割(1株 → 4株)を考慮して作成
決算期 | 配当利回り | 配当金 | 株価(3月末) |
---|---|---|---|
2015年3月 | 2.01% | 27.5円 | 1,370.8円 |
2016年3月 | 2.65% | 30円 | 1,131円 |
2017年3月 | 2.45% | 30円 | 1,224.3円 |
2018年3月 | 2.23% | 32.5円 | 1,455円 |
2019年3月 | 3.24% | 35円 | 1,079.3円 |
2020年3月 | 4.01% | 35円 | 872.8円 |
2021年3月 | 1.91% | 35円 | 1,836.8円 |
2022年3月 | 2.10% | 41.3円 | 1,965円 |
2023年3月 | 2.49% | 46.3円 | 1,860.8円 |
2024年3月 | 1.91% | 55円 | 2,883円 |
2025年3月(予想) | - | 64円 | - |
デンソーは現在、3期連続の増配中。2025年3月期に64円の配当が実施されれば、4期連続となります。
なお、過去10期分の配当利回りは、1.91~4.01%。平均すると、2.50%です。
東証プライム全銘柄の配当利回りは、2.36%(2024年11月1日、日本経済新聞より)なので、平均と同程度になります。
参考までに、デンソーの配当方針を載せておきます。
引用元:デンソー 剰余金の配当に関するお知らせ
- DOEを株主還元指標として採用
- 配当金額・連結業績等を勘案しながら、DOE3.0%からの継続的上昇を方針として、長期安定的な配当を実施していく
2022年3月期から、より積極的に配当を行っています。
デンソー100株で配当金はいくらもらえる?
デンソーの2025年3月期の予想配当金は、下記のとおり。
時期 | 配当金 |
---|---|
中間配当(2024年9月) | 32円 |
期末配当(2025年3月) | 32円 |
合 計 | 64円 |
中間配当の32円は実施済み。期末配当も、同額の32円を予定。合計で64円の配当金が分配される見込みです。
100株を保有している場合、6,400円の配当金を受け取れる計算になります。
※実際の手取り額は、5,100円(20.315%の所得税等が引かれる)です。
なお、配当金の額は業績によって変化します。moomoo(ムームー)などの株アプリで、会社の動向を時々チェックしましょう!
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>>【moomoo】アプリの使い方とメリット、使ってみた感想を解説!
デンソー100株はいくらで買える?
デンソーを100株購入する場合、計算式は下記になります。
株価 × 100株 + 手数料 = 購入資金
2024年11月1日のデンソーの終値は、2,156円なので、これで計算してみます。
ちなみに、私も利用しているmoomoo証券の場合、日本株の手数料は「無料」となっています。
2,156円 × 100株 + 0円= 215,600円
22万円くらいで、デンソーの株主になれます。
デンソーの株価、今後の見通しは?
✓ デンソー、過去5年分の株価(高値・安値)
デンソーの過去5年分の株価(高値・安値)を一覧表にしてみました。
※2023年10月の株式分割(1株 → 4株)を考慮して作成
※2024年は11月1日までの数字
年 | 高値 | 安値 |
---|---|---|
2020年 | 1,554.8円(12月) | 755.3円(3月) |
2021年 | 2,393.8円(12月) | 1,425円(1月) |
2022年 | 2,546.3円(1月) | 1,621.5円(12月) |
2023年 | 2,613.8円(9月) | 1,597.3円(1月) |
2024年 | 2,993.5円(4月) | 1,864円(8月) |
デンソーの過去5年間の高値は 2,993.5円(2024年4月)、安値は 755.3円(2020年3月)。
なお、現在の株価は 2,156円(2024年11月1日終値)となっています。
✓ デンソーの株価、今後の見通しは?
株価は、下記の計算式で求められます。
EPS(1株利益)× PER(株価収益率)= 株価
2025年3月期の予想EPSは、152.49円(デンソー 決算短信より)。
※従来の予想EPS(180.36円)から30円ほど下方修正されました。
2025年3月期の業績予想では、配当金だけでなく、売上高や純利益なども従来予想から下方修正されました。
過去5期分のPERは、最低が17.89倍、最高が27.47倍(デンソー 有価証券報告書より)。
※コロナ禍のPERは、高めなので除外。
以上の2つの数字から、デンソーの株価を計算すると下記になります。
152.49円 × 17.89倍~27.47倍= 2,728円~4,189円
あくまでも、計算上ですが、「2,728円~4,189円」という株価が算出されました。
先述のとおり、 デンソーの過去5年来の高値は 2,993.5円(2024年4月)。現在の株価は 2,156円(2024年11月1日終値)です。
今後の業績次第ではありますが、「株価は 2,700円台を目指す展開になる…」と考えます。
デンソーの配当、今後の見通しは?
✓ デンソーの配当実績(過去5期分)
デンソーの配当実績(過去5期分)は、下記のとおり。
※2023年10月の株式分割(1株 → 4株)を考慮して作成
※配当利回り= 各期の配当金 ÷ 株価(期末)× 100 で算出
決算期 | 配当金 | 株価(3月末) | 配当利回り | DOE |
---|---|---|---|---|
2020年3月 | 35円 | 872.8円 | 4.01% | 3.1% |
2021年3月 | 35円 | 1,836.8円 | 1.91% | 3.0% |
2022年3月 | 41.3円 | 1,965円 | 2.10% | 3.1% |
2023年3月 | 46.3円 | 1,860.8円 | 2.49% | 3.2% |
2024年3月 | 55円 | 2,883円 | 1.91% | 3.3% |
2021年3月期の配当金は、前期(2020年3月期)と同様の35円で、増配にはなりませんでした。
2022年3月期以降は、「41.3円 → 46.3円 → 55円」と増配傾向に…。株主還元に対して、より積極的な姿勢に転換しました。
また、2022年3月期頃から、配当方針としてDOE(株主資本配当率)を採用。
累進配当に近い形となり、増配に期待が持てる銘柄になりました。
✓ デンソーの配当、今後の見通しは?
2025年3月期の予想配当金は、64円を予定。
予定通りに実施されれば、4期連続での増配となります。
最後に、デンソーの配当方針を再掲しておきます。
引用元:デンソー 剰余金の配当に関するお知らせ
- DOEを株主還元指標として採用
- 配当金額・連結業績等を勘案しながら、DOE3.0%からの継続的上昇を方針として、長期安定的な配当を実施していく
デンソーに関してよくある質問
デンソーに関して、よくある質問をまとめてみました。
- 質問①:デンソーの株式分割はいつ行われましたか?
- 質問②:デンソーとトヨタの関係は?
- 質問③:デンソーは何の会社?強みを教えて!
- 質問④:デンソーの時価総額はどれくらい?
以下で回答します。
質問①:デンソーの株式分割はいつ行われましたか?
デンソーは、2023年10月に株式分割(1株 → 4株)を行いました。
投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大を図ることが分割の目的のようです。
なお、株式分割「前」の株価は 10,000円前後で、100株購入するのに100万円くらいの資金が必要でした。
分割「後」の株価は 2,400円前後になり、24万円くらいで購入できる銘柄になりました。
質問②:デンソーとトヨタの関係は?
デンソーはもともと、トヨタの一部門で電装品を手掛けていました。
1949年12月に日本電装が設立され、トヨタから独立。1951年12月に株式を上場しました。
現在も、トヨタグループの一員。豊田自動織機(6201)やアイシン(7259)とともに「グループ御三家」と呼ばれています。
なお、デンソーの筆頭株主は、トヨタ自動車(7203)で19%を保有しています。
質問③:デンソーは何の会社?強みを教えて!
デンソーは、電装品全般・熱機器などを手掛ける自動車部品メーカーです。
デンソーの強みは、下記のとおり。
- 売上高が約7兆円で、業界No.1
- 売上高の60%を海外で稼ぐグローバル企業
- トヨタグループを支える中核企業
- 技術力に定評。電装品・エンジンなど、幅広く製品を手掛ける
質問④:デンソーの時価総額はどれくらい?
デンソーの2024年11月1日の終値は、2,156円。時価総額は、約6.8兆円です。
※なお、発行済み株式数は、約31.5億株。
時価総額ランキングでは、国内30位くらいに位置しています。
ちなみに、国内1位はトヨタ自動車(7203)で、時価総額は約41兆円です。
まとめ:今回のポイント
今回は、デンソー(6902)について解説しました。
ポイントをおさらいすると、下記のとおり。
- 株価が安い理由①:トヨタグループで広がる品質不正問題
- 株価が安い理由②:今期(2025年3月期)業績予想の下方修正
- 今後の業績次第だが、「株価は 2,700円台を目指す展開になる…」と考える
- 2025年3月期の予想配当金は、64円
64円配当が実施されれば、4期連続で増配の見込み
デンソー株に限りませんが、株式投資で成功するためには、的確な情報収集が欠かせません。
スマホで手軽に確認できる、moomoo(ムームー)などの株アプリを利用して、「株価」や「業績」を定期的にチェックすることをオススメします。
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※投資判断は、自己責任でお願いします。
今回は以上です。